レモンパイ:
レモンの果皮や果汁で味と香りをつけたメレンゲやクリーム(カート)を用いる。レモン・メレンゲパイとも呼ばれ、短時間オーブンで焼いてメレンゲに焼き色をつける。(Wikipedia)
一応の定義はあるが、以下に該当していればレモンパイだということにする。
期間限定、店を代表するスイーツにもなったカフェ・マメヒコ
檸檬ケーキ(690円)
瀬戸内海、生口島のレモンをふんだんに絞った果汁を使用。レモンの味が口いっぱいに広がるにもかかわらず、酸っぱくないという不思議。
トップはメレンゲではなくクリーム。下がレモンクリーム。すこぶる柔らかい。そしてタルト生地の三層。それぞれでも充分においしいのだから、合体すると発狂的旨さがある。
深紅の天井。劇場のような作り
喫茶店にしては珍しく、時間帯で席料がある。ソロの客が多く、カップルも静かに過ごしていた。専門書が充実した図書館のような雰囲気。
まだショートカットだった頃。今は長髪です
じっさい読書に最適だろう。声を潜めながら店をあとにして、夜空に向かって「おいしかったねえ~」と何度か叫んだ。渋谷だからOK。
他を寄せつけない王者 洋菓子レモンパイ&Lemon no hana
レモンパイ 280円
たっぷりとあるメレンゲには、かりっと焼きめがついた立派なツノがあり、ファンを悶絶させる。
パイ生地の上には甘すぎずさわやかなレモンカート。これぞレモンパイの中のレモンパイである。王様でも女王でもいい、とにかく王が付く。
どうだ。その名も「レモンパイ」という店名
レモンパイ 他ワードで検索しても、必ずトップに君臨する、他を寄せつけないケーキ屋。開店前に列をなすほどの超人気店である。私はこの1年で6回食べている。
サービスのイートインスペースは小テーブル2つにイスが4脚。あくまでケーキ屋なので、ドリンクなどのメニューはない。電話予約をしておくのが確実です。
落胆のあとの驚喜、表参道NUMBER A
レモンパイ 500円
こちらも「らしい」メレンゲがたっぷり。容姿の焦げめも充分だけれど、食べると焦げ感ゼロで、均一な気泡が体感(食感)できる。
どの層も甘さは控えめなので、お年頃ガールたちも安心して爆食いしましょう。
表参道の路地にある青い外観。内装やインテリアもフランスっぽくオシャレ
「あー昨日の夜ハケちゃって、今日の夕方仕込むんですよー」レモンパイを注文した時の店員さんの一声がこちら。ハケたか......と、別メニューを注文した。
「ひとつだけありました! どうしますか!」しばらくしてめちゃくちゃうれしそうに吉報がきた。あったか......どこにあったんだ......と、即お願いした。
店員さんも私もニコニコの表情が爆発してしまったよい思い出の店。
シティにもあるレモンパイ ザ・シティ・ベーカリー
レモンパイ 500円
メレンゲよりレモンカートが厚いという変わり種である。そのせいか、全体的には酸味が強い。メレンゲは見ための印象をうらぎるやわらかさだった。
カジュアルな外観。店名に釣られてシティっぽいな~と思った
シンプルな脳細胞のせいか、シティっぽい作りだと思ってしまった。黒と白の内装がその気分に拍車をかける。レモンパイツアーにはめずらしくセルフ式。シティ故?
銀座の東急プラザ内にあるのだけれど、近くの、やたら並んでいた立ち食いお寿司屋さんが気になってしまった。
長い長いレモンパイがあるIn The Garden 135
レモンタルト 351円
レモンパイ界イチ(当社比)の長さ。タルトとのことで生地はビスケット状になっていて、個人的にはこちらのほうが好き。甘さ控えめ。アイスで少し味が混乱してしまった。
すみません、こんな写真しか撮ってなかった。べつやくさんが好きそうなヘアアクセサリをもらったので自慢したら、すでに「持ってる」とのこと
西新宿のOLに人気のレストラン。たまたま発見して奇声をあげてしまった。タルトは期間限定で、次に行ったらなくなっていたので大きく落胆した。
喜怒哀楽のつまった店である。
それにしても、我が国だけなのかパイとタルトの境界線がビミョーである。そのうえ愛媛には、郷土菓子のロールケーキの「タルト」まである。どこまで混乱させる気だ。
偶然の出会いはよりいっそうおいしさが増す イノダコーヒ
レモンパイ 481円
上からメレンゲ、スポンジ、レモンカート、パイ生地という、まさかの4層である。全体的にあっさりとした味。
焦げカラーが謎の均等であり、メレンゲの気泡も均等。均等にかけては随一なので、均等レモンパイと命名したい。
偶然にも、催事中の出張店舗に遭遇したのである
京都に本社をおくコーヒーチェーン店で、東京大丸に支店もあるイノダコーヒ。日本橋の百貨店催事場での出合いだった。老舗はロゴがかわいいものが多くて好き。
