特集 2015年3月20日

最近、自然消滅するカップルが減っている?

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恋愛の結末は様々あるが、その中に「自然消滅」と呼ばれる終わり方がある。別れる別れないの話がないまま、自然と連絡が途絶えて恋が終わる。あんまりだと思うが、最近はその自然消滅が減っているという話を聞いた。

本当だろうか?

調べてみた。
1970年神奈川県生まれ。デザイン、執筆、映像制作など各種コンテンツ制作に携わる。「どうしたら毎日をご機嫌に過ごせるか」を日々検討中。


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> 個人サイト すみましん

自然消滅するのは男が多い説

自然消滅はどうして起こるのか? 少なくとも僕の人生において、自然消滅という終わり方はなかった。と思う。

自然消滅について詳しく言及している「復縁レシピ」というサイトがあった。サイトを運営する復縁博士は、自然消滅は男性が原因で起こることが多いと言う。

「なぜ、男性に自然消滅する人が多いかと言うと、無視し、物理的に別れている状態を作れば、それは別れだと考えるからです」(復縁博士)

とのこと。

そもそも、男と女では恋愛に対する考え方が違うのだとか。「男」は物理的なつながりを、「女」は精神的なつながりを恋愛に求める傾向にある。恋愛を物理的な基準で考える「男」は、連絡を取れない状態や会えないという状態を作ることで別れが成立したと考え、それが自然消滅へとつながるという。

ちなみに、自然消滅の判断基準として、

「普通に毎日連絡を取り合っているカップルであれば、1週間音信不通ならヤバイな。と考えたほうが良いでしょう」(復縁博士)

とのことだ。心当たりのある方、自然消滅までの猶予期間は1週間である。
ドロンしようとしている男のイメージ
ドロンしようとしている男のイメージ

自然消滅の体験談

自然消滅について、ツイッターで聞いてみた。

「カップルの自然消滅が減っているという話を聞きました。過去に自然消滅した(された)ことがある方、その時のエピソードを教えてください」

すると、何通か「過去に自然消滅したことがある」という返信をいただいた。

・あります!中学生の頃の淡く悲しい思い出です(かぶりはどこにさん)
・最近同じ相手と二度目の自然消滅期に入りました(たふみさん)


いずれも女性からの返信だ。

やはり自然消滅の原因は男にあるのだろうか?

一方、男性側からの自然消滅の告白もいただいている。

・若気の至りで自然消滅したことがあります!(ちげこさん)

ちげこさんにその時の体験を詳しく教えて欲しいとメールを送り、返信いただいたのが次の内容である。

「自然消滅らしいそれは、たぶん中学3年生の頃だったと思います。同じクラスの女の子に私から告白をして、お付き合いをすることになりました。

別々の高校へ進学したものの変わらず付き合いは続き、ある日彼女の自宅で勉強することになりました。始めはご両親も留守でしたが、ちょうど私が帰ろうとした頃にお父さんが帰ってきて、挨拶はしたものの気まずい感じになったのを覚えています。その後気づいたら音信不通になっていました。お父さんと会ったあのときが、何かしらのきっかけになったのではないかと思っています」


彼女のお父さんからの圧力。もしかしたらそのような力が働いたのかもしれない。いずれにしても、ちげこさんはそれ以来彼女と音信不通となったのだ。

ちげこさんは以下のようにメールを締めくくってくれた。

「余談ですが『相手を好きかわからないけど告白されたからとりあえず付き合ってみる』みたいな、中高生の雰囲気が自然消滅への第一歩だと思います!」

自然消滅を体験した人だからこそ言える含蓄のあるコメントである。

男と女は操りつられ、まさに人それぞれの夢芝居。

そして、そんな自然消滅が最近は少なくなっているのだという。

本当だろうか?

そういえば、映画「もらとりあむタマ子」にも、

「自然消滅って、ひさびさ聞いたわ」

という前田敦子さんのセリフがある。前田敦子さんが「ひさびさ」と言っているのだ。最近は自然消滅が少なくなっているという一つの証しだろう。映画の台詞だけど。
既読スルーされてる、のイメージ
既読スルーされてる、のイメージ

渋谷でアンケート調査。最近、自然消滅しましたか?

本当に自然消滅は減っているのか?

