顔の大きさくらいのフライパンを買う
一般的に、「顔が大きい」というのはネガティブにとらえられがちだ。だが、もし「顔の大きさとおかずの大きさ」が比例する世界があったら、顔が大きい人ほど得をすることになる。
いきなり何を言っているのかよくわからないが、とにかく顔の大きさくらいおかずが大きいと嬉しいよね、ということをいいたかった。
さて、今回「顔の大きさくらいありますよ~弁当」を作るにあたり、やってきたのは浅草のかっぱ橋道具街。巨大なおかずを作るには巨大な調理器具が必要ということで、業務用のデカいフライパンを買いに来たのだ。
五右衛門風呂みたいなでっかいお釜。こんなお釜ならご飯と一緒に炊かれたって構わない
フライパンを選ぶときって普通は使いやすさとかお手入れのしやすさとかをチェックするのだと思うが、今回は顔の大きさくらいのおかずを作りたいだけなので、重要なのは顔のサイズと同じかどうかということだけである。
いくつかのフライパンを顔にあてがい、もっともサイズ感の合うものをチョイスした。
使いやすさなどは二の次である
というわけで、無事に顔の大きさくらいのフライパンをゲットし、顔の大きさくらいのおかずを作るための食材も大量に買い込んできた。
さっそく調理を開始しよう。
顔の大きさくらいとなると、食材も大量になる
サランラップもデカイやつを買っておいた
顔の大きさを測る
そうだ、調理の前にまずは自分の顔の大きさを測ってみなくては。
身長や座高は健康診断などで測ることもあるが、顔の大きさはそういえば測ったことがない。
結果はタテ約28cm、ヨコ約15cmだった。
けっこうデカイな、おれの顔。
じつは、どっちかというと小顔だと思ってました
33年の人生で初めて知る事実にショックを受けつつ、改めて調理にかかる。
まずは顔の大きさくらいあるハンバーグを作ります
顔の大きさくらいあるハンバーグ
まずは、みんな大好きハンバーグだ。ハンバーグなんてただでさえ嬉しいのに、それが顔の大きさくらいあったらもう喜びのあまり発狂してしまう。
デカいと形も崩れやすいため、タネをたっぷりこねて十分に粘り気が出たところで成形。約30cmのフライパンを覆い尽くす巨大ハンバーグを中火でじっくり焼き上げる。
形が崩れないようヘラでペチペチ固めながら焼く
もし形が崩れたらそのまま挽肉として炒め、巨大オムレツに方向転換するつもりだったが、幸いにも無事ハンバーグの体を成してくれた。
強く願えば思いは通じるのだ。
いい感じだ
補強の意味も込めてチーズを投入。さしずめ「シェフの(顔の大きさくらいある)気まぐれイタリアンハンバーグ」といったところだ
そんなこんなで、ハンバーグは完成した。
果たして夢は叶ったのか?
こ、このハンバーグ…
顔の大きさくらいありますよ~!!!
ついに「顔の大きさくらいありますよ~ハンバーグ」が実現した。その超ド級の存在感。デカいということは、それだけで何だかめでたい感じがする。じっさい、めでたすぎて後光が差している。
これでやりたかったことの9割は達成できたが、せっかくなのでもう少しおかずを充実させていきたいと思う。
このままではハンバーグも心なしか寂しそうだ
顔の大きさくらいあるコロッケ
次は「顔の大きさくらいありますよ~コロッケ」を作ってみよう。
これもやはりその巨大さゆえ調理には苦戦。
手のひらに収まりきらないタネをバットで転がしながら何とか成形し、揚げ油に投入する。大丈夫か? 爆発しないかしら?
苦労しつつもなんとか形を整え
揚げ油にイン
揚げること約10分で完成。で、でかい…。重量感もたっぷりだ
ある程度丸く成形しないと崩れてしまうため、顔の大きさくらいとまでは正直いかなかったが、それでも人生史上最大のコロッケであることには間違いない。
あるいは、佐々木希の顔の大きさくらいのコロッケといっても過言ではないかもしれない
顔の大きさくらいある玉子焼き
さて、ハンバーグ、コロッケときて、お次はこれもお弁当のおかずには欠かせない玉子焼きだ。もちろんただの玉子焼きではない。「顔の大きさくらいありますよ~玉子焼き」である。
卵8個を贅沢に使用。ニワトリさんに感謝
IHからはみ出すほど巨大な玉子焼き器で焼く
かっぱ橋で買った超巨大な玉子焼き器へ8個分の溶き卵を一気に投入。焼くこと5分、おいしそうな玉子焼きが完成した。
この玉子焼きもやっぱり…
顔の大きさくらいありますよ~!!!
通常の5倍くらい巨大であること以外はいたって普通の玉子焼きである。うまくてそのうえデカいなんて、お前はなんて孝行息子なのか。
顔の大きさくらいあるおにぎり
さて、ラストはもちろんコレ。
そう、「顔の大きさくらいありますよ~おにぎり」である。
3合のご飯を使用
かくして、「顔の大きさくらいありますよ~弁当」は完成した。ご覧ください。
それぞれに貫禄十分。四天王そろい踏み、といった佇まいである
たった4品で業務用のバットを埋め尽くしてしまう、顔の大きさくらいあるおかずたち。その堂々たるたたずまいは、畏敬の念すら抱かせる。土佐風にいえば、いごっそうな弁当といったところか。
食べよう
これほどすばらしい弁当を、家の中で食べてしまってはバチが当たる。外に出よう。
というわけで近所の公園へ
たった4品しか入っていないのにずっしり重い「顔の大きさくらいありますよ~弁当」を抱え、近所の公園へやってきた。初秋の穏やかな行楽日和、弁当を広げるにはもってこいである。
行楽に似つかわしくないサイズだけど
さっそくオープン(※アングルが変なのは三脚が壊れたからです)
すごい! 顔の大きさくらいある!
開けてみたら小さくなってた。そんな民話みたいな展開はとくに起こらず、そこにはやっぱり「顔の大きさくらいのおかずたち」があった。ありがとう、そしていただきます。
そのでかさに感謝
いくら食べてもなくならないおにぎりがあったらいいのにな。子供の頃、誰しも抱いた夢がここに実現
大きいだけに大味なのかと思いきや、どのおかずもしっかりうまい。ハンバーグもコロッケも普通サイズと変わらないおいしさで、なおかつデカいという最高の結果となった。
ハンバーグもちゃんと中まで火が通っていた
クックパッドでちゃんとレシピを見て作った甲斐があった
でかいおかずは嬉しい。当たり前の幸せを再確認
その後、一日かけて完食した。どのおかずもいずれ劣らぬ強敵であったが、最後まで楽しく食べきることができた。
なお、かかったコストは3000円くらい。ちょっとしたバイキングくらいの値段だろうか。同じお腹いっぱいになるなら「顔の大きさくらいあるおかず」のほうがテンションが上がるのでおすすめである。