特集 2015年6月3日

酸味控えめのみかんと醤油でイクラ味に近付く

こんなにたくさん柑橘類を買ったのは初めてです。
こんなにたくさん柑橘類を買ったのは初めてです。
私は18歳まで北海道に住んでいました。

というと「海産物が美味しいよね」とか「東京とは回転寿司の味も違うでしょう」と言われることがありますが、北海道にいた頃は生ものがあまり好きではなかったので好きなお寿司は玉子と巻物という食生活だったためピンときません。

ですが、上京してからウニとイクラの美味しさに目覚めてしまいました。

これは、お腹いっぱいイクラを楽しむために遠回りした日々の記録です。
1980年北海道生まれ。
気が付くと甘いものばかり食べている偏った食生活を送っています。


前の記事:真夜中のドーナツ屋さん


安くイクラを味わう方法

いくら美味しいとは言え、イクラを大量に摂取するには予算とコレステロール値に不安があります。意識しないで書いたらダジャレになってしまいました。

そんな悩みを解消してくれるレシピを発見しましたのでご紹介しましょう。
みかん、海苔、醤油を準備します。
みかん、海苔、醤油を準備します。
みかんを醤油で味付けします。
みかんを醤油で味付けします。
味付けしたみかんを海苔で包みます。
味付けしたみかんを海苔で包みます。
何かと何かを組み合わせてまったく違う食べ物の味になる裏技シリーズでは、『プリンと醤油でウニ』の次くらいに有名じゃないかと思います。

実際にやったことがある人はあまりいないかもしれませんが、みかんのプチプチとした食感に海苔から漂う磯の香り、それを醤油味でまとめたものは、確かにイクラを彷彿とさせる雰囲気がありました。

この技術を応用すれば、食べる機会は港町に観光に行くか北海道物産展のイートインコーナーくらいでしかないあの伝説の食べ物、イクラ丼を思う存分楽しむことが出来ます。
これが、俺のイクラ丼だ!
これが、俺のイクラ丼だ!
手順が簡単なので、ちょっとしたポイントが味を左右します。

・口当たりをよくするためにみかんの薄皮は取っておくこと。
・醤油を付けすぎると海苔が湿気るのでほどほどにしておくこと。
・海苔はパリっとし過ぎず、かつ、へたってしなしなにならないラインを見極めること。

これらを気を付けることで、人工イクラの印象は大きく変わりますので、是非参考にしてみてください。

イクラ味に最適なみかん探し

材料がシンプルな分、その素材を吟味しなければなりません。

とは言え、醤油や海苔の味の違いが分かるほど繊細な舌を持ち合わせていないので、味の違いが分かりやすそうなみかんを選定することにします。幅広い選択肢からよりよいものを選び取るため、みかんっぽい柑橘類全般を対象としました。

今回用意したみかんっぽい柑橘類は9種類。
大きさや形も様々な柑橘類たち。
大きさや形も様々な柑橘類たち。
ちなみに、これらの柑橘類の名称はこんな感じです。
私としては、オレンジはみかんに含まれると思っています。
私としては、オレンジはみかんに含まれると思っています。
これに、缶詰めみかんを加えて全9種類とします。柑橘類って種類が豊富ですね。グレープフルーツとレモンも試してみましたが、みかんとは明らかに味が違ったので省きました。

小学生の頃のお正月、一日ごろごろしながらみかんを12個食べた記録を持つので、この程度の量を食べるのは楽勝かと思いましたが、早々にお腹いっぱいになってしまい意外と苦しかったです。あと、翌日の胃腸の調子が悪かったです。

加齢による肉体の変化かもしれません。皆さんも胃腸はお大事にしてください。

ハウスみかん

まずは、スタンダードなみかんと思われるハウスみかん。

考えてみると当たり前ですが、みかんは主に冬に出回るからこの時期だとハウスものになっちゃうんですね。今さらですが、時期を誤った気がしてきました。
小さくてかわいいハウスみかん。
小さくてかわいいハウスみかん。
甘み、そして少々の酸味がある、一般的に想像するみかんの味はきっとこういうのだろうなぁと思わせる『THEみかん』といった印象です。全体の印象としては、さっぱりとしていて食べやすいです。

