全130号でデロリアンを作ろう
いまテレビCMを結構やっているので、それで知ってる人もいるだろう。
デアゴスティーニの週刊バック・トゥ・ザ・フューチャー デロリアンは、全巻揃えるとあのタイムマシンカー、デロリアンの1/8模型が完成するという週刊誌である。
創刊号は499円。次号以降は1790円になる。ぶっちゃけ、安くはないよな。
実は映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』自体、中学生ぐらいの多感な頃合いに観てハマった、かなり好きな映画なのだ。
もちろんデロリアンもすごい好きだ。ガルウィングのドアがバシューッと開くとことか、小中学生男子なら誰でもウットリだ。
そして創刊号は映画そのものというか、とにかくデロリアン推しの一冊。
映画のあのデロリアンをデザインしたアンドリュー・プロバート(スタートレックのエンタープライズ号とかもデザインした人)のインタビューとか読めて面白かったのだが、それよりも気になるのは付録の部分だ。
箱を開くと左が雑誌部分、右が付録。
創刊号は、デロリアンのリアセクション(車の後面)が付いてくる。
こういう雑誌はだいたい創刊号に一番「これだ!」というパーツを持ってくる(ティラノサウルスの骨格模型なら頭蓋骨とか)ので、デロリアンはお尻がメインというのが公式の解釈なんだろう。
タイヤが付録の号は、モチベーションを試されそうだ。
今のところ全130号で完成予定とのことなのだが、早くも三号めで付録がタイヤ1個という予告も出ており、以降パーツを激しく刻んでくることは予想できる。
そんな中でも、創刊号はとドンとまとめてリアセクション。大盤振る舞いである。
うしろリアン、かっこいい
創刊号付録の組み立ては、かなりあっさり。
ネジ留めが数カ所あるものの(ドライバーまで付録に入ってる。創刊号はお得だ)、たぶん模型の組み立てに慣れてない人でも10分あれば完成するはずだ。
ちょっとネジ留めして、あとはパチンパチンとパーツはめるだけ。図面を見ずに直感でもいけるぐらい。
デロリアンのうしろリアン。アルミダイキャスト製でずっしり重く、かっこいい。
ぱっと見で「おお、デロリアンだ」と分かる、特徴的なリアセクションである。
実は左ブレーキランプは次号の付録ということで、創刊号だけでは完成していないのだが、それでも充分に格好いい。
この状態でこれだけかっこいいんだから、何か別のものにとりつけてもかっこいいんじゃないか。
具体的に言うと、こんな感じだ。
ルンバリアン。(妥当なネーミング)
ロボット掃除機は自律的に部屋の中を移動しながら掃除してくれるだけで充分にかっこいい。だが、後ろがデロリアンになると、さらにかっこよさが30%ぐらい向上した気がする。
よし、どうせならもっとかっこよくしたい。
デロリアンと言えば、やはりアレだ。火だ。
デロリアンといえば、画像検索でもやはり火だ。
デロリアンは、時速88マイル(140㎞ぐらい)を超えた状態で「タイムサーキット」を1.21ジゴワットの電力で稼働させることによってタイムトラベルする。
その時に、燃えるタイヤ痕を道路に残して時空の狭間に消えるのだ。あれが超かっこいい。あれをやりたい。
ルンバリアン、時速88マイルで掃除中。
火とデロリアン、最高
言いたいことは小見出しでいま全部書いてしまったが、デロリアンのタイヤ痕が火になるのは最高だ。
ということで手元にデロリアン(の一部)がある以上、やはり火は作っておきたかったのだ。
細長い板に発泡スチロールを貼り付け、ベースを作成。シンプル。
近所のホームセンターで店員さんに趣旨を説明し、さらに画像検索でデロリアンの燃えるタイヤ痕画像を見せた上で「デロリアンの火ってどういう作り方すればいいですかね?」って相談したら、「うーん、バーナーじゃ危ないですよね」と真顔で言われた。
やはり「デロリアンのリアセクション模型をいろんなものにくっつけたいんですけど、そこでタイヤ痕の火を再現するにはどうするべき?」という趣旨説明では無理だったか。
発泡スチロールにフェルトを接着したり、針で刺して埋め込んだり。わりと楽しい作業。
仕方ないのでなんとなくの出来上がりをイメージしつつ、細長い板と発泡スチロール、そして手芸用品店で火っぽい色のアクリルフェルトを買ってきた。
あとは火に見えるようにフェルトをモワモワと発泡スチロールに盛りつけていくと、一直線に燃える火的なものの完成である。
再び火を噴くルンバリアン。掃除してんのか火を着けてまわってるのか。
雑に作ったものとは言え、やはり、火のあるのと無いのとでは、あるほうが断然に格好いい。
梅に鶯、富士に月見草、デロリアンに火、だ。
iPhoneがデロリアンになるのもかっこいいけど…
ほら、火があるとさらにデロリアンっぽさが高まるよね。すごい持ちにくいけど。
こんな感じで、家の中にあるものをあれこれかっこよくデロリアン化していく試みは続く。
貼って火を噴かせるだけでいいんだから、簡単お手軽なものである。
猫がベッド代わりにしてる段ボール箱リアン。
仕事用椅子リアン。これに座って未来のクライアントまで仕事もらいに行きたい。
で、いくつか試していて気付いたのだが、やはりiPhoneとか猫用ダンボールなどの動かないものより、ルンバや椅子などタイヤが付いて移動するもののほうがデロリ感は高まるような気がする。
「デロリアン、タイヤついてるほうがいい説」を検証するべきか。
ところで言うまでも無いが、「デロリ感」は僕がさっき思いついた言葉だ。
デロリアンっぽい格好良さ、を感覚的にとらえた言葉として受け取って欲しい。
走ってこそデロリアンか
まず一番手元にあったタイヤ付き物件は、取材の移動に使ったまま部屋に転がしてあったキャリーカートだ。
これをデロリアン化してみよう。こんな感じだ。
キャリリアン。自分を置いて荷物だけタイムワープしそうで不安だ。
うん、いい。やはりタイヤで移動してる感はデロリアンに必要な要素だったのか。
もうひとつ、自宅近辺のちょっとした移動に使ってるキックボードもデロリアンにしてみよう。
キックボリアン。過去のスーパーまで牛乳とツナ缶買いに行ってくるわ。
デロリ感すごい高い。やはりデロリアンはタイヤあってこそか。
やはり、タイヤ痕を燃やしつつ走り抜けるのがイメージしやすいのか、タイヤ付きのものはデロリ感が高い。少なくとも、iPhoneよりはずっとデロリアンだ。もう「タイヤ付きの方がデロリ感」説は実証されたと見て良いだろう。
しかしもう一つだけ気になることがある。
もしかしたら、走り抜けるイメージさえ維持できれば、タイヤじゃなくてもデロれるんじゃないか、とも思うのだ。
要するに、こういうこと。このためにもう一冊『週刊バック・トゥ・ザ・フューチャー』買って来た。
あ、タイヤ無しでもいけそうな気もする。
靴リアン、どうだろうか。
個人的にはこれでも充分にデロリアンとしてやっていけそうにも思う。
ひとまずの結論としては、デロリアンは「デロリアンのリアセクション・火・移動」の3点セットでデロリアンなんだということで良さそうだ。
対して、どうしてもデロリアンにならなかったのは、ボールペンだ。
サイズが合わなすぎたというのもあるだろうが、そもそも自動車のリアセクションがペンにくっついているという違和感が大きかったのだ。
逆にデロリアンになっても似合う文房具とはなにか。その辺は今後追求していきたいと思う。