■焼けた!焼けた!
さぁ、食べよう。
■すんごい濃厚な味
プリンにナイフを入れ、フォークで持ち上げた。普通のプリンと違って、形を崩すことなくスーッっと持ち上がる。うん、固い。
食べてみると、口の中に黄身の香りと濃厚な、こういうのをコクっていうのだろうか、美味しさが広がった。
うわー!すげー!黄身やぁ!黄身やわぁ!!
インチキ関西弁まで飛び出す始末だ。
固さは羊羹的。黄身っぷりは和菓子の黄身しぐれ。いや、黄身しぐれよりも更に黄身だ。そりゃそうだ、黄身だけだもの。
グラニュー糖を山盛り入れたのに、甘さは丁度良い。これは冷えてるせいだろうな。
昨今のなめらかプリンブーム(ブーム?)に三石くらい投じるしっかりプリンである。まさに対極。プリンなのにスプーンの上でまったくぷりんぷりんしない始末だ。
これ、プリンか?
しかしそんな事はどうでもいい。美味いから。
1/8を食べてすっかり満たされてしまった。これってきっと、体が「もう栄養は十分っす!」って判断したからだろう。滋味溢れるすごいプリンだと思った。
そして実はもう一つプリンがあるのだ。
■白身だけプリンも作った
焼いて食べるにも限度があるので、余った白身でプリンを作ってみた。牛乳、白身、砂糖を適当に混ぜた。レシピは超適当。
わりとうまく出来たようで、食べてみると案外美味い。プリンと言うよりはゼリー的な食感。やわらかくてプルプルだ。かなりプリン。甘さも意外に丁度良い。
だがしかし、なんだかちょっと空白感を感じる味で、ああ、黄身が足らないなぁと思った。過剰と不足。白身だけプリンを食べながら、「普通に全卵で作る方が美味いんじゃね?」とか、記事を全否定するような事を思ってしまった。
黄身だけプリンは黄身の羊羹だ
今回はレシピ通りに黄身だけプリンを作ることが出来た。初めて作った時よりも美味しく出来上がって満足だ。お菓子作りは、やはりレシピ通りに作るのが肝要なのだと思った。
しかし卵黄12個だ。きっともう黄身だけプリンを作ることはないだろう。だって、作ると漏れなく白身だけプリンも作る羽目になるんだもの。
おまけに冷蔵庫に入っている黄身だけ、白身だけプリンを見るたびに、なんだかそれだけで腹が膨れてしまうのだ。傷む前に食べきれるだろうか・・・・。
■参考文献
スペイン 熱い食卓―本場仕込みのやさしい家庭料理
おおつき ちひろ(著)
文化出版局
ISBN: 4579205030