笑っちゃうほど悪天候
ポットホールを見に来たこの日は、“超”がつくほどの悪天候。
どしゃぶり
大雨洪水警報発令中
「同じ静岡県内に住んでいるんだったら、日を変えればいいだろう」とお思いの方もいるかもしれないが、わたしの住んでいる掛川市(静岡県の中でも西の方にある市)とポットホールのある伊東市は同じ県内だと思えないくらい離れているので、「じゃあ来週にしよう」と簡単には日程変更できないのだ。
忘れないでいただきたい、静岡県はとにかく横に長いのだ!!
ポットホールがある場所は海岸沿い。この天候の中行くのは明らかにまずい…仕方ないので日中はひとりで伊豆を観光した。
伊豆テディベアミュージアム。かわいいテディベアたちに癒された
伊豆ガラスと工芸美術館。受付スタッフのおばちゃんたちが「ひとりなの?」と心配してくれた。優しい
ひとりだけどキャンドル作り体験もやった。めちゃめちゃエンジョイした
他にも、メルヘンの森美術館や、怪しい少年少女博物館にも行った。伊豆は雨でも楽しめる観光スポットが多くて素敵。
晴れた!!そして城ヶ崎海岸へ
そんなこんなしている内に、天気予報を覆していつの間にか晴れた。雨上がりで少し蒸し暑いが、これなら予定通りポットホールを見に行ける。
目指すのはここだ。
場所があまりわからなかったので、事前にこの「かんのん浜ポットホール」のことを調べたところ、
伊東市のホームページにこんな記述があった。
こちらがヒットした伊東市のページ。赤字部分に注目
※ポットホールのある場所は、足元の悪い場所にあります。伊東歴史案内人会など見学経験のある方の同伴が望ましいです。
ふむふむ、「望ましい」程度だからさほど危険な場所ではなさそうだけど、詳しい話も聞きたいし、ここはその伊東歴史案内人会の方に頼んでみるか。
ということで、今回同伴をお願いした伊東自然歴史案内人会の木村正人さんと合流。
急なお願いにも関わらず快く引き受けてくださった木村さん。ありがとうございます!
木村さんはポットホールの他にもジオガイドとして、伊豆半島の様々な自然スポットを普段から案内しているそうだ。
趣味は登山とおっしゃるのでどんな山に登るのかお聞きしたところ、日本三百名山は全て登り切ったとのこと。趣味の域を超えているし、とっても頼もしい。
いざ、ポットホールへ!!
木村さんから一通り事前説明を受け、早速ポットホールを目指すことになった。
木村さんに準備体操を勧められたので、軽くアキレス腱を伸ばす。この時はまだ余裕のある笑顔
ポットホールまでの道のりも、自然がいっぱいだ
少し霧がかっていて神秘的
しばらく木村さんについて行くと…
海岸に出た!!(この時点でちょっと疲れ始めている)
途中途中様々な情報を教えてくれる木村さん(と、疲れ始めて偉そうなわたし。すみません!!)
ちなみにこの辺りのことを通称「いがいが根」というらしい。理由は足元の岩がイガイガしているから。名前の付け方がなんかかわいいぞ
いがいが根の由来を聞いたところで、さらに先へ進んで行くと…
ポットホールのある「かんのん浜(かんのんの浜)」に着いた!!
木村さん「道が険しくなりますから、気を付けて進んでください」
本当に険しい
木村さん「足の裏を岩にぴったりくっつけて歩いてください」(滑らないようにするため)
木村さん「見てください。これがポットホールです」
おお!(…あ、あれ?確かに穴の中に石があるけど、思ってたのと違うぞ?)
