10年越しに指ハブがもっと大きくなる
指ハブ
指ハブというのは沖縄のこんな民芸玩具である。沖縄に行くとお土産やさんに売っているので見たことのある人も多いのではないだろうか。
デイリーポータルでは、2007年にべつやくさんが
「大きな指ハブが作りたい」という記事をやっているが、そのときは腕ハブと頭ハブが完成していた。今回挑戦するのは人ハブ。つまり、指ハブをもっと大きくしようという試みが10年越しに蘇ったのである。
まずは練習
まずは練習としてPPバンドで指ハブを作ってみる。
詳しい作り方は省略するが、基本的には写真にある形を2セット作って、輪になるように編んでいけば指ハブになる。
両はしを輪になるように編む
人ハブを作るにはある程度の硬さが必要だろうとPPバンドを購入してきたが、PPバンドで指ハブを作るにはかた過ぎて弾けてしまい、うまく編めなかった。
練習ができたのかはわからないが、なんとなく作り方はわかったのでいいことにする。
2セットで輪にするのではなく、たくさんのセットを作って編んでいけば大きな指ハブになるはずだ。
大きな指ハブを作るにはすごく太いPPバンドがあれば良かったのだが、お店を何軒か探しても見つからなかったので、編む本数を増やし輪の直径を太くすることで対応したい。
家でこんなことをやっていると猫が邪魔してくるので大変さが増す
ある程度のセットができたところで、上の方がほどけないように洗濯バサミで止めつつ、輪にする。
筒になってきた。
ちなみに写真だけを見ると早いが、ここまでで3時間ぐらいかかっている。
まだ試作段階なのにしんどい。
そして試作ハブが完成!
腕ハブぐらいかなと思ったがガバガバである。これはもしかして頭ハブなのか?
ぐぐぐ
やはり頭ハブとしてはサイズがぴったりだった。この絵、10年前のべつやくさんだ。
嬉しいぐるじい大好き。いろんな感情が混ざる。
ここまででわかったこと
・PPバンドで編むのは細いし扱いにくいので時間がかかる
・筒が太くなりがち
・でも編み終わらないとどれぐらいの筒の太さになるかわからないという恐怖
・ここまででもうすごく大変だったのに、同じ方法で人ハブが本当にできるのかわからない。ただただ不安
試作品を作ってから1ヶ月ほど何もしなかった。
ほったらかしにした理由は1つ。大変なのに本当にできるかわからなかったからだ。
どうやって、モチベーションをあげたらいいのかわからないまま時間はすぎた。
いや。でもやろう
このまま心の保留ボックスに入れていても、何も起こらない。
ともかくやってみよう。ある日、そう思い立った。
しかしPPバンドは時間がかかるので嫌だ。紙でどうにかならないか。
(普通の指ハブは草だったり、紙で作ることが多い)
つまりサイズは大きいけれど、人ハブだって紙でできるんじゃなかろうか。
大きなクラフト紙を買ってきて編む。1本ずつを太くしたのではやい!
人が入るには長さが足りないが、編んでいる途中で紙を継足していこうと思う。
ただし紙なのでフニャフニャして、うまく輪にならない。
しょうがないので息子のクマちゃんを寝袋にす巻き(東京湾に沈めたろかスタイル)にして、こいつを芯に巻いていこうと思う。
クマちゃんを芯に人ハブを作るよ。
巻いて輪にするよ。さぁ、巻く..よ..巻く......巻けない。
なんということだろうか。クマちゃんが重すぎて、巻こうとするのに紙がヨレるわ、破れそうになるわ。
では、ビニル袋に空気を入れれば巻けるのでは!
結果:巻けなかった。
ひとことで言うと紙は弱い。こんなに1本の幅を太くしたのが原因かもしれないが、強度がなさすぎてすぐにほどけてしうのだ。
そして、薄々気づいていたが、やっぱり紙だと人が入ると破れる。
やるぜやるぜ、PPバンドでやるぜ!
これで100m。700円
このままじゃダメだ。
心を決めたわたしは再度PPバンドを入手した。
3度目の挑戦。
果たして人ハブはできるのだろうか。
1本を150cmにして編んだところ、100m(PPバンド小巻1つ)ではこのぐらいの幅にしかならなかった。
これじゃ人が入るぐらいの筒の太さにはならない。
お願い。やめて
あ、編めた...。感涙。
あとはこれを輪にしていくだけ。
念のため幅がどれぐらいになったのか測ってみよう。
おい、150cmってよ!
...。
みなさんご存知だろうか。Fカップの人でさえ胸囲は100cmぐらい(体重にもよるが)。
つまりこれは、細川ふみえを捕まえても余裕で逃げられるぐらい太い人ハブになるということだ。にこにこにゃんにゃん。笑えない。
10本ぐらい減らして(たぶん1時間ぐらいの作業をなかったことにして)、幅を80cmにした。
ちなみに土曜日の夜にはじめたのだが、気づいたら日曜日の朝が来ていた。
おかーさん(私)、今日も朝から2歳児と公園にいく約束があるんですけど。
完成と失敗
日曜日をなんとか過ごし、子供を寝かせて再開しよう。
黙々と。ただ黙々と。
何日も編んでいると、さすがに手がはやくなってくる。前は1時間ぐらいかかったことが20分ぐらいでできるのだ。人はなんでも上手になるのだな。
人ハブできたー!
しかし、しかし!!
写真でわかるだろうか。この人ハブめちゃくちゃ太いのだ。
引っ張ろうとすると、わたしを喰わずにズルりと抜けてしまう。
こんどこそ。こんどこそ
つかれてきたので、ひらがなでしつれいする。
なみだをふいて、かんせいしたひとはぶをほどき、なんぼんかひきぬいて、ほんすうをすくなくした。
そしてできたのがこちら。
せまそう!これならくわれるはず。
はぶはぶ、いうてかおがまったくはぶじゃないもんだい
人ハブは私を食べることができるのか!?
ここまで来てまだわからないことが1つ。
本当に人ハブは私を食べるのか!?
人ハブを作るのに必要なPPバンドは150cmx30本。作る時間はおよそ4時間(試行錯誤の時間を含めたら3日)。
それでは、ご覧あれ。
ということで、人ハブは無事に私を喰いました。
胸あたりまでしか入らなかったが、この後抜けるのに時間がかかるぐらいグッと締められた。
最後に、私はすでにこの人ハブをこれからどうしたらいいのかわからず、持て余していることをお伝えして終わりにしたい。