多すぎず少なすぎずの絶妙な水分なので、イクラのぷちぷち感を演出するのに向いていると思います。
身の色合いもイクラっぽい。
身の色合いもイクラっぽい。
味のイクラ度:★★★★
見た目のイクラ度:★★★★★
食感のイクラ度:★★★★★

コメント:
味・見た目・食感と、バランスのとれたイクラ度合。

マーコット

初めて買ったマーコット。
初めて買ったマーコット。
恥ずかしながら『マーコット』というものを初めて知りましたが、みかん類とオレンジ類の交雑種・タンゴールの一種だそうです。

外皮が厚いわりに柔らかくて剥きやすく、ちょっとポンカンっぽい気がします。

甘みが強めですが風味は控え目なので、名前のわりには日本人に受け入れられる味ではないでしょうか。
主張控えめなところが、醤油や海苔と上手くマッチしていました。
名前のインパクトのわりに、味は穏やかでした。
名前のインパクトのわりに、味は穏やかでした。
味のイクラ度:★★★★
見た目のイクラ度:★★★★
食感のイクラ度:★★★★

コメント:
食感でハウスみかんに及ばす。でも、結構なイクラ度合。

ミネオラオレンジ

どことなくレモンっぽい形のミネオラオレンジ。
どことなくレモンっぽい形のミネオラオレンジ。
オレンジといえばもっと丸っこい形をしているものかと思っていましたが、いつの間にかこんな個性的な形のオレンジが登場していました。

日本的なみかんよりも全体の風味が濃いですが、甘みと酸味のバランスは程よくて食べやすいと思います。

あと、オレンジはみかんより外皮は固いくせに薄皮が柔らかくて極薄なので、すごく剥きにくかったです。
手がべたべたになるので、イクラにするのは避けた方が無難です。
これだけ剥くのに、手がべったべたになりました。
これだけ剥くのに、手がべったべたになりました。
味のイクラ度:★★
見た目のイクラ度:★★★★
食感のイクラ度:★★

コメント:
見た目はいいものを持っているけれど、香りの強さと酸味がイクラの弊害に。

春みかん なつみ

普通のL玉みかんに見える春みかん なつみ。
普通のL玉みかんに見える春みかん なつみ。
春みかんなのになつみってどういうことだよ! と思いながら買いましたが、甘みがあって、風味も濃くて味は文句なく美味しかったです。

ただ、味が濃すぎて海苔の風味に勝ってしまうので、イクラには向きません。
普通に食べるのをお勧めします。
なつみも、手がべたべたになりました。
なつみも、手がべたべたになりました。

バレンシアオレンジ

バレンシアオレンジ。オレンジと言えばこれ!という人も多いのでは。
バレンシアオレンジ。オレンジと言えばこれ!という人も多いのでは。
昔ながらのオレンジといった風格に安心感があります。
香りの強く、酸味が強くさっぱりしていて美味しいです。ただ、酸味が強すぎてイクラには向かないと思います。

全然関係ありませんが、オレンジを食べるたびに昔読んだ江國香織の小説の主人公の夫の彼氏が「これはカリフォルニアオレンジだね、フロリダはもっと酸っぱい」とか言いながらオレンジジュースを飲む場面を思い出します。
バレンシアとかフロリダとか地名を名乗りがちですね、オレンジって。
バレンシアとかフロリダとか地名を名乗りがちですね、オレンジって。
味のイクラ度:★★
見た目のイクラ度:★★
食感のイクラ度:★★★

コメント:
酸味はイクラの敵だとはっきり分かってきました。そして、夫の彼氏が飲んでいたジュースは実はフロリダオレンジでした。

デコポン

特徴的な形のデコポン。
特徴的な形のデコポン。
形が独特ですが、味は普通に美味しいですよね。デコポン。

さわやかな甘み、風味の強さと食感の瑞々しさがあって大変美味しかったです。今回購入したものの中で一番単価が高かったのですが、値段に見合う味だと思います。

ただ、風味と食感の良さがイクラにした時は邪魔になってしまい、デコポンの良さをまったく生かせない残念な結果になりました。
イクラ向きではないものの、皮が剥きやすいのがポイント高いです。
イクラ向きではないものの、皮が剥きやすいのがポイント高いです。
味のイクラ度:★★★
見た目のイクラ度:★★★
食感のイクラ度:★★★

