特集 2014年8月18日

一人でキャスターチェアジェットコースター

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子供の頃、学校の先生のキャスター付き椅子をスクーターのようにして遊んだ経験はないだろうか?

筆者はジェットコースター並にエンジョイした記憶があるのだが、大きくなってからはキャスターチェアジェットコースター、略してCCJC(ジェットコースターは和製英語らしいが気にしない。)をしていない。椅子を押してくれる友達がいないのである。

友達がいないのなら、友達がいなくてもCCJCできる椅子を作ればいい。
とりあえず今あるパイプ椅子で、一人でCCJCできる椅子を作りたいと思う。
「きゅんくん」という名でロボティクスファッションクリエイタ―を名乗り、機械工学を学びながらファッションと機械の合体を目指し活動している。具体的には、機械や電子を搭載した服を制作している。



インターンです

実はこれ、デイリーポータルZ一日体験インターンの企画である。
筆者は「パイプ椅子を速く」することになったのでこのテーマなのだ。
なんの変哲もないパイプ椅子に見えるが、北海道を旅して飛行機に乗って帰ってきた贅沢なパイプ椅子である。
なんの変哲もないパイプ椅子に見えるが、北海道を旅して飛行機に乗って帰ってきた贅沢なパイプ椅子である。

キャスターでなければ

何かを走らせたい人の半分以上は使っているであろうと思われる、タミヤのギアボックスという秘密兵器がある。
しかしモーターで車輪を回すのではCCJCのスカッとする速度と、キャスターで遊ぶというワクワクは得られない。
そもそも今回は椅子が重いのでモーターは難易度が高い。

やはりキャスターでなければ。
パイプ椅子にキャスターをつけることにした。
何故かネジを必要な量の半分しか買っていなかったので穴が埋まってない。
何故かネジを必要な量の半分しか買っていなかったので穴が埋まってない。
自力で漕いでも十分はしゃげる。
自力で漕いでも十分はしゃげる。
しかしこれではジェットコースターのようなあの快感は得られない!ゴムベルトでパチンコのように椅子を飛び出させることを考えた。

これならベルトを壁にくくりつけておけば一人で高速度を味わえるに違いない。
パチンコっぽく椅子が前へ進む。イラストはイメージです。
パチンコっぽく椅子が前へ進む。イラストはイメージです。
ゴムベルトを壁にくくりつけず実験するとこうお行儀が悪くなる。
ゴムベルトを壁にくくりつけず実験するとこうお行儀が悪くなる。
倒れても怪我をしないようにウレタンをつけていざ外へ!

外に出た瞬間壊れた。

外に出たら、地面のガタガタの多さに負けてネジが飛び分解してしまった。
ネジをきちんと締めるのを忘れていたことを思い出した。
しょうがないから持ち上げて運んだ。
重い。
塗装するつもりで「ペンキ塗りたて」の札を買った。
塗装するつもりで「ペンキ塗りたて」の札を買った。
工作物の撮影をしに、近くの公園へ行った。
んーここは何か見覚えがある。
そうだ、ここはいつか某アーティストのミュージックビデオのオーディションを受けたスタジオの隣の公園だ。
何が何やら分からず落ちたやつだ!あの時は雨に濡れながらタクシーを探しまくったが、それが今度青空の下でいい大人達と自由研究みたいなことをすることになるとは。
小学生の男の子に「何やってるの」って言われたし。

さて、修理していざ実演である。
冒頭のGIF画像をご覧になられたであろうか。
見てすぐわかった人もいたと思うが、あれは真っ赤な嘘である。
実際はゴムベルトの力が全く足りず、筆者が座ってみたらほんの少ししか前に進まなかった。
誰も座らない状態でならそれなりに勢いよく飛び出すのだが…。
筆者の体重をなくすしかない。
足で漕いでいる。
足で漕いでいる。
ゴムベルトで引いている。
ゴムベルトで引いている。
もしキャスター付き椅子を使って一人キャスターチェアジェットコースターをしたとしても、これなら同じ結果だったのではないだろうか。

ゴムベルトは動力にならないようだ。
次やるならエンジンの搭載を検討したい。
というか、キャスターチェアジェットコースターは室内のフローリングでやるべきだよね。
公園でやったらガタガタだよね。

100円均一でワイヤーストリッパーが売っていたのでつい買ってしまった。
100円均一でワイヤーストリッパーが売っていたのでつい買ってしまった。

自分の面白くなさを克服するためにDPZインターンへ来たのだが、面白さは得られたのだろうか。
前回ここへ来た時のように、今日もまた同じ場所で無駄な一日を過ごしてしまったようだ。
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