生まれ変わるべく選ばれた3つのすね当て
早速サッカーショップに素材購入へ。どのすね当てなら生まれ変われる可能性があるか、サンプルを手にとってくまなくチェックしてみる。
「きゅうすで入れるお茶にもっとも近いのはどれ?」
もとい、
「スマホを入れるすね当てにもっとも近いのはどれ?」と、華道家ばりに吟味を重ねました。
その厳しい目をくぐり抜けてきたお三方がこちらだ。
すね当てとして生まれてきた彼らだが、脚も守れるスマホケースとしてハイブリッドに生まれ変わるのだ!
エントリーナンバー1 布のすね当て
エントリーナンバー1番は外が布タイプのすね当てだ。
すねに密着する裏側はこんな感じ。
ポケットの入り口が縫われているので、早速カッターで糸をほどいていく。
カッターで見事ポケットの蓋を開通した。
スマホを当てがい、外縁にカッターで印をつける。上下だけつけて縦は定規を当てがいいっきに引っ張る。
木こりのようにギコギコ引きながらくり抜くとポケットの内側にあるミルクケーキが見えた!
早速スマホを装着!
できた!ポケットの上下左右に隙間があるため、安定しないがちゃんとスマホを操作も通話もできるぞ。これが世界初、すね当てで作ったスマホケースだ!
画面のところしか開けなかったので、少し音が聞きづらい。しかもこちらの声も相手から聞きづらいようだ。これでは「軽くて頑丈な最強のスマホケース」を名乗ることは許されない。
エントリーナンバー2 より頑丈なすね当てを改造
そして、2番目に登場したのがこちら。
布タイプは硬い部分が一部分だが、こちらは、表側全体が硬くて頑丈だ。
裏側はこんな感じ。
内側はスポンジになっているため、スマホを押し付けて、くり抜く部分の型をつける。
外から見ると普通のすね当てにしか見えない。まさか内側にスマホが守られているとは誰も気づかないだろう。
しかし、ひとつ問題が発覚! カメラ撮影用のレンズの穴がどうしてもすね当ての穴と合わないのだ。カメラが撮影できなければ、スマホケースとしては不十分。これまた最強のスマホケースとは言えない。
エントリーナンバー3 カメラも使えてこそ!
そして3番手に登場したのが、穴の大きいこちら。
見よ、この収まり具合! はめたとき、なんかカチって音がしたよ!すごいちゃんとはまった感!
表から見ても、しっかりとカメラのレンズが覗いている!!しかし、なんとなく盗撮しそうな感が否めない。怪しい。
そしてこの怪しさは、
アフリカの仮面のような神秘的なオーラも出てきた……。
とにかく、これであれば、ネットサーフィンも、カメラ撮影もできる。スマホの機能をフルにつかえてこそ最強のスマホケースと呼べる。
そして、これで単なるスマホケースではなく、スマホをいれたままフットサルやサッカーがプレーができるハイブリッドな最新アイテム「スマ当て」に生まれ変わったのである!
スマホケースとしての評価
頑丈さ:★
持ちやすさ:★★
かっこよさ:★★
電話機能:★
寸評:ネットはできても通話の音声で難あり。
頑丈さ:★★★
持ちやすさ:★★★
かっこよさ:★★
電話機能:★★
寸評:頑丈かつ、ネットも通話も問題ない。けれどカメラが使えない。
頑丈さ:★★★
持ちやすさ:★★★
かっこよさ:★★★
電話機能:★★★
寸評:丈夫さはもちろん、電話、ネット、カメラをちゃんと使える。そして神秘的なオーラをまとう。
スマ当てをつけて実際にプレー
実際に「スマ当て」を装着してみよう。利き足は右足だが、右足は使う頻度が高いため左足に装着する。
すねから取り出すのは意外とたやすい。常に身につけていられるのは結構便利である。ポケットがなくても靴下のなかに入れられるという便利さに、早くも世紀の大発明の恩恵を受ける。
つけ心地の感想は、まず硬い! 画面の部分がすねに当たっているのが感じられるが、やたらと接地面積が少ない。
本来のすね当ては内側が柔らかい素材かつ、すねの形の半円になっているため非常にフィットする。スマホが入ることで接着面がフラットになったため全くフィット感がない。
靴下のなかですね当てが浮いているような初めての感覚。
外から見るとまさかここにスマホが入っているとはわからない見た目にはなっているが……歩くと重い! これは想定外だった。スマホの重さぐらい、なんてことない負荷だと思っていた。
しかし、歩くだけでスマホが入っている重さをズシンと感じる。なにしろ安定感がなく、歩くだけで靴下の中で「スマ当て」がグイングイン揺れている。
かなり不安を感じるが、実際プレーしてみる。
歩いていてもLINEのメッセージを着信したバイブがちゃんと伝わってくる。すねに密着しているだのから当たり前か。しかし、何度も着信するとプレーに集中できない。
