豆苗を球体で育てると楽しい。見慣れたものが別の形で育つというのは新鮮でいい。育つ要件さえ満たせればどんな形でも育ちそうなので、また豆苗を育てるのに飽きたころに別の形で育ててしまうかもしれない。
どういう育て方をするか
豆苗は栄養剤や土もいらず水を定期的にやるだけで育ち、1、2回くらいは収穫できる。その条件さえ満たせば、あとは環境を多少変えても問題なく育つのではないだろうか。今回その環境として思い立ったのが球体だ。豆苗が球状に育ったら楽しいだろうなと思ったからだ。
まずは湿っぽい球体を用意する。
園芸用の吸水スポンジ、これを削ることで湿っぽい球体にします。
削りました。野球ボールくらいのサイズです。これを削るの自体かなりザクザク削れて気持ちよかったのですが、調べてみたら園芸用スポンジは彫刻の材料にもするらしいです。
豆苗をこれに這わせて設置します。
設置しました。
やってることは豆苗を球形に這わせただけなのですが、想像以上にグロテスクな見た目になってしまい、こんなことをして良いのだろうかと自問しました。私は何か恐ろしいものを作っているのではないだろうかという気持ちになります。
育てる
育てていきます。湿っぽい球体に這わせてはいますが、吊り下げている為水はけも良いので頻繁に水をやることで対策とします。
1日経過
特に変わりはない。育つのか不安になる。とはいえ豆苗はいつも育て始めは成長が遅く、数日が経過してから加速度的に伸びて行く。見守ることにする。
2日経過
あんまり見た目は変わってないが、心なしか芽が上に向き始めた気がする。豆苗は全体で伸びているわけではなく、生長点があり、そこが伸びる。生長点の残り方にはばらつきがあるので、伸びやすい芽、伸びにくい芽があるはず。
3日経過
明らかに成長している。成長が一目でわかり、良かったと胸をなで下ろす。観察すると、やはり生長点が伸びており、断面はそのままだ。
4日経過
全体が青々としてきて、最初に見えた豆の部分がかなり見えなくなった。だいたいどの方向の芽も育ち始めているが、今後それぞれどの方向に育っていくのだろうか。
5日経過
基本的には上に向かって伸びているようだが、一部奔放な伸び方の芽があり、それが元気さを感じさせる。このまま元気よく伸びていって欲しい。
6日経過
急にめちゃくちゃ伸びた。豆苗はいつも急に伸びるが、それがこの日だったのかもしれない。豆部分はほとんど見えなくなっており、覆いかぶさるように全体が伸び、これは球体で豆苗が育ってると言っていい具合だと思う。嬉しい。球体だと愛嬌のようなものが出てきてかわいく思えてくる。
7日経過
そのまま上方向にどんどん伸びてきて形が崩れてきた。もう一部は食用になると思うが、このまま継続して育ててみます。
8日経過
風が強い日で少し癖毛になった。伸びて全体が集合し、流れのようなものができている。かわいい。
持つと、瑞々しさを感じる。みずみずしい球体なのでフルーツを持ってるような感じになる。
そして完成へ…
9日経過
また全体がいい感じにまとまり、密度のある球体になった。良い。実験する前に思い描いた理想の豆苗球がここにある。
おそらく伸びてる長さ的にも、形状的にもピークだ。豆苗球、完成です。
さっそく食べようと思いましたが、この丸みのある姿を見ているとかわいく思え、少し名残惜しくなってきました。なのでもう少しだけこのまま育てます。
12日経過
完成してからしばらく見守っていたのですが、そのまま伸び続け、自重に負け、下に垂れ下がるようになりました。かなりぼうぼうとしたビジュアル。
大きいですね。豆苗のパック4つ分くらい収穫できそうなサイズになりました。
そろそろ頃合いだと思うので食べることにしましょう。
その前に散歩にいきます。せっかく持ち手がついているので。
草むらにいくとかなり視認性が悪いことがわかりました。ハンターとかが着る周りに草がついた迷彩服、ギリースーツも実際はほとんど視認できないんだろうなという変な納得をしました。
……
食べることにします。
豆苗は球状に育てても変わらずにおいしい。