わたしがイメージしていた「かんのん浜ポットホール」は、もっと大きな穴の中に、まん丸でツルツルした岩が入っているポットホールだ。
木村さん「これもポットホールですが、本番のポットホールはこれからです。この辺りには、こういう小さいポットホールがいくつもあるんですよ」
もったいぶる木村さん。
目指していたポットホール以外にも、同じく荒波によって石が回転し削られてできたポットホールがいくつもあるとのことだ。
木村さんのお話によると、このポットホールは中に入っている3つの石によって削られ、約3000年も前にできたものだそうだ。当時は今より暖かく海面も高かったため、(現在の)海面より随分高い位置にある。
時が経つと共に徐々に海面が下がってきて波が届かなくなり、中にある3つの石が動くことがなくなったので、この状態で止まったままになったということだ。
3000年前か…3000年前ということは縄文時代だから、縄文人の方々も「ポットホール!ポットホール!」とわたしと同じようにワクワクしていたのかな…してないか。
木村さん、これはこれで興味深いけど、早く例のビッグポットホールを見せてくださいよぅ!!
これが本日のメイン、ビッグポットホールだ!!
木村さんの焦らしを経て、今度こそビッグポットホールを目指す。
(「ビッグポットホール」とは、あくまで今回目指したポットホールをわたしのテンション上勝手にそう呼んでいるだけで、実際の名称ではない。あしからず。)
木村さん「ここを乗り越えれば、(ビッグ)ポットホールが見えてきますよ」
超サバイバルな岩場
スルスルと抜けていく木村さん
「えぇ…マジですか…」 唖然として置いて行かれるわたし
ちなみに余裕が全くなくて写真を撮れなかったが、ここは大きな岩と岩の間にゴツゴツした中くらいの岩が挟まっているだけで、落ちると海(しかもこの岩がある場所は割と高め)なので、一歩間違えると本当に危険な場所だった。
ホームページには「見学経験のある方の同伴が望ましい」って書いてあったけど、そもそも知ってる人じゃないとここまでの道のりがさっぱりわからないし、予想以上にハードなので、正直「同伴がないと無理」だ。
これからビッグポットホールを見に行く方には、木村さんはじめ伊東自然歴史案内人会の方の同伴を強くお勧めする。悪いことは言わないから。
カメラマンも必死だったので、この岩場を通り抜ける時の写真はないが、何とか(出ているお腹を引っ込めながら)通り抜けると…
ついにあった!!!
ビッグポットホーーーーーーール!!!
穴も滑らかに削られてるし、中に入ってる岩もまん丸でツルツル!!これが見たかったビッグポットホールだ!!!
しばらくカメラを構えていたら、中に入っている岩が動く様子も捉えることができた。
大きな波が来た時に少しだけ動くので、注意して見ていただきたい。
波しぶきがかかるほど接近した上に足元が悪いので、岩と共に自分も揺れる
この動きを繰り返し、今も少しずつ穴も中に入っている岩も削られ続けているのだ。
ビッグポットホールの直径は約70cm、中に入っている岩の重さは約450kg!!(木村さん談)
450kgというと、日馬富士だと約3.3人分、豪栄道だと約2.8人分、稀勢の里だと約2.5人分だ。書いてみたがよくわからない。
とにかく自然の力ってすごいなと思った。(感想が稚拙)
感激のあまりポットホールとツーショット写真を撮るわたし
人工物のように精巧で感動すら覚えるビッグポットホール。
生で見たら、そこまでの道のりの険しさもあってか想像以上に感激してしまった。
このポットホールは伊東市の市指定天然記念物に指定されているが、たどり着くまでに手すりがあったり遊歩道があったりするわけではないので、見に行かれる方はくれぐれも気を付けて楽しんでいただきたい。
猫は何匹いるでしょ~か???
いがいが根には猫が数匹暮らしていた。
かわいいなぁと思って撮ってみたはいいものの、岩と同化してどこにいるかわからない。
問題:この写真に猫は何匹隠れているでしょ~か???
~ご協力いただいた方のご紹介~
伊東自然歴史案内人会 木村 正人さん
木村さんはじめ伊東自然歴史案内人会の方に同伴をお願いしたい方は、下記のホームページをご確認ください。
伊東自然歴史案内人会ホームページ
http://ito-guide.on.arena.ne.jp/
~伺った場所~
かんのん浜(かんのんの浜)ポットホール
所在地:〒413-0232 静岡県伊東市八幡野