骨汁発祥の店らしい「がじまる食堂」
まずは手始めに30年くらい前から骨汁を出しているという老舗、北谷町にあるがじまる食堂の骨汁を紹介したい。
店内に入るとまず目につくのは「骨汁あります」の文字。ここで骨汁の魅力のひとつだが、基本的に骨汁はダシを取った後の骨が具として使われているので提供できる数が限られている限定メニューである。ここかじまる食堂でも10時にオープンして11時くらいで売り切れてしまうらしい。昼食に食べようと思ってもなかなか食べられないのだ。上の写真の「骨汁あります」は紐で吊されていて、骨汁が無くなり次第取り外せるようになっている。
今回は10時の開店にあわせてお店に入ったのだが、次々と常連さんっぽい人がやってきて、カウンターに「骨」と一言だけ告げて骨汁を注文していく。よくわからないけどなんだか格好いい。
丼にこんもりと盛られた骨の山を見て頂きたい。この見た目のインパクト。この写真を見てワクワクしないだろうか。骨汁はどの店でもだいたいこんもりと骨が盛られており、壮絶な見た目をしている。これが骨汁の魅力その2だ。メインはダシを取った後の骨なのだが、だいたいはレタスが野菜として入っており、店によって大根や人参、昆布などが入っていたりする。かじまる食堂はレタスと結び昆布が骨以外に具材として入っていた。薬味はおろし生姜がつくことが多く、これを豪快に汁に混ぜ込んで食べるのだ。
さて、骨汁の食べ方であるが当然骨部分は食べられないので、骨部分についた肉をしゃぶりながら食べ進めて行くことになる。箸ではうまく取れないのでだいたいは手で骨をつかんで肉をしゃぶりとっていく。見た目の豪快さに反比例してカニを殻から取り出して食べるような割とちまちました作業である。しかしダシを取るためにじっくりと煮込まれた骨についた肉が口のなかでほぐれてこれがまた絶品なのだ。
あとは骨についた肉を汁と飲み進めるのもよし、ほぐれた肉が溶け込んだ汁を白米にライドして食べるもよし、スープを飲み干せば骨汁攻略の完了である。
どうだろうか?骨汁の魅力が少しでも伝わったら幸いである。では、ざっくりと骨汁について説明が終わったところで、他のお店の骨汁についてもご紹介していこうと思う。
味噌味の骨汁「グランド食堂」
続いての骨汁は沖縄市にある「グランド食堂」。
こちらも骨汁で有名な大衆食堂なのだが、看板にすでに「ほね汁の店」と書かれていてまさに看板メニューである。
こちらが骨汁650円。いかがだろうか。日本には「がしゃどくろ」という骨が集まった妖怪がいるが、骨汁は沖縄汁物界のがしゃどくろといってもいいのではないだろうか。しらないけど。
グランド食堂の骨汁が特長的なのは汁の味が味噌味という点だ。濃いめの味噌と大量のおろし生姜で身体がカッカしてくる。骨の重量も相まって出てきた時は重くて丼が持てないほどなので、骨をしゃぶりつつ、レンゲで汁を飲んで食べ進めていかないといけない。
紅豚の骨汁「とん吉食堂」
浦添市にある「とん吉食堂」の骨汁もご紹介。
ここは最近日本一安い定食があるお店としてテレビに紹介されたらしい。324円の定食も気になるところだが、やはり看板には骨汁が掲げられており、その人気がうかがえる。
さて、こちらが骨汁定食750円。左上のフライがない骨汁(単品)もありそれは650円。
真ん中の空いた器は骨入れである。
紅豚というブランド豚肉を使用した骨汁らしい。
よく煮込まれているので、かぶりつかなくてもお箸で骨からするすると身がはずれる。
とん吉食堂の骨汁は塩ベースで比較的あっさりとしており、そこにしょうがを少し入れるとまたさっぱりして美味である。
このように、お店ごとのバリエーションを楽しめるのも魅力のひとつかもしれない。
そして残るは骨の山
以上、冒頭とあわせて合計3店舗の骨汁を紹介したが、いかがだっただろうか。少しでも骨汁の魅力が皆さんに伝われば幸いである。
食べ終わった後の骨の山を見ると不思議な達成感がある
だいたいが数量限定なうえに提供している店が限られているのでなかなか沖縄観光で骨汁を食べるという機会はないかもしれないが、県外から沖縄に来た方もぜひ一度は骨をしゃぶってみて欲しい。なんせもう、うまいのだこれが。
まだまだあるぞ骨汁写真
本文では紹介できなかったが、まだまだディレクトリにたんまりと骨汁写真があったのでこちらでご紹介しておきたい。