前夜のスタート地点はどうなってる?
ちなみに、当方マラソンに関する知識はまったくない。そのため、本稿には素人ならではの無邪気な発言が多分に含まれると思うが許してほしい。
予防線を張ったところで、さっそく本題に入ろう。
東京マラソンのスタート地点は新宿の東京都庁。ここから皇居内堀り通り、銀座、浅草、豊洲などを経て、ゴールの東京ビッグサイトまで42.195kmの道のりとなる。それにしてもこの0.195kmって測るのめんどくさそうですよね。
新宿のランドマーク、東京都庁庁舎前がスタート地点
スタートの号砲は22日9時10分。その約10時間前の21日23時に、スタート地点を訪ねてみた。もしかしたら気の早いランナーが、少しでもいい場所を確保しようとスタート地点に陣取っているかもしれない(※各ランナーのスタート位置はあらかじめ決まっています)
なお、スタート地点付近はこの時間からすでに多くの警察官が随所に陣取る厳戒態勢。そういえば今回は、過去最大1万人以上の警備人員が配備されるとニュースで言っていたが、確かにかなり厳重だ。これならランナーも心強いだろう。
夜を徹して安全を守るみなさんに心の中で敬礼するとともに、この職質まったなしの状況をいかに乗り切ろうか考える。テロに神経をとがらせる警備の皆さんからすれば、こんな時間に会場をウロウロしてる僕なんてかっこうの容疑者だろう。
「へー、ここが東京マラソン会場かー」。ナチュラルな見物で職質を回避
参加者の姿はまだ見えない
だが、今のところ警察官以外の人影は見当たらず、決戦前夜の会場は静寂に包まれている。明日ここに3万6000人が集まるなんて、何かの冗談なんじゃないかと思えてくる。
歩道脇には給水所用のテーブルもスタンバイ
当日は交通規制が入りコース沿いの信号も止まるので、押しボタンにカバーがかけられていた
そうこうしているうちに時刻は0:30になったが今のところ何かが始まる気配はない。コースの設営などは始発でスタッフがやってきて準備するのかもしれない。
なのでいったんその場を離れて新宿の繁華街へ
夜の街でしばし時間をつぶし、再びスタート近辺にやってきたのは朝の5時。スタート4時間前だ。
すると、タイムテーブルが掲示されていた
スタッフは5時から活動
スタートの9時に対し開場は7時とかなり早いが、参加者3万6000人となるとある程度余裕を見ておく必要があるのだろう。ランナーはライバルとの闘いの前に、まず早起きとの闘いに勝たなければならない。
しかし、そんなランナーより遥かに早く現地入りしているのが運営スタッフのみなさんだ。やっと始発が動き始めた5時台にも関わらず、次から次へとやってくる。
どこから現れたのか、大人数がすでに働いている
警備の数もますます増えていた
都庁前の広場には更衣室用のテントが並ぶ
仮説トイレも準備万端
小雨がぱらつくなか、ランナーを迎える準備が着々と進む。ボランティアも集まり出し、年に一度の“お祭り”に向けたボルテージが上がっていく。
なお、7時から交通規制が入り、参加者やスタッフ以外近辺には立ち入れなくなるということなので、その前にスタート地点に行ってみた。
号砲4時間前のスタート地点
テレビカメラ台の設営が急ピッチで進む
ここから3万6000人が旅立つ。たぶん、僕は今スタートしても優勝できない
時刻は6時。スタートまで3時間
この時間になると、恰好からランナーとおぼしき人たちも見られるようになった
警察車両もどんどん増える
なお、この時間はコンビニも警戒態勢。トイレが借りられず難儀した
ベストポジションからスタートを見学
さて、せっかくここまで来たのだからスタートの瞬間を見ておきたい。前述の通り間もなく交通規制が入るためスタート地点のすぐそばまで近づくことはできないが、スタッフの方がいくつかの見学ポイントを教えてくれた。
なかでもベストポイントはスタート地点に並行する歩道橋で、ここからだとランナーのスピードを真横から体感できる。
写真奥の橋の上をランナーが通過する
というわけで歩道橋のどまんなか最前列を一番乗りで確保した。時刻は6時30分(スタートまで2時間30分)。寒くてたまらないが、もう特にやることがないので待つしかない。
そして夜が明ける
交通規制が始まった
ランナーも続々と集まり始める
会場のゲートでは厳重な手荷物検査を実施。傘やペットボトルなどは全て没収
それにしても寒い…
スタートまではあと1時間以上ある。寒くてたまらないので近くのロイヤルホストで待つことにした。
モーニングメニューの特製パンケーキを注文
付け合わせのウインナーが心憎い
暖かいロイホで心もお腹も満たされた。時刻もスタート30分前とちょうどいい頃合いだ。
そろそろ歩道橋へと戻ろう。
で、戻ってみたら人いっぱい、という予想通りすぎる展開
ひとときのパンケーキと引き換えに、数時間凍えながら守ったベストポジションを失うとは。人生ってせちがらいですね。
木が邪魔! すっごい邪魔
仕方ない、パンケーキにうつつを抜かした僕が悪いのだ。
没収した傘を運ぶボランティアのみなさん
なお、アナウンスによれば選手たちはすでにスタート地点に到着している模様。
さあ、いよいよだ。
そして、号砲は鳴り響いた。
銃声に驚き逃げ惑う鳩
ピャーっと駆け抜けるランナー
ランナーにとってはここから長い旅路が始まるわけだが、僕の東京マラソンはこれにて終了としたい。号砲とともにGo homeだ。
ボランティアも楽しそう
ランナーにばかり脚光が集まりがちな マラソン大会だが、準備や裏側をじっくり観察してみると、裏方のスタッフも含めてみんなで作り上げるお祭りなんだということがよく分かる。来年は記念の10回大会。ランナーとして参加するほどの気合も根性もないけど、ボランティアで参加するのは楽しいかもしれない。