特集 2016年9月12日

今週は秋雨 台風が近づくと3連休まで長引きます あと出し天気予報

秋雨前線、台風、そして次の台風…。そんな、にぎやかじゃなくていいんですけど…。
秋雨前線、台風、そして次の台風…。そんな、にぎやかじゃなくていいんですけど…。
1週間の天気予報を振り返って当たったかどうかを検証する週1連載。
勝敗とその理由を振り返ります。はたして今週の成績はどうだったのか。

(本連載は振り返りが中心で、詳しい予報は行っていません。予報が見たいかたはウェザーマップなどの専門サイトをどうぞ)
1977年滋賀生まれ。お天気キャスター。的中率、夢の9割をめざす気象予報士です。 好きな言葉は「予報当たりましたね」。株式会社ウェザーマップ所属。
ツイッターでも気象情報やってます。(動画インタビュー)

前の記事:台風に?接近? 今週は熱帯低気圧に注目 ~あと出し天気予報

> 個人サイト ウェザーマップ・増田雅昭 ツイッター @MasudaMasaaki

1週間を振り返る(東京都心周辺)

1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。
1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。

先週は大苦戦でした…

先週は3勝2敗2分けの、きびしい成績。

予報を見ている人に、ただただもうしわけなく、面と向かったら何か言われるかもとビクビク。
怖そうな人とは目を合わせないようにした一週間だった。

敗因の一つは台風13号。
本州の南で温帯低気圧に変わって形はくずれたが、実はそれがやっかい。
雨雲が大きなまとまりなら予報はしやすいのに、バラければバラけるほど、いつかかってくるか読みづらく、予報は苦しくなる。

木曜(8日)は台風13号が去って、雨がやむと思ってたのに、夜までしつこく雨。

金曜(9日)は晴れたかと思ったら、まさかの夜に急な雨。
13号の残していった上空の湿気が、おばけのようにフワッと雨雲として現れ、雨が降った。

13号、台風じゃなくなったのは早かったのに、どれだけ執念深いの…。
ごめんなさいの気持ちを表す一枚。ガックリの気持ちも兼ねてます。
ごめんなさいの気持ちを表す一枚。ガックリの気持ちも兼ねてます。

記録と記憶に残る台風の年になるかもしれません

先週の記事で「なるかも」と言っていた熱帯低気圧が、台風13号になった。

本州の南で温帯低気圧に変わって「上陸」あつかいにはならなったが、各地に大雨を降らせて駆け抜けていった。

ここ1か月で、5号~13号まで9個発生して、そのうち8個が日本に接近。
接近率は89%。これは驚異的。そのうち5個が上陸している。

大きな要因は、日本の近くに、台風の発生工場地帯のような雲がたくさん生まれるエリアがあったため。
ふだんなら、フィリピンの東とかグアム方面とか、もっと遠くなのに。

ここに来て、ようやく発生工場地帯の雲エリアは、南に離れてくれた。これで台風接近は少し落ち着くかと思いきや…。

【今週のみこみ】台風14号と、あと追いの台風の動きがポイントです

今週の天気、主役の一人は秋雨前線。
九州~本州をウロチョロして、水曜(14日)か木曜(15日)頃まで、曇りや雨の天気をもたらす。

読めないのが、そのあと。

秋雨前線がいったん消えて、天気が回復することも有り得るが、それを阻止する可能性があるのが、2つの台風。
アメリカ気象局による16日(金)の雨と気圧の予測。
台湾の西側のLマークが台風14号。沖縄の南のLマークがおそらく次の台風。
「アメリカによる」と書いてあると当たりそうな気もしますが、ケースバイケースです。でも、今回はイヤな予感。
1つは台風14号。
大陸に進む見通しだが、弱まりながらも日本にUターンする可能性がわずかにあり。

もう1つが、次の台風。
14号と似たコースを通って北上しそうな気配がある。
北上した場合は、14号より東側のコースをとりそうな位置だ。

もし、どちらかの台風が近づくと、秋雨前線は消えず、雨は週末の3連休まで長引くことに。
しかも、台風が大量の水蒸気をはこんで、秋雨前線が大雨を降らせる前線に化けるかも…。

またも台風がカギをにぎる一週間に!
!
今週の格言
『秋雨前線は、二重人格。風情を感じる雨もあれば、凶暴な雨も。台風が性格を大化けさせることがある。』

質問コーナー

台風の進路や予報円は、気象予報士によって違う予想になるのでしょうか?それとも全ての気象予報士が気象庁のものを使うのでしょうか?

基本的には気象庁のものを使います。でも、裏ルートもあるんです。

テレビやラジオなどでの天気予報は、すべて気象庁の台風予報が出ています。
気象業務法という法律のからみで、そうなっているんですね。

10年ほど前にくらべると、だいぶゆるくはなっていて、海外の予測で台風が日本を直撃してる予測図とかも、テレビで見るようになりました。
ただ、あれも気象庁からイエローカードが出ないように、言葉を選びながらやってる感じなんですね。

一方で、特定の人に伝える場合、つまり、契約している企業や人には、気象会社独自の台風解説を提供していたりするところもあるんですよ。

ですから、増田の台風解説がくわしく知りたい!という人は、企業や個人のおかかえ予報士にしていただければ、気象庁の進路や予報円じゃ分からないことを、たっぷり言いますよー。

あっ、これ宣伝じゃないですからね。

…いや、ちょっと本気かも。

詰め天気

先週の問題は、こちらでした。
正解と次の問題は、来週アップします!

追加のヒントは、「等圧線の間隔で風の強さがわかります」です。

解答はこちらから↓
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