1日インターン 2014年8月4日

ぼくはのらマスター

これは、のら
これは、のら
ついに手に入れた。どんなものでものらか、のらじゃないかがわかる能力を。たとえ生き物でなくてもわかる。世界が変わって見えるようになった。今日から僕はのらマスターです。
1994年愛知生まれ。大学であいまいな学部に入ったらあいまいな人間になった。いまわかっていることは、自分はけっこうひげが伸びるタイプだということ。



どうやって身につけたか

8月4日、僕はデイリーポータルZ1日体験インターンに参加した。そこでは「猫以外ののら」といテーマを与えられた(自分で選んだ)が、これが難しいのだ。のらがなんなのかわからなくなって、30分くらい苦しんだ。

しかし苦しみを乗り越えた僕は「どんなものでものらかのらじゃなかがわかる」という、より高度な能力を手に入れることができたのだ。

のらor非のら

なにがのらで、なにがのらじゃないのかはこんな風にわかる。
これはのら
これはのら
この猫はもちろんのらだ。なんといっても首輪をしていない。そしてこの目つき。獲物を狙う目だ。のらは常に飢えている。僕ものらを探しているとき、のらの気持ちになるためにわざとお腹を空かしたまま行動していたからよくわかる。
これはのらじゃない
これはのらじゃない
ハトたちはのらに見えるかもしれないが、のらじゃない。こいつらはエサを求めて簡単に人に寄って来て、人からもらったエサを集団でむさぼる。

のらはそんなことしない。いつも孤独で、食糧の獲得は戦争と同じなのだ。だからのらは人懐こくない。
これはのら
これはのら
じゃあ街路樹の上に放ってあるふとんはどうか。これはのらだ。なぜかというと、布団というのは通常は人間に使われているが、このふとんは人間の手のもとから離れ、都市と自然の中に存在している。そしてなによりも孤独なのだ。掛布団もシーツも枕もない。

のらのメカニズム

ここで僕がどのようにしてのらか、のらじゃないかがわかるのかを説明しよう。そのメカニズムは少し難しいかもしれないが、一度理解できると簡単にわかるようになる。

人はのらを、地域に存在する養われていない動物のことだと思いがちである。しかしそれだけだとハトものらになってしまう(ハトはのらじゃない)。

ではどう考えたらいいのか、それは下の図から理解できる。
世界を理解するための図
世界を理解するための図
世界には都市と自然界が存在していて、それらは適度に融合している(とする)。そして世界には人間の手によって支配されている部分がある(とする)。それを簡単に表したのが上の図だ。
のらはこのあたり
のらはこのあたり
都市に依存しすぎていてもだめで、自然界に依存しすぎていてもだめ。この図の黄色で囲んだ部分がのらの範囲だ。この範囲内ならばどんな生き物も人工物でものらだ。

ちなみにハトは赤い丸のところに位置しているのでのらではないことがわかる。

よりレベルの高いのら・非のら

ここからは先ほどのものよりも一段とレベルの高いのら・非のらを見ていこう。
これはのらじゃない
これはのらじゃない
すべての猫がのらというわけではない。この猫は服を着、帽子をかぶり、絵筆を持ち、ヒゲがあるにも関わらずヒゲを付けるというまるでのらとは正反対のような恰好をしているのでのらじゃない。
これはのら
これはのら
このスプレーによるワイルドな風貌はまさしくのら。赤いコーンと黒黄のポールでこちらの接近を阻んでいるところからものら的性質がうかがえる。
これものら
これものら
道に落ちている仏教っぽいものは、たとえきれいでものらだ。
これはのらじゃない
これはのらじゃない
これは素人だったら捨ててあるからのらだと答えるタイプだ。だが実は違う。周りをよく見ると工事のおじちゃんがいるのでこの水筒はのらじゃないのだ。おじちゃんのだ。
これはのら
これはのら
交差点に置いてあった誰かの忘れ物っぽいボンド。きっともう持ち主の手には戻らないのでこれからはのらである。

のらに会いに行こう

のらはどこにでも潜んでいる。「野良猫はあんまりいないから」といってのらを敬遠していた人にも、のらに簡単に会えることわかってもらえたと思う。皆さんもぜひ近所ののらを探してみてください。楽しいですよ。
のらとの記念撮影もできた
のらとの記念撮影もできた
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