特集 2019年4月26日

沖縄の海をモーゼ風に海開きしたい

これをやってみたい

3月から4月前半にかけて沖縄のビーチでは海開きが行われる。海開きとは海水浴場をその年はじめてひらくことに他ならないのだが、どうだろう、海開きと聞くと旧約聖書の『出エジプト記』の有名なあのエピソードを思い浮かべてしまう人もいるのではないだろうか。そう、エジプトのファラオの軍勢に追われたモーゼが、海を前にして手を上げると"海が開き"道ができたというモーゼの奇跡である。

なんとかモーゼの奇跡をリアルに実現する方法はないか。

大阪出身。沖縄に流れ着いて10年ぐらい。「ぱちめかす」という沖縄方言が、やることと響きのギャップがあって好き。

前の記事:マジの体育館がある物件が沖縄にあった


海開き用の素材作り

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どうすれば実現できるだろうか。私が考えた方法はこうだ。
まずは海が開いて海の底が見えている絵を描く。

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絵心のなさがつらい!

崖を描いた紙から崖の部分を切り取って透明の下敷きに貼り付け、下敷きには開いた海を描く。

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崖の部分は紙に描いてあるので絵がしっかり見えるにに対して、透明の下敷きに描いた海は雑に描くことで、下敷きを海にかざして見たら、崖から海に向かって透明にグラデーションになるはずなのだ。この説明では意味がわからないと思うが、私もどう説明すればいいのかわからないので、とにかく次の写真を見て欲しい。

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白い壁に向けるとよくわからない絵だが、これを青色の上に乗せると...。

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海部分の絵が下の青色に溶け込むように馴染むのだ。いい感じだぞ。

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気を良くしたので、次はダンボールで等身大のものを作る。

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絵の具で同じように崖の部分を描くが、これもまた難しい。
いったん絵画教室に通ってからじゃないと、海開きができないんじゃないかと思うほどだ。

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しかし、なんとなく崖っぽい絵が描けた。
ぼーっと歩いて、この絵を踏んだらドキッとするぐらいには描けたのではないだろうか。

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崖の周りの部分を切って、これも海に馴染むように青色のグラデーションを描いた透明下敷きを取り付けた。

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さぁ、本番だ

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海にやってきました。
撮影した日は曇り。でもこんな天気でも沖縄の海は青い。

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さっそく下敷きに描いたものを海にかざしてみる。

ほうら、海が開い...あれ?どうなんだろう。
うまくいった気がしたが、改めて写真を見返してみると現場のテンションでそう見えただけの気もしなくはない。

100歩譲って!100歩譲ってうまくいったことにしよう。
では本番だ。

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わたしは、海を開くことができるのか!
ちなみにカッパはモーゼの衣装のつもりだ。手に持っている木はさっきビーチで拾った。

それでは、ご覧あれ。
これが沖縄の海開きだ!

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海、パッカーン!

...いや、待って!待って!待って!
どうか、みなさんの心の中の天使たちを総動員してほしい。

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ぼかした
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モザイク処理
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元写真

だんだんと、海が開いている気がしてきただろうか?
どうかそう見えてほしい。

ちなみにこの日はとても風が強くて、撮影は1時間に及んだ。
これでも奇跡の一枚なのだ。モーゼの奇跡なのだ!


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私がダンボールをバタバタと風に煽られながら奮闘している近くでは、確認できただけで4組ものカップルがウェディングの撮影をしていた。沖縄の海は奇跡を起こさなくても十分なんだなぁ。
なんだかごめんなさい。
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