
現代の都市は、細かく細かく管理されている。
そんな都市の公園にソフトなハッキングを仕掛けることを試みた。
最初に誰も気づかない小さな植物を植え、それを少しずつ少しずつ大きなものに変えていく。
ぼくたちは日々多くの情報を受け取りながら生活している。
そして同時に、多くの情報を見逃しながらも生活している。
そんな都市の公園にソフトなハッキングを仕掛けることを試みた。
最初に誰も気づかない小さな植物を植え、それを少しずつ少しずつ大きなものに変えていく。
ぼくたちは日々多くの情報を受け取りながら生活している。
そして同時に、多くの情報を見逃しながらも生活している。



この場所での『逆パノプティコン』成功までに、7カ所の公園で失敗しました。
いずれも都心部(新宿区・渋谷区・港区)の公園です。
深夜に植物を植えて翌日見に行くと、必ず引き抜かれて元の公園に戻っているのです。
公園がどれほど細かく管理されているか、身をもって知りました。
失敗の度に植物の大きさや変化のペースなどを見直しながら挑戦を続け、最終的に『逆パノプティコン』することができました。 以下はその記録です。
いずれも都心部(新宿区・渋谷区・港区)の公園です。
深夜に植物を植えて翌日見に行くと、必ず引き抜かれて元の公園に戻っているのです。
公園がどれほど細かく管理されているか、身をもって知りました。
失敗の度に植物の大きさや変化のペースなどを見直しながら挑戦を続け、最終的に『逆パノプティコン』することができました。 以下はその記録です。

(1) 7/7 2:36 モンステラ
植木屋さんで見つけた一番小さい観葉植物を、公園の中央部分に植える。
→翌日午前中に見に行くと、清掃の跡はあったものの抜かれてはおらずガッツポーズ。
午後に再度見に行って成功を確信。 とりあえず第一関門突破。
→翌日午前中に見に行くと、清掃の跡はあったものの抜かれてはおらずガッツポーズ。
午後に再度見に行って成功を確信。 とりあえず第一関門突破。



(2)7/8 2:45 パキラ
変化がバレないように、「なるべく前回と似ているもの」という基準で植物を探した。
そして全く同じ場所に植え替える。
→成功。 変わらない日常が繰り返されていた。 もちろん嬉しさはあったが、モンステラ→パキラ
という置きにいった挑戦だったことを反省。
そして全く同じ場所に植え替える。
→成功。 変わらない日常が繰り返されていた。 もちろん嬉しさはあったが、モンステラ→パキラ
という置きにいった挑戦だったことを反省。



(3)7/10 2:31 コーヒーの木
趣向の違う植物を選んでチャレンジ。 植木屋を4店ハシゴして選んだ。
→普段からこの公園を利用しているであろう子供も大人も気づいてないようで成功。
水やりのおじさんが来たときには不審者っぽい動きをしてしまった。
それでもちゃんとコーヒーの木にも水をやってくれて、胸をなでおろす。
→普段からこの公園を利用しているであろう子供も大人も気づいてないようで成功。
水やりのおじさんが来たときには不審者っぽい動きをしてしまった。
それでもちゃんとコーヒーの木にも水をやってくれて、胸をなでおろす。



(4)7/12 3:02 オリーブ
前回のコーヒーの木とはまた別の大陸の植物を選んで植樹。
風土と植生の関係に詳しい人には、敏感に察知されてしまうのではないかと思ってドキドキした。
→成功。 水やりのおじさんも公園の植物の一員と認めてくれたようで感激。
ここまで来たら「もっと思い切った変化をさせてもいいのではないか」と思えてきた。
風土と植生の関係に詳しい人には、敏感に察知されてしまうのではないかと思ってドキドキした。
→成功。 水やりのおじさんも公園の植物の一員と認めてくれたようで感激。
ここまで来たら「もっと思い切った変化をさせてもいいのではないか」と思えてきた。



(5)7/14 2:26 ムクゲ
一か八か、派手に花の咲いた植物を選んだ。 街路樹としても見ることの多いムクゲという木。
→天気も良く、いい感じの朝を迎えて成功。
花の色で、公園全体の雰囲気が少しだけ華やかになった気がした。
→天気も良く、いい感じの朝を迎えて成功。
花の色で、公園全体の雰囲気が少しだけ華やかになった気がした。



(6)7/18 3:37 フェニックス
前回の成功に気を良くして、完全に趣の違う植物でチャレンジ。
かさばる形態なので、植木屋→自宅→公園と自転車で運ぶのが大変だった。
そして値札を外すのを忘れていた、、、。
→「南国の感じが違和感出すんじゃないか」と心配ではあった。
が、違和感なく植わっているようで一安心。
常連の子たちからも、公園の一部分として受け入れられているようだった。
かさばる形態なので、植木屋→自宅→公園と自転車で運ぶのが大変だった。
そして値札を外すのを忘れていた、、、。
→「南国の感じが違和感出すんじゃないか」と心配ではあった。
が、違和感なく植わっているようで一安心。
常連の子たちからも、公園の一部分として受け入れられているようだった。



(7)7/21 3:12 サルスベリ
激しい雨と風の中、高難度の植物を植える。 自分の身長を越える程の大型の植物、サルスベリ。
→曇天の朝、静かに成功をかみしめる。 子供たちもいつも通り。
→曇天の朝、静かに成功をかみしめる。 子供たちもいつも通り。



※サルスベリは前日の7/20に植えるつもりだったのだが、ちょっとした出来事があり延期した。
公園を下見に来た時の、おばあちゃんとの出会いの件である。
立ったままずっとフェニックスを眺めているおばあちゃんに、それとなく話しかけた。
「この木を植えられたのよ」とのこと。
内心焦りまくったが、「そっか、、、大変ですねえ」と調子を合わせて、事なきを得た。
全期間を通じて変化に気づいたのは、このおばあちゃんだけだった。
まるで戦時中のレジスタンスのようだった。
世間が盲目的にある方向に傾倒していく中、それに異を唱えるおばあちゃんの姿が想像された。
彼女の存在は、かなり強い印象を残している。
公園を下見に来た時の、おばあちゃんとの出会いの件である。
立ったままずっとフェニックスを眺めているおばあちゃんに、それとなく話しかけた。
「この木を植えられたのよ」とのこと。
内心焦りまくったが、「そっか、、、大変ですねえ」と調子を合わせて、事なきを得た。
全期間を通じて変化に気づいたのは、このおばあちゃんだけだった。
まるで戦時中のレジスタンスのようだった。
世間が盲目的にある方向に傾倒していく中、それに異を唱えるおばあちゃんの姿が想像された。
彼女の存在は、かなり強い印象を残している。

(8)7/22 1:56 コニファー
最後の植樹。 とにかくデカいやつ。
一人では運びきれない程のものを植える。 手が痺れるほど重かった。
今もこのコニファーが、公園には植わっているのかもしれない…。
一人では運びきれない程のものを植える。 手が痺れるほど重かった。
今もこのコニファーが、公園には植わっているのかもしれない…。


