特集 2026年9月2日

「コロコロ」を作った会社にコロコロのそもそもを聞く

あの現象の名前は「レール引き」

こうして生まれた初代コロコロ、先ほど写真を見ていただいた通り、この時点でほとんど「完成」している。

もう一回見ていただきましょう(画像提供:ニトムズ)

開発当初、テープの紙は茶色にするつもりだったらしい。しかし「取れたゴミが分かりやすいように」と、発売時に白色に変えたのだとか。ゴミが取れたのか分からないと、掃除している感じがないですもんね。

そしてコロコロといえば、バーを握って転がす特徴的な形状。これはペンキを塗るローラーを参考にしたそうだ。

保坂さん 当時はDIYブームで、ホームセンターに行くとペンキローラーが目に付くところに置いてあったらしいんです。ローラーの内径もいろいろ試した結果、トイレットペーパーの芯などと同じ38ミリメートルに落ち着きました。これは今も変わっていません。

コロコロを転がす方向を示す矢印も、当初からシートに印刷されているそう。逆向きに転がすとこうなっちゃいますからね……。

この現象、ニトムズでは「レール引き」と呼ぶそうです。(画像提供:ニトムズ)

さらに、粘着剤が筋状に塗られている「すじ塗り粘着加工」も初代からやっているという。もう全部やってるじゃないですか。

保坂さん そうですね(笑)。全面に粘着剤を塗るより、すじ塗りにしたほうがコロコロを転がしやすくなりますし、すじの凹凸によって表面積が増えるので、より多くゴミが取れるんですよ。さらに進化させたのが、現行商品の「コロコロ フロアクリン スカットカット」です。

こちらが「コロコロ フロアクリン スカットカット」

この「フロアクリン」、なんと今年で発売20周年。カーペットもフローリングも畳も、これ1本で大丈夫なマルチタイプだという。

保坂さん フロアクリンは青い部分が弱粘着、白い部分が強粘着に加工されています。青いすじが先に着地するので、フローリングでも貼り付かず、白い部分でゴミをしっかりキャッチしてくれるんですよ。

表面を拡大すると、確かに弱粘着(青)と強粘着(白)が塗られている(画像提供:ニトムズ)

えっフローリングの上を転がすとベターってなっちゃうから一回カーペットで転がしてからフローリングに移していましたよ、と思ったが、そんなことしなくていいのだ。発売20周年にもなるのに「えっ」と驚いてしまいちょっと恥ずかしい。

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生活史に合わせてアップグレード

フロアクリンはマルチタイプだが、もちろんそれとは別に「カーペット用」「フローリング用」のコロコロもある。カーペット用はより強力に、フローリング用はより優しくなっている。比べてみると、全然作りが違うのだ。

「コロコロ ハイグレード SC 強接着」。カーペットについたペットの毛も取れる強力タイプ。
すじ塗りよりもさらに表面積が広い「スパイクドット粘着加工」を採用。ドットの表面にも脇にも粘着剤が塗られている(画像提供:ニトムズ)
フローリング用の「コロコロ フローリングクリーナー みどり」。粘着剤を塗るベース(基材)が、紙じゃなくてポリエチレンになっている。
柔らかくてフワフワしてる! ポリエチレン基材を転がすと静電気が発生するので、粘着剤と静電気のダブルの力でゴミを吸着するそう。

コロコロが生まれてから約40年。こうした進化は、ライフスタイルの変化によるところが大きいという。

油田さん 1983年の発売当初、住居の床はカーペットが主流でした。そのあとフローリングが広まったことを受けて、フローリング用を開発したんです。以降、ペット市場の拡大や花粉対策、スマホの普及など、ライフスタイルの変化に合わせてラインナップを増やしてきました。

砂粒も取れる「クルマ用」、生地を傷めない「洋服用」、持ち運びやすい「携帯用」や……
タッチパネルの皮脂汚れをきれいにするコロコロも! 粘着樹脂で繰り返し使えるそう。
他にもダニをつかんで離さない構造の「ダニクリーナー」や、環境に配慮して廃材をアップサイクルしたコロコロなど、たくさんご紹介いただきました……!

床の材質だけでなく、なにをどこで除去するのかによって、こんなにバリエーションが生まれるのだ。

必要に合わせて進化してきたコロコロの歴史は、まさに日本の生活史。それは180種類以上にもなるわけである。

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コロコロの技術をさらに応用

そうなると、この先お掃除のトレンドはどうなるんですか……? という質問に、「実は最近出た新商品があるんです」と保坂さん。

これですか……?

先端が平べったい形状になっていて、粘着シートがついている。あのこれ、コロコロではないような……。

保坂さん 「すべる くっつく スキマワイパー」という、隙間を掃除する商品です。掃除機やお掃除ロボットが入れない隙間を掃除するために開発しました。

油田さん 先端のシートにコロコロで培った粘着技術が活かされているんですよ。ゴミを取り除くだけでなく、床の滑りやすさも両立しているんです。

なるほど、こういうことか……! バーがしなるので立ったままいける。

フローリングでもカーペットでも、先端がスーッと滑って隙間に入っていく。それでいて先っちょを触るとベタベタする。不思議……! うちの冷蔵庫の下とか洗濯機のパンの横とか、ごっそり掃除したいわぁ……。

掃除ロボットは進化したけども、人間がやらないといけない部分はまだ残っている。これもライフスタイルの変化……と思いつつ、別の思いも浮かぶのだった。

これ……「ゴキ逮捕!」に時代が追いついてきましたよね……?

おすすめの「切り方」がある

最後に僕らが知らない便利な使い方ってありますか?と聞くと、保坂さんは「当社が推奨するシートの切り方」を教えてくれた。

①使い終わったシートを1枚分ローラーから引き出す。
②引き出したシートを半分に折り、端をシートの切れ目に合わせる。
③切れ目の端を押さえ、片方の手を奥に、もう片方の手を手前に、勢いよくひねるようにしてシートを切る。

動画でもどうぞ

こうすると手が汚れにくく、シートに付いたゴミも落ちないのだとか。知らないことってまだまだある。

取材協力:株式会社ニトムズ

編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
「コロコロ」が開発される前の、新商品のアイデア「ゆで卵の殻むきテープ」と「脱毛テープ」のイラストは味わいがありますね。
フローリングでコロコロするとくっついてしまうのは仕方ないと思っていましたが、専用のコロコロが存在してました。
最後に書いてある、おすすめの「シートの切り方」を見てほしいです。(橋田)

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