1日インターン 2014年8月4日

新宿でデラックスをあつめる

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「デラックス」という言葉を聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろうか?上手く伝えたくても伝わらないこのニュアンス。

日本が誇る大都会・新宿をざっくばらんに歩き回れば、デラックスという漠然としたものの実体が見えてくるかもしれない。
1993年山形県生まれ、東京都品川区出身。経済学部なのに数学ができず一留、政治社会学を専攻。古い事柄や廃れた物が好きで、必殺技は井上陽水の物マネ。夏休みは日本で一番人口の低い島に行く予定です。



公園にデラックスな親子を見る

新宿中央公園では自然豊かな景色が見られる。早速足を踏み入れると、大きな黒い蝶がいた。

僕は蝶が何より苦手だ。特に大きい蝶を見ると吐きそうになる。出だしから不吉な予感がした。
あまりに怖くて近くで撮れなかった。
あまりに怖くて近くで撮れなかった。
しかしながら、思いがけずデラックスな物を発見することとなる。普通の赤ん坊を抱える母の像ではない。

あろうことか、母親も子どもも揃いも揃って全裸で手を広げている。彼女たちが指差す方角には、より一層デラックスな東京都庁が見える。
この像について役所のお偉いさん達が真剣に議論を交わしているの、最高にデラックス。
この像について役所のお偉いさん達が真剣に議論を交わしているの、最高にデラックス。
公園で全裸になって捕まった芸能人は記憶に新しいが、現実離れした夢がある。これを作るのにはお金もかかっているのだろう。

というわけで、デラックス第一号に認定した。

デラックスとは…浮世離れしている

デラックスは大人びたものなのだろうか

新宿駅は老若男女問わず人で溢れ返っていて、余計に息苦しさを感じる。

あまりの暑さに僕の頭の中の医療従事者がドクターストップをかけたので、足早に涼し気な室内に入ることにした。
涼し気な場所に避難する。
涼し気な場所に避難する。
もしかしたらデラックスとは、大人びたものなのかもしれない。

無理矢理なこじつけをして、ここぞとばかりに金に物を言わせてやろうと叙々苑にでも行こうかと思ったのだが、財政上の問題で止めにした。
軍資金はたったの1000円。
軍資金はたったの1000円。
汗だくのパーカーに半ズボン、財布の中身が1000円しかない僕はデラックスからは程遠い存在なのだろうか。

いつかデラックスな男になれることを願いつつ、その片鱗を追い求めて戸を開けたのは喫茶室ルノワールだ。
銀座という響きからしてデラックス。ここ新宿だけど。
銀座という響きからしてデラックス。ここ新宿だけど。
高級感がありながら、どことなく寂れたサラリーマン臭を漂わせており、「60歳までに全部払えますかね?それ」という声が急に現実へと引き戻す。

現実と闘う社会人達の憩いの場、ルノワール。夢はあまりないかもしれないけど、その高級感はやはりデラックスな感じがする。
アイスティーに付いてくるガムシロップやミルクも、爪でプチッと剥がすタイプのものではなく、お洒落な容器に入れられている。なんか高級。
アイスティーに付いてくるガムシロップやミルクも、爪でプチッと剥がすタイプのものではなく、お洒落な容器に入れられている。なんか高級。

デラックスとは…高級感がある

とうとうデラックス発見か?

ここまで来ると、デラックスが何なのかが分からなくなってきた。

街の看板を眺めてみても、「スーパー」とか「ビッグ」とかはあるくせに、デラックスと自称しているものはない。

よくよく考えれば、デラックスなんて普段使う言葉ではないのだ。「それ、デラックスだね!」とか言うシチュエーションがあるならばまだしも。

完全に自らの感性が試されている。そんなことを感じていた時、交差点を走る黒い物体が目についた。

他の車よりも一際大きく、艷やかで、運転してみたいと思わせるような…まさしくデラックスな車だ。
寝る間もなく24時間瞳をクッキリさせなければならない女性の心情を察する。
寝る間もなく24時間瞳をクッキリさせなければならない女性の心情を察する。
この車が出てくる場所を突き止めればデラックスの正体が分かるかもしれないとでも思ったのだろうか。

新大陸を発見するコロンブスがごとく夢中になって走ったが、スポーツ知らずのもやしっ子にはいささか辛いものがあった。追うのを止めた。
「イメージと違う女性が出てきたなどのトラブルが多発しています」とかいうアナウンスを聞きながら、とぼとぼと駅の方へ戻る。
「イメージと違う女性が出てきたなどのトラブルが多発しています」とかいうアナウンスを聞きながら、とぼとぼと駅の方へ戻る。

デラックスとは…人を惑わす夢がある

デラックスを求めて童心に返る

子ども向けのおもちゃに、意味もなく「デラックス」って付いていることが多かったのを思い出した。

加齢臭、香水の香り、生ゴミの臭い、そして僕のしたたる汗臭さが混じった謎の臭いに包まれた屋外を抜け、電気量販店のおもちゃコーナーへ。

21歳大学生が1人で玩具を漁っている様子は甚だ奇怪だ。しかしながら、必死に「デラックス」を探していると、不思議に童心へと返る。

デラックス…デラックス…と
あった!
あった!
我に返ると特にデラックスに感じないのだが、音が鳴るだけでもデラックスな気がしてくる。かなり童心に返ってる。

しかしながら、値段は1980円と意外に割高。そう、僕の財布にはもはや千円札すら入っていないのだ。

そう考えた瞬間、そこには仮面ライダーのおもちゃを持って一人立っている不審者が、そこにはいた。

デラックスとは…童心に返らなくてはならない


まとめ

僕達が漠然と思い描くデラックスとは、浮世離れしていて、高級感があって、夢があって、狭義には童心に返れるようなものを言うらしい。

普段はあまり行くことのない新宿の街を歩いていると、色々な発見がある。そういう新鮮な気持ちを持てば若々しくあれるのかもしれない。

日常を忘れて童心に返ることができたけども、湘南乃風の睡蓮花があちこちで流れていて熱気にやられた。
会社へと戻る丸ノ内線で思わぬデラックスとご対面。
会社へと戻る丸ノ内線で思わぬデラックスとご対面。
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