コーヒーショップでは、以前、砂糖とミルクがあらかじめ入っている状態での提供だったそうだ。理由は1947年にさかのぼる。
「客が会話に夢中になってコーヒーが冷め、砂糖とミルクがうまく混ざらなかった事がきっかけ」
クレーマーはどの時代にもいて、起業のルールまで変えてしまう。
待つこと30分 老舗のケーキ屋さんにある喫茶 西洋菓子しろたえ
チーズレモンパイ 350円
名前もビジュアルもレモンパイだが、白い部分は生クリーム。カスタード部分にチーズが入っている。クルミがトッピングしてあってこれがまた絶妙に合っている。
老舗のケーキ屋さんで1F、2Fが喫茶。かなり並びます
昭和喫茶だが、とにかく混んでいるので静かな印象はないけれど、上品な味は充分堪能できる。随所に出没するマスコットガールのしろたえちゃん(今名づけました)がすこぶるかわいらしい。
レアチーズケーキが大人気で、これはカットしないままでの購入をオススメします。
西洋菓子しろたえ
赤坂見附駅 喫茶 10:30~19:00 日曜定休
西洋菓子しろたえ
オープンカフェでフレンチ後のレモンパイ オーバカナル
レモンパイ 650円
メレンゲもレモンカートも薄く、味は酸味が際立っている。甘さに弱い人にはピッタリかもしれない。キレイに焦げめがあるものの、食感としては感じられず。
オープンカフェで様々な客層の印象
フランス料理だが、オープンカフェのせいか気取ったところがなく入りやすい。商談、カップル、家族連れと様々な客層。銀座店だったが店員さんもたいへん親切です。
モダンで斬新 味も負けてなかった THE APOLLO
レモンパイ 1,580円
「マジですか」と思わず声が出る仰天のビジュアル。けれども焼きメレンゲ、クッキーフレーク、レモンクリームと、完全にレモンパイの条件を満たしている。
ギュッと詰まっているのに柔らかいフシギな食感のメレンゲで、「これは本当にメレンゲですか?」と確認してしまった。本当にってなんだよ……。※メレンゲです
見ためのインパクトが印象的で、なにがなんだかわからない感じだが、実は大変おいしかった。
2016年OPENの、モダンギリシャ料理屋
銀座の女性たちに大人気の、シャレたギリシャ料理屋さん。内装、食器、窓から見える風景までどこまでもモダーンなのでどうしようかと思ったが、レジ用のお皿がタコ。一気に親近感が湧いた。
三種の神器がそろうアンヂェラスのレモンパイ
レモンパイ 380円
下からパイ生地、スポンジ、レモンカスタード、スポンジ、メレンゲという5層のレモンパイ。メレンゲは甘く、レモンカスタードの酸味が強い。まとめて食べると酸味の勝利。
老舗の有名喫茶店。昭和からのメニューが目白押し
ミックスジュース行脚をしたときも紹介した、昭和喫茶。山小屋、教会をモチーフにした作りで今でも人気店である。
ミックスジュース、バタークリームケーキ、そしてレモンパイと、昭和のマイ三種の神器が揃っているのはここだけ。
番外編:人んち
レモンパイ(レモンタルト)
暮れの誕生日。手作りのレモンカートをもらった。「少しずつ食べて」という願いを守り(破り)、昼に半分。夜に半分と、一気に食べてしまった。
こんなおいしくて幸せになるものがこの世にあったのかと絶賛したら、レモンパイを作ってくれると言う。
その味がまた悶絶するほどの旨さで、少し宙に浮いた。ごめんね、読者の皆さま食べられなくて。
流行るスイーツ 消えたスイーツ 生まれたスイーツ
レモンパイが昭和の味だと思うのは、かつて、どこのケーキ屋さんにもあったものが今では見られなくなったからだろう。実際、昔はあったが今はないという喫茶店も何件か行ってガクンとなった。
ティラミス、パンナコッタ、ナタデココのように、90年代に大流行して消えたスイーツもあるけれど、それといっしょにしてしまうのもどうだろう?
田原町の『洋菓子 レモンパイ』がある限りは大丈夫だと信じたいし、りんご飴(新宿)や綿菓子(京都)のように専門店で人気復活! ということだってある。
ともあれ、レモンパイは本当においしい。友人よ、いくらでもホメたたえるのでまた作ってくれ!
本当に初恋の味だった
この記事を書くにあたり、玉砕しまくった初恋ストーリーも載せる予定だったがとんでもない文字数になったのですべてをカットした。
対象者は、転校した先で一目ぼれした「きぼっちょ」という男の子。7才の頃だ。
気の毒なことに、私は毎日大声でコクり、ほかの追随をいっさい許さなかった。
おかげで何度かつきあっては離れ、つきあっては別れをくり返すイタチごっこのような日々を7年も送ったのだ。
レモンパイを初めて食べたのが小学校3年生。駅前にできた『アムール』という喫茶店。当時は知る由もないがフランス語で「恋愛」という店名じゃないか!