特集 2017年4月1日

犬がおしっこしてくれない!

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毎日ヒマだ。
ヒマでヒマでヒマでヒマでしかたない。

雨の日も、風の日も、暴風雨の日も不快指数100%の日だって、僕はこうして微動だにせずに立っている。このままでは足が棒になってしまう。
いやいや君は棒だろうという意見もあるかもしれない。
ちがう。僕は木だ。

もう少しでお花見の季節がやってくる。一気にチヤホヤされてにぎやかになるけれど、そのあとに襲いかかる宴のあと、お花見ロスがまたきつい。

小鳥や風は気まぐれにやってきては去っていく。ただ、「自由」を眺めるだけの日々。
しかし僕にだって、1日のうち楽しみにしている時間帯があるのです。
それでも今日はなにかちがう。
犬がおしっこをしてくれない!
イカとタコが大好きで、食べたり被ったり本まで出版しました。
でもサイコーに好きなのはアワビだったりします。世間に対する謙虚です。


> 個人サイト Weekly Teinou 蜂 Woman

1日のうち、楽しみな時間帯は朝と夕方

楽しみにしている時間帯は朝と夕方だ。太陽が昇ったときと暮れていく少し前。ジョギングやウォ-キング、そして、犬の散歩にでてくる人たちで、にぎわうのだ。それでも人間は、僕がそこにいて「あたりまえ」の存在。まるで空気のように、意識もしてくれない。
子供たちはいつでもまっしぐらだ。僕の存在にも気付かない
子供たちはいつでもまっしぐらだ。僕の存在にも気付かない

犬のおしっこに感謝の日々

犬はいい。
彼らは僕の足元で、鼻息荒くクンクンとにおいを嗅ぐ。唯一のコミュニケーションタイムだ。興味深く僕の周りをうろついて、おしっこをして去っていく。

犬の尿は「酸性リン酸塩」を含むため酸性(人間と同じ)だ。大量に毎日毎日同じ箇所にされたら、腐敗したり枯れたりするかもしれないけれど、これくらいなら大丈夫。むしろおしっこを通して、唯一ふれあいタイムが持てるのだから僕は犬のおしっこに深く感謝しているのだ。マーキング万歳、ありがとう犬のおしっこ。

様子がおかしい 犬たちの異変

今日も待っていた時間がやってきた。今こそ犬と戯れ、おしっこをひっかけられる時だ。これも日々のルーチンワーク。
「さあ、思う存分ひっかけてくれ!」
僕は願った。
どうも様子がおかしい。なにかがちがう。写真が白とびして加工でなんとかごまかしたから、とかではない何か。犬の様子がおかしいのだ。
どうも様子がおかしい。なにかがちがう。写真が白とびして加工でなんとかごまかしたから、とかではない何か。犬の様子がおかしいのだ。

凶暴犬でさえおとなしくなった

おかしい。犬がおしっこをしてくれない。それどころか、なぜだか避けられているようでもある。
ご近所で有名な凶暴犬、ヨークシャテリアの「あんじゅ」(飼い主 友人伊藤さん)でさえ、いつもの戦闘的な態度が見られずまさかのおよび腰である。
くんくんくん……
くんくんくん……
何これ……やだよボク……
何これ……やだよボク……
どうしたんだ、あんじゅ。いつものコーゲキ的姿勢はどこにいったんだ? 不穏な空気が重くのしかかる。犬たちに相手にされなくなったら、唯一のお楽しみがなくなってしまう。生きる希望が見いだせなくなる。おしっこでもいい、うんこだって歓迎だ。どうかみんな、僕のもとで用をたしてくれよ!
ひたすら待つ
ひたすら待つ
ゴールデン・リトリバーの兄弟。
ゴールデン・リトリバーの兄弟。

おしっこはしてくれないが、なつかれる

待ちぼうけをくらったかいがあり、2匹の兄弟がやってきた。うれしさのあまり瞬間移動をしてしまったが、おしっこをしてくれる気配はない。ただし、やたらとなついてくれて2匹との親交を深めた。ヨロコビ。
警戒きわまりない犬。柴犬かな
警戒きわまりない犬。柴犬かな

警戒される

つねに警戒心を持っている犬は、リスクマネジメントもしっかりしている。きっと賢いのだろう。それでも僕に興味を示してくれたことに変わりはない。一瞥でもいい。見てくれれば、ここにある木の存在を認めてくれさえすれば僕はうれしい。
人懐っこいラブラドール・レトリバー
人懐っこいラブラドール・レトリバー

ドドドドドー。一気に押し寄せる犬たちの時間

犬の散歩の時間帯はいきなり集中するものだ。これを僕は、犬のラッシュ時間と呼んでいる。列になって並んでくれやしない。それが犬のあるべき姿だからだ。慌てふためいておしっこをしてもらおうと必死な己が情けないが、1匹でも多くの犬と交流したい。おしっこで。おい、みんなどうした。
お散歩仲間だという3匹の犬たち
お散歩仲間だという3匹の犬たち

まっすぐな瞳。賢者ならぬ賢犬(ケンケン)の登場

上の写真をもう1度見てほしい。背を向けている犬、これこそが今回の賢犬だ。飼い主さんが必死で「こっち! こっちきて!」とリードを引っ張ってくれているのだが、とにかく僕の顔から目を離さない。凝視され続け、これは……とあぶなく異種愛におちいるところだった。「どうしてこんなところにいきなり顔が……」と感嘆しているようすであった。だったらホラ! おしっこしてくれないか!

女三人寄ればかしましいというが、それは犬にも同じことが言える。3匹揃うとワチャワチャしているのだ。あっちに興味をもったりヒモが絡まったりと、もう大変な騒ぎだ。かつて僕が、こんなに人気者になったことがあっただろうか。
フレンチ・ブルドッグ。こんなに小さくてもかなりのパワー。
フレンチ・ブルドッグ。こんなに小さくてもかなりのパワー。

今日はいったいなんの日だったんだろう

ハテナ? けっきょくどの犬ともおしっこコミュニケーションはとれなかったものの、いつになく興味は示してくれた。今日の思い出を胸に刻みつつ、しっかりと光合成をしながら年輪を増やしてゆくと誓った。
それにしても不可解な日である。なんだったんだ、いったい……。
公園のド真ん中も、憩いの場になっていいかもしれない。引っ越しを検討して下見にきてみた。
公園のド真ん中も、憩いの場になっていいかもしれない。引っ越しを検討して下見にきてみた。

友人が「かわいいので家におきたい」と言うので処分する手間が省けた木。かわいいはわかるとしても、え。家に置きたい?
伊藤家三男。今頃になって興味津々の凶暴犬あんじゅ君です。
伊藤家三男。今頃になって興味津々の凶暴犬あんじゅ君です。
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