いきなりだが、まずはとにかくゲームをしたい人向けにゲームである。
これがどうして生まれたか、二人のエピソードを堪能したい方はこのすぐ下からどうぞ。
荻原さんのからまれ歴
江ノ島くんは2時間半かけて荻原さんが住んでいる成田を訪れた。
成田山への参道を歩きながらこれまでの不幸話を聞いた。あまり不幸がウェットにならないように箇条書きにする。
・始発の電車に乗っていたら知らない男性にゲームボーイを奪われた
・遊んでいるゲームボーイを取られたので一緒に降りた
・返してくれと言っているのに勝手に遊んでレベルをあげていた
・下手だから「そこはBボタン」と教えた
・だから返してくれるだろうと思ったら持っていってしまった
この話は13年前に
インタビューしたうえに
ゲームにしている。読者からゲームボーイを募集したところ3つ集まったので結果として荻原さんのゲームボーイは3個に増えている。
荻原「でもね。その前に伏線があったんだよ」江ノ島「まじっすか」
荻原「ゲームボーイを取った男は渋谷の駅のホームで別の男とケンカしていたので、面白いから近づいて見てたんだよね。そういうのが原因かもしれない。」
荻原さんは危うきに近づくのである。
(もちろんとったやつが悪い)
2.表参道で痛くない作戦
・南青山のデザイン事務所で働いていたとき、帰れないので会社近くの銭湯に行っていた
・歩いていると飲み屋から出てきた酔っぱらい集団が歩道をふさいでいた
・勝ち気な先輩がどかどかとぶつかってどけて歩いた
・荻原さんはそれについて歩いていた
・でも、酔っぱらいに髪をつかまれた
・振り回そうとするのでその方向に身体を動かして痛くない作戦をとった
荻原「痛くない作戦だよ」江ノ島「すごいっすね」
荻原 「酔っぱらいに『僕が何をしたんですか!』と言ったら『何もしてないな…』と手を離したんだけど。
酔っぱらいをぶつかって突破したあと、振り返ってニヤニヤしてたんだよね」
もちろん髪をつかむほうが100%悪いのだが、そのニヤニヤのことははじめて聞いた。
3. 車上荒らしでコンドーム増える事件
・ファミリーレストランの駐車場で車上荒らしにあった
・ドアのガラスがきれいになくなっているので、遠くからは被害にあったのに気づかなかった
・近づいたら靴がジャリって音がして砕けたガラスが落ちていた
・あのガラスの抜き方は「匠の技」って感じだった
・取られたのはカバン
・でも届けられて戻ってきた
・中に入っていたカメラ(ロモ)はなくなっていた
・ひとつ入れていたコンドームは10個になっていた
ロモというのも時代を感じるが、コンドームが増えているのが怖い。
亀の形の岩の上にコインを乗せる運試しに興じるふたり
荻原「コンドームは怖いから捨てた」
だそうだ。ちなみにこの話は、林と住さんが話しているあいだに尾ひれがついて、
「フロントガラスを割られたが、きれいに割られたために気づかずに走り、風がやたらとあたるのでガラスがないことに気づいた」という話として記憶していた。
もし僕と住さんからフロントガラスバージョンの話を聞いた人がいたら訂正したい。
コインが乗った荻原さんが江ノ島に圧をかける
4. 上海ぼったくりの店で盛り上がる事件
・取引がある会社の社員旅行に行った(荻原さんはフリーです)。行き先は上海
・団体行動ではなくひとりで行動したくなった
・ラーメンを食べに出ると、北京から来たという女性にガイドして欲しいと言われた
・ラーメンなら私が美味しい店知ってると言って案内された
(続く)
荻原「僕も旅行者なのにガイド頼むとか、その人がお店を知ってるとか今考えればおかしいところだらけだけどね。カタコトの英語で外国人と話をしている高揚感で……」
(続き)
・案内されたのは薄暗い店。入り口に男性ふたり
・その女性は友達を呼んで、ふたりでフルーツやお酒などをたくさん注文する
・すっかり3人で盛り上がった
・お会計5万円(旅行代金全部が5万だった)
・それですべてが分かった
荻原「そーゆーことねー。ちょっとちょっと~、ひどくな~い(笑)」と言って払った。江ノ島くん笑いすぎ。
お店を出たあと、女性二人にもう1軒行こうと言われたが、それはないなーと思って断ったとのこと。
せつなくなって団体行動している仲間のところに走って戻ったそうだ。
江ノ島くんのからまれ談
対する江ノ島くんのからまれ談である。本人がまとめたのでそのまま引用する。
2013年 25歳
仕事で疲れて公園でぼーっとしていたところ、おじさんから「大変だろうけどさ、頑張れよ」とさきいかをもらう。
深夜に家へ帰る途中、酔っ払いの男性が話しかけてくる。家の前まで来たが話が終わらず、(ここが家だとばれるのは怖い)と思い遠回りして、全然知らない家の前で「すみません、ここが私の家なので」と言って別れる。
2015年 27歳
当り屋に遭遇。交渉の末2000円取られる。
2016年 28歳
知らないおじさんにハンバーガーを食べられる。
2017年 29歳
新宿駅にて「すみません、100円くれないすか」と理由もなく取られそうになるが、「いやです」と答える。
陽気な外国人に絡まれて、ダンスバトルをする
それを聞いた荻原先輩のジャッジは
・江ノ島くんは母性をくすぐられるじゃないかな。心配されてるんだ(僕は違う)
・いま20代後半だから、とにかく働け(僕は毎週ゲームを作っていた)
・しかし事件があるとき、住さんが現場にいることが多いね
・からまれるをリアルにしよう
・ゲームは作るけど、「移動するとき転がるキャラでいい?」
ということでできたゲームがこれ「それいけ!! 江ノ島くん」である。
お金ではなくなった
荻原さんはいま開発の仕事のかたわら、自宅で野菜を作ったり、日曜大工をして暮らしている。
そのあまりの余裕っぷりに「宝くじでもあたったのでは」という噂もあったが(流したのは主に住さん)本人はきっぱり否定。
「稼ぎたいという気持ちよりも、お金が欲しいいう欲求が小さくなったので」だそうだ。