蹴ってみる。
軸足ではあるが、蹴るだけで、左足のスマホが揺れている。LINEのメッセージを着信したバイブではないことははっきりわかる。それだけ大きい揺れ。
そしてディフェンス。パスカットでスマホが入っている左すねにもろにボールが直撃! かなり冷やっとする。
パスだったからボールの勢いも弱く、痛みも全くなかったが、これがもし相手の足が思い切り当たったり、シュートが当たったりしたらどうなってしまうんだろうという恐怖が芽生える。
この恐怖が一度芽生えると、もうピッチ上では積極的にプレーできなくなってしまった。
「スマホの画面が直接すねについているということは、画面が割れたら俺のすねも血まみれになるのではないか?」
その恐怖がどんどん大きくなりそうだった。
が、
とりあえずツムツムをやってみて心を落ちつける。
ツムツムが意外とやりやすい! まずすね当ての形に丸みがあるため、もちやすくてフィットする。穴の周りにある凹凸のおかげで滑りにくくもなっている。
あれだけプレー中は重く感じたものの、スマホをいじるときにはほとんど気にならない重さ。すね当ての軽さは、スマホケースとして本当に適していた。まじでこれスマホケースとしては結構ありなのかもしれない!
ちなみに自分はよくiPhoneの液晶を壊してしまう。今回手元にあるiPhoneがこんな状況だった。
新宿ゴールデン街で飲んでいたら店員にテーブルから落とされ、左上部に常に皆既日食が表示される現象が。。。飲んでいる時に店員にガタついて雰囲気を悪くしたくなかったので、泣き寝入りした。。。
液晶が壊れているiPhoneでこの原稿を書くわけにもいかないので、このiPhone5の前に使っていた液晶がジャミジャミに割れていたiPhone5Cを修理した。それにしても自分は一年に何回iPhoneの液晶をダメにしているのだろうか……。
プレー中にスマホがあることでプレーに大きなメリットを
話はそれたが、今回はあくまで、すね当てとスマホケースの両方の機能を果たせなければ「ハイブリッドなスマホケース“スマ当て”」とは呼べない。
そこでプレー中にスマホを持っていることでメリットになることを考えた。そして天才的なことを思いついた! 試合中にSiriに話しかけてピッチ上でリアルタイムにサッカーやフットサルのプレーのアドバイスをもらえばよいのだ!
素晴らしいアドバイスをもらえれば、きっと多少の重さなんて気にならない。スマホが入っているほうの足をかばいながらプレーしても十分なメリットを生み出せるはず。
「HEY SIRI!」
ピッチ上で大きな声で叫んだ。チームメイトが不思議そうにこちらを振り向く。「尻って誰?」と言われた。そうか、パスがほしくて叫んだように思われたのか。気にせず「シュートの打ち方を教えてくれ」と叫んだ。
ピッチ上で自分の左すねからかすかに聞こえたSiriの声。
「第14週の結果です」
試合中にそんなことが知りたいわけがないだろばかやろう!!そうか。きっと今のSiriではまだサッカーの技術的なことは答えられないんだ。ならば、もっとスポーツの普遍的な質問であればいけるかもしれない。
いつもより左足が重いためか、この日は疲労も早かった。
「HEY Siri 疲れた。どうすればいい」と叫ぶ。
いや、全く眠くはないんだSiri……。しかも水は用意してきていても、さすがにフットサルにコーヒーは用意してきてねーよ。そう答えるとSiriからの「すみません私には理解できませんでした」と謝罪の声が響くだけだった。
長文になってしまったがまとめに入ろう。すね当てで作ったスマホケースは、頑丈かつ軽さも備えているという点で、かなりいいスマホケースと言えよう。しかし、すね当てとしてはスマホが入った時点で重い。そして試合中にSiriの助けを求めようとしても、まだSiri自体にそこまでのインテリジェンスが備わっていない。
だが、スマホがもっと軽くて、Siriがもっと頭がよければ問題なかったのだ。つまり、これはスマホの敗北であって、スマ当ての敗北ではない。スマホが進化した時がハイブリッドかつ最強のスマホケース「スマ当て」誕生の瞬間となるのだ。
すね当ては両足セットで1個1,000円である。1セット買えば2個作れるわけだから、1個あたり500円のスマホケースという計算だ。
ちょっと丈夫なスマホケース、おしゃれなスマホケースを買おうとすると4,000円ぐらいはざらである。
フットサルをしない人で、安価で丈夫なスマホケースがほしいというひとにはスマ当てをおすすめできると思いました。