コメント:
味は良い線いってるけど、香りの強さはイクラに向かない。あと、食感が瑞々しすぎ。

甘夏

夏に食べる柑橘類の代表・甘夏。
夏に食べる柑橘類の代表・甘夏。
爽やかな香りが好印象の甘夏は、酸味が強めですが主張が強すぎないので案外イクラに向くのではないかと思ってエントリーさせてみました。

結論から言うと、独特の苦みがあるのでイクラには向いていませんでした。
何となく、色味がイクラっぽくないとイクラに向かない気がしてきた。
何となく、色味がイクラっぽくないとイクラに向かない気がしてきた。
味のイクラ度:★
見た目のイクラ度:★
食感のイクラ度:★★★★

コメント:
味はどんなに頑張ってフォローしてもイクラとは言えないが、食感は結構よかったです。

紅甘夏

初めて見ました、紅甘夏。
初めて見ました、紅甘夏。
名前の通り、甘夏よりも少し赤みがかった色合いの紅甘夏。

甘夏よりも甘みがありつつも強すぎない風味とさわやかな香りが好印象ですが、独特の苦みは共通しているので、やっぱりイクラ向きではありませんでした。

紅甘夏自体を初めて食べましたが、夏のデザートにぴったりのさわやかでさっぱりとした味わいがとても美味しかったので、今後はイクラとしてではなく果物としていただきたいと思います。
だんだん薄皮を剥くのが手慣れてきました。
だんだん薄皮を剥くのが手慣れてきました。
味のイクラ度:★
見た目のイクラ度:★
食感のイクラ度:★★★★

コメント:
評価としてはほぼ甘夏に準じるものの、甘夏よりは甘さがある分イクラっぽいかも。あくまで甘夏との比較ですが。

缶詰めみかん

安定の味・缶詰めみかん。
安定の味・缶詰めみかん。
缶詰めみかんはシロップ漬けなので、多分甘みが相当強いんだろうと思っていましたが、案外酸味も強くてバランスが取れています。

ただ、後味に残るシロップの甘みが強すぎるので、イクラにするのは醤油の量の兼ね合いが難しいと思います。
色合い的には完全にイクラなんですが。
色合い的には完全にイクラなんですが。
味のイクラ度:★★
見た目のイクラ度:★★★★★
食感のイクラ度:★★★★★

コメント:
見た目・食感はかなりいい。みかん自体の酸味とシロップの味を超える濃い味の海苔と醤油を使えばイケるかも。
9種類のみかん的なものを食べた結果を以下にまとめました。
役に立たない図表。
役に立たない図表。
多くのみかんのイクラ化に取り組んだ結果、イクラ味に向くのは醤油や海苔の味を邪魔しない程度の風味の強さ、酸味よりも甘みが強めのみかんであると感じました。水分量は少なくてもいけませんが、あまり瑞々しすぎないものがいいと思います。

今回試したもの中ではハウスみかん、マーコットが向いていると感じました。特に、イクラ特有のプチプチ感を再現するにはハウスみかんが最適です。

急にイクラが食べたくなったけど家にみかんと海苔と醤油しかない、そんな時の参考になれば幸いです。

冬場に出回るみかんはまた違うと思うので、また時期が来たら再度実験してみたいと思います。

こんなに柑橘類を食べたのは初めてです

柑橘類の種類の多さに圧倒されましたが、食べ比べると意外に違いが分かるもので、私なりの人工イクラを作り出すことが出来たと思います。

ただ、私は美味しく食べたイクラ丼ですが、人によっては「ただの海苔で巻いた醤油漬けみかん丼」と感じることもあるようですので、ある程度の味覚の鈍感さが必要になってくるようです。

あと、急に柑橘類を多量に食べると家族に「急に酸味のあるものを食べたがるなんてまさか…」と心配されるおそれがありますので、適量な摂取を心がけてください。

酢豚やハンバーグにパイナップル、ポテトサラダにみかん、といった組み合わせが好きな方には是非食べていただきたいです。
本物も食べたけど、一口入れたインパクトは近いものがあると思います。
本物も食べたけど、一口入れたインパクトは近いものがあると思います。
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