特集 2015年7月30日

オクラやナーベラーで沖縄っぽい精霊馬を作る

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お盆でご先祖様の乗り物として供えられる精霊馬。沖縄ではあまり馴染みがありませんが、沖縄っぽいもので作ってみました。
神奈川県出身。ドウラン塗りマスターの旅好き。本業はカメラマン。職業柄、海外へ行くことも多々あるなか、渡航先でDEE目線のネタを探してしまうのが悲しくも楽しんでいる。


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お盆がやってくる

7月もそろそろ終わり、8月といえばいよいよお盆がやってきます。皆様すでに帰省の計画など立てられていることかと思いますが、本日はお盆で仏壇に供える精霊馬(しょうりょううま)についてです。

精霊馬とはご先祖様がこの世とあの世を行き来するための乗り物として野菜に割り箸などで足を付けた動物に見立てたもの。

一般的に多いのは、きゅうりとナス。きゅうりは足の速い馬とされ、早く家に戻ってくるように。
ナスは歩くのが遅い牛で、あの世に帰るのが少しでも遅くなるようにという意味。牛歩戦術。供物を牛に乗せてあの世へ持ち帰ってもらうとの願いがそれぞれ込められているそうです。
ナスときゅうりを使うのは、日本本土では旬な野菜なので手に入りやすいからなのではないでしょうか。
精霊馬。ナスが売っていなかったのでゴーヤーときゅうり
精霊馬。ナスが売っていなかったのでゴーヤーときゅうり
この精霊馬ですが、沖縄では仏壇に供える風習がありません(そもそもお盆は新暦ではなく旧暦に行われる)。ご先祖様は仏壇に供えられたサトウキビ「グーサンウージ」を杖代わりについてやってきて、供物はそのサトウキビを天秤棒として利用して持って帰るといわれています。

ちなみに石垣島で旧盆にやってくる祖霊神、アンガマによれば最近ではご先祖様は飛行機に乗って帰ってくるそうです。沖縄のお盆は近代化の一途を辿っていると言えるでしょう。
旧盆の沖縄のご先祖様の様子は「沖縄のお盆をシミュレートしてみた」を見ていただけるとわかるかと思います(個人的にDEEで一番好きな記事)。

沖縄の仏壇では見ることのない精霊馬ですが、旬の沖縄野菜を使ってお供えしてみるのはいかがでしょうか。ということで旬の野菜を用意しました。
精霊馬。ナスが売っていなかったのでゴーヤーときゅうり
今が旬。ナーベーラー(へちま)。沖縄では味噌炒め(ンブシー)にして食べられるれっきとした野菜。あの独特な土っぽい匂いがやみつきになります。
ちょっと小さめのほうが、種も小さくて食べやすい気がします。
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こちらも今が旬。島オクラ(丸オクラ)。一般的なオクラの断面は五角形ですが、こちらは名前の通り丸いです。
角オクラと比べて、丸オクラのほうが柔らかく甘みがあるのが特徴。

この他にゴーヤーも買ってあります。それでは用意した旬の野菜を使って早速精霊馬を作ってみましょう。
アグー
沖縄を代表する動物はいろいろいますが、野菜の形に似ていないと作りにくい。まずは、ナーベーラーをパッと見たときに似ていると思った豚を作ります。「アグー」は沖縄在来種の黒豚。ナーベラーを使って作るので黒くないですけど。
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オクラのヘタ側を使います。これは足になります。ヘタの部分が爪っぽくていい感じに見えます。
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足をつけると、ほら、もう豚っぽい。
小さく切って耳に
小さく切って耳に
ヘタの部分を輪切りにし穴を開ければ鼻に
ヘタの部分を輪切りにし穴を開ければ鼻に
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完全に豚です。
水牛
ゆっくり乗って帰ってもらうのにピッタリな水牛。これもナーベーラーで作ります。
そのままでも水牛っぽいけど首の向きが変なので切ります
そのままでも水牛っぽいけど首の向きが変なので切ります
骨を付けて
骨を付けて
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長さを調節して、反転させるとほら、牛っぽい。
オクラで足と尻尾
オクラで足と尻尾
オクラで角
オクラで角
輪切りにして半分にしたオクラで鼻
輪切りにして半分にしたオクラで鼻
オクラの先端で耳
オクラの先端で耳
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オクラの種で目。
ナーベーラーアグー
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オクラとナーベーラーでできた豚(アグー)。形が豚っぽかったという理由だけで作りました。ご先祖様は乗れないと思うので、連れ帰って飼うのではないでしょうか。
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横から。完全に豚(アグー)。クルッと丸まったしっぽにこだわりたい人は、乾麺の沖縄そばとかで作れるのではないでしょうか。
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後ろから。ノーコメント。
ナーベーラー水牛
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オクラの角が特徴のナーベーラー水牛。これならゆっくり乗って帰ることができます
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角が特徴的ですが、耳がないと水牛っぽく見えません。もう少し大きくてもよかったかも。
あとオクラのヘタが蹄っぽく見えるのがいいですね。
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後ろから。
だいぶガニ股ですが、足をつけるときは胴側を斜めに切るとスッキリ収まります。

乗りやすくする

来るときは飛行機に乗ってくるご先祖様ですが、帰りはどうなのでしょうか。おみやげもいっぱいありますし、杖として使っていたグーサンウージは荷物を担ぐ天秤になっています。歩いて帰るのはちょっとシンドイかもしれません。
割り箸で骨組みを
割り箸で骨組みを
沖縄の麸といえば「くるま麸」
沖縄の麸といえば「くるま麸」
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ということで、ゆっくり楽に帰れるよう、荷台を付けてみました。水牛車です。
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割り箸で骨組みを作り、くるま麸で屋根と床。車輪はナーベーラーです。オフロード仕様でゴーヤーのタイヤも用意してあるので悪路でも安心。
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オクラが水牛を誘導するので、乗っているだけで大丈夫です。

沖縄の仏壇も精霊馬で賑やかになる日がくるかもしれない

以上です。
この他に、ナーベーラーで与那国馬、ゴーヤーでシーサー、島オクラでジューミー(アオカナヘビ。緑のトカゲ)を作ってみましたが、ことごとく失敗。馬は作りたかったんですけど心が折れました。モーイ(赤瓜)だと、馬っぽい色と形で作りやすいかもしれません。
手足をつければジューミーになるはずだった
手足をつければジューミーになるはずだった

精霊馬は、お盆の最終日に川に流すそうですが、使った野菜たちは全部食べました。
ゴーヤーと麸を使ったゴーヤーフーチャンプルーと、あんだんすーとナーベーラーを使ってナーベーラーンブシー。旬のものは美味しいですね。今のところは精霊馬が沖縄で流行る気配は全くありませんが、ひょっとしたらいつの日か沖縄でも精霊馬ブームが来るんじゃないかと勝手に思っています。
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