暑い中で辛い作業
外は30度を超す真夏日だ。じっとしているだけでも汗が滲み出てくる。
何でこんな暑い中で作業をしないといけないのか。
管理人が憎い。
目の前に元のスポーツ新聞を置き、それを見本にコピー用紙を張り合わせていく。
時折気持ちいい風が吹き、やっぱり外で作業するのも悪くないと思ったりするのだが、風が吹くとコピー用紙が飛んでいったりしてイライラしてしまう。きっちりとコピーしたつもりでも微妙にずれたりしているので、ピッタリと張り合わせるのが難しい。そして、何より外は暑い。
きっと管理人は涼しい管理室でゆったりしているに違いない。
思いがけず隙間が空いてしまい事務所に戻ってコピーを取り直したり、公園の警備員さんから注意を受けたり、1面貼り終えるのに30分近くかかってしまった。すっかり汗だくだ。
コピーを取りに戻ったら、管理人はやっぱり管理室の中で涼しげに座っていた。
なんだかんだで4面完成させるのに3時間近くかかってしまった。もう夕刊が出る時間であるが、とにかく畳4枚分のスポーツ新聞が完成した。
次ページでご覧いただきたい。
特に、管理人に。
4畳のスポーツ新聞
という訳で、これが畳4枚分※のスポーツ新聞である。
※江戸間サイズ。縦は58センチ短い。
コピー用紙を60枚も使っているのでずっしりと重いのが難点であるが、当初の目論み通り文字はとても読みやすい。これくらい大きい文字なら老眼になっても大丈夫だ。
街に出よう。
大きい新聞を持って街に出る
小脇に抱えて歩いている分には、街行く人たちもこれが新聞とは思わないようだった。しかし、立ち止まって新聞を広げるとみんなギョッとするのだ。
多くの若者が行き交うセンター街で畳大の新聞を広げてみた。
「大きい!」「新聞?」など、色々な声が聞こえてくる。
上の写真、左の男性などは新聞の大きさに驚いて何かを落としてしまっている。
渋谷駅に向かう。
待ち合わせのメッカ、モヤイ像横で新聞を広げてにた。
左隣りの売店で買った、という設定だ。あゆの下着姿を見ているので、新聞の開き具合は控え目である。
電車に乗ろう。
この時点で僕はある事に気付いてしまった。
大き過ぎて全体像がつかみづらく、逆に読みづらいのだ。
ちょっと大きくし過ぎたのかもしれない。
試しに普通の新聞を読んでみることにした。
大きい新聞に慣れてしまったせいで、普通の新聞が冗談みたいに小さく感じる。自分がチマチマした人間に思えてきた。やっぱり大きい新聞を読もう。
電車の中で大きい新聞を読むと、少しの揺れでも体勢が大きく崩れてしまう。新聞が重いので持っていかれそうになるのだ。また、近くで大きい文字を読もうとするので酔いそうになる。
じっくりと座って読める場所を探そう。
スポーツ新聞を読む場所といったら、やっぱりあそこだろう。