確かめるために若者たちで賑わう渋谷にやって来た。若い女性たちに自然消滅について直接聞いてみる。答え易いように、フリップも用意した。
最近、恋人と自然消滅しましたか?
最近、恋人と自然消滅しましたか?
少しでも怪しい部分があると答えてもらえないと考え、「教えてティーチャー、そこが知りたい!」という架空の企画名を明記した。僕なりのオフィシャル感の演出である。
「春休みに入ったという女子高生3人組」
「春休みに入ったという女子高生3人組」
「自然消滅? ないですねー」
「自然消滅? ないですねー」
「こちらの3人組も自然消滅の覚えはない」
「こちらの3人組も自然消滅の覚えはない」
「この中で1人だけ自然消滅を経験」
「この中で1人だけ自然消滅を経験」
オフィシャル感を演出したフリップのお陰か、声をかけた女性たちはみんな楽しそうに答えてくれた。

5人組の1人の女性が、

「私は自然消滅した!」

と答えると、残りの4人が「聞いてないよー」と盛り上がり、フリップを持った僕は置き去りにされる。

「それ、うちらに聞いちゃいけないやつじゃーん」

と盛り上がるグループや、

「タイムリー過ぎてうけんですけどー」

と手を叩きながら答えてくれるグループ。

渋谷の若い女性たちは「自然消滅」というキーワードに大盛り上がりだ。
「スタイルのいい女性グループ」
「スタイルのいい女性グループ」
「立ち止まって答えてくれた2人組」
「立ち止まって答えてくれた2人組」
「うけるー!とフリップを見て」
「うけるー!とフリップを見て」
「お洒落な2人組」
「お洒落な2人組」
「食い入るようにフリップをみる3人組」
「食い入るようにフリップをみる3人組」
「ご卒業おめでとうございます」
「ご卒業おめでとうございます」
随分とシュッとした女性たちだなぁ、と思いながら声をかけた人たちが、中学生くらいの女の子たちから騒がれている。どうやら、僕が声をかけた女性たちは人気のある読者モデル的な人たちだったようだ。

「一緒に写真、いいですかー」
「わぁー、顔小さいー」

再び置き去りにされる僕。ちなみに人気読者モデルさんたちは自然消滅していないと答えてくれた。

さらに、

「わたし、自然消滅したわ」
「誰? 誰? ワタナベ?」

と2人の世界に入っていく女性2人組。

「LINEがあるから、自然消滅はさせないっしょ」
「だよねー」

と笑いながら答えてくれた女性たち。

そんなこんなで約2時間、渋谷で声をかけた51名の女性達の結果は、以下のようになった。
渋谷の女性51名のリアル
渋谷の女性51名のリアル
最近、恋人と自然消滅した人 3名
最近、恋人と自然消滅していない人 41名
自然消滅とは思わない(思いたくない)7名


真ん中の線に貼られたシールが7個あるが、これは、

「自然消滅ではない、と思いたい」
「まだ分からない」

などの女性達が貼ったシールである。

それらの意見を集計した結果、

自然消滅で終わる確率は0.06%

となった。

やはり、自然消滅は少なくなっている。と言い切ってもいいのではないだろうか。

あのご意見番は自然消滅についてどう考えるのか?

「自然消滅は確実に減っている」と結論づける前に、恋愛問題のご意見番からコメントをもらうことにした。

以前、当サイトのプープーテレビでも紹介したこのとのある、スナックゆりのかつ江ママである。
かつ江ママは自然消滅についてどう考えているのか。そして、自然消滅が減っていると感じているのか。是非、知りたい。

スナックゆりに、これから行っても大丈夫ですか? の電話をかけてみた。
スナックゆりに電話
スナックゆりに電話
この時、時刻は21時過ぎ。通常なら営業している時間なのだがママは電話に出ない。混みあって忙しいのかもしれない。少し時間をおいてからかけ直してみる。
再びスナックゆりに電話
再びスナックゆりに電話
やはり電話に出ない。その後、22時、22時半、23時、23時半、とかけてみるがママは出ない。

定休日ではないはずだ。電話の故障かもしれない。とりあえずお店まで行ってみることにした。
ゆりは閉まっていた
ゆりは閉まっていた
やってない。「お休みします」的な張り紙もない。ママの携帯番号も知らないから連絡の手段がない。

あっ!

これが自然消滅というやつなのかもしれない。

深夜_0時、スナックゆりの前で僕はそう思った。

渋谷の女性にアンケートを取っていた時、「LINEがあるから、自然消滅はさせないっしょ」と語っている女性がいた。

LINEの様なコミュニケーションツールの登場が、自然消滅の減少に起因しているのではないだろうか。前述の復縁博士にその旨を聞いてみた。

「確かなことは言えませんが、メールの時代に比べると、LINEはスタンプ一つでも会話が成立する手軽さがありますし、別れた時のアクションも従来はメアド消去だったのが、LINEはブロックです。ブロックの場合は解除すれば再び繋がることは可能なので、自然消滅しにくくなったと言えるかもしれません」

なるほど。「バイバイ」というスタンプが送られてきて、それ以来連絡が途絶えたとしても、それは意思表示があった上での音信不通なので、自然消滅とはいえない。

これからは自然消滅ではなく、スタンプ消滅が増えていくのかもしれない。
スタンプ消滅
スタンプ消滅
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