ボールペンイラスト本3冊買ったぞ
今回参考にしたのはこの3冊。
「毎日がもっと楽しくなる!4色ボールペンでかんたん!かわいい手帳イラスト」(河出書房新社)
「ボールペンで描くかわいいイラストBOOK」(成美堂出版)
「3色ボールペンで!かんたん、ちょこっと、イラスト帖」(日本文芸社)
内容は3冊とも大体同じだった。たとえば「陸の生きものを描こう」というコーナーはこんな感じ。
「3色ボールペンで!かんたん、ちょこっと、イラスト帖」より
たしかにこれなら、誰でもかんたんに描けるし、かわいい。こんな風にいろんな「シンプルでかわいく見えるお手本」がたくさん載っていて、読者はそれを模写するような作りになっている。
「魚の描き方」もほとんど絵描き歌みたい。
「ボールペンで書くかわいいイラストBOOK」より
そうかと思うと、ちょっと精神論っぽいことも出てきたりする。
「ボールペンで書くかわいいイラストBOOK」より
おもしろかったのは「自分キャラでサイン」という提案。ソウダという名字の先輩をソーダにしたり、板谷さんを板にしたりしている。
「4色ボールペンでかんたん!カワイイ手帳イラスト」より
じゃあ斎藤充博(僕です)はどうしたらいいか、というと、これがなかなか難しい。やるとそれば「充博」の「みつ」を「蜜」に引っ掛けてこんな感じだろうか。
不条理が前面に出てしまった。それでも、無味乾燥なビジネスの現場の中でこんなことされたら、間違いなく嬉しい。ボールペンイラストは積極的に使っていくべきなのだ。
LINE乗っ取りがボールペンイラストで来た
ところで、LINE乗っ取りが流行っている。最近僕の妹もLINEを乗っ取られて、メッセージが来た。
「YES!」と元気に返しているが、僕は「ああ、これは詐欺だな……」とわかっている。テレビでも話題になっているので、もう引っかかる人は少ないだろう。
しかし、これがボールペンイラストだったらどうか。参考にしたのは引っ越しの挨拶カードである。
「4色ボールペンでかんたん!かわいい手帳イラスト」より
違和感ナシ
自分で描いたやつを自分で見て「あ、これ自分引っかかりそうだな……」と思った。お手本と同じように描いているだけなのだが、相手が自分のメッセージのためにひと手間かけてくれたことが伝わってくる(本当は描いたのも読むのも自分なんだけれど)。そうすると「力になろう」と自然に思ってしまうのだ。
ボールペンイラスト、パワフルである。
仕事の打ち合わせが全部ボールペンイラストだったら
もしも仕事の打ち合わせを全部ボールペンイラストにしたら、また見えてくるものが違ってくるんじゃないか。
ここにデイリーポータル編集部石川さんと僕のメッセンジャーのやり取りがある。
前提を説明すると、石川さんはラジオでグミの食べくらべをしようとしている。僕は最近グミの記事を書いたので、おすすめグミを聞きだして、さらに可能なら電話でラジオ出演ができないかを打診している。
まあ、なんてことないメッセージのやり取りですよね。
これをボールペンイラストにしてみよう。
ボールペンイラスト本でとにかくよく出てくるのは、動物の絵だ。僕は、そんなに動物の絵描く状況あるかな? と思って読んでいた。でも状況関係なく出していいっぽい。やりとりがなごむ。
ところで、こうしたボールペンイラストでは「旅行記」を描くことを勧めている。
「4色ボールペンでかんたん!かわいい手帳イラスト」より
メッセージの途中だが、グミを買った渋谷駅の様子を入れてみよう。そりゃ!
グミってストレスたまった時にグニグニと食べたくなる食べ物なんだが、その辺りの雰囲気がぐっと伝わってきた。これはメッセンジャーだけじゃムリだ。
まあ、そんな僕のグミ事情も知らず「探してみよう」という感じの石川さんである。そして、ここは石川さんが僕にラジオの電話出演の打診をするフェーズだ。ビジネスメッセージも佳境に入ってきた。
ところで、ボールペンイラスト本にはこんな風に仕事のスケジュールやちょっとした地図などをかわいく描くことも提案されている。
メッセージの途中だが、これもいれてみます。えーい!
「4色ボールペンでかんたん!かわいい手帳イラスト」より
出演依頼されたのは、一日訪問マッサージの日の12:30。だいたい20分くらいのマッサージを原付バイクで移動しながら何件もこなす。
ボールペンイラストで浮かび上がってきたのは、官憲の目におびえながらの過酷な労働の実態であった。
最後に出てくる「カツ丼がリーズナブルなおみせでランチ」とは「かつや」のことである。
私は昼飯を本当に楽しみにしている
依頼されていたラジオは12:30。昼休みも12:30からなので、がんばれば出れなくもない。しかし、もしラジオに出演すると、この一日の中で唯一の楽しみの時間がなくなってしまう。
なので、すみません……。
意外とイケるボールペンイラスト
詐欺からビジネスまで、ボールペンイラストけっこう使えるんじゃないか。どちらにも必要なのは、人の心を揺さぶるメッセージであることで共通している。
最後までボールペンイラストで通したら、うっかり「かつや>仕事」の図式を公開することになってしまった。これは本当によくない失敗なのだが、そこにさえ気を使えば、全然イケると思う。