特集 2014年5月30日

庭になりたいガレージ「庭ガ」を鑑賞する

今回は一戸建てガレージの床を見てみた。
今回は一戸建てガレージの床を見てみた。
40歳を過ぎて自分の家も自動車も持っていない。かつて会社員時代の同期たちはみんな家買ったんだろうなあ、と遠い目になってしまう。

そして近々購入の予定もないのだが、ここ数年人の家とそのガレージに興味がある。どうしてかというと、なんだか最近のそれはデコられてるように見えるからだ。
もっぱら工場とか団地とかジャンクションを愛でています。著書に「工場萌え」「団地の見究」「ジャンクション」など。(動画インタビュー

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> 個人サイト 住宅都市整理公団

デコられてるガレージとはどういうことか

何のことを言っているんだか分からないと思いますが、これです。
何のことを言っているんだか分からないと思いますが、これです。
一戸建て住宅の玄関前にある駐車スペースの床面が、最近おしゃれじゃないですか?

ですか?って問われても困ると思うけど、上の写真のように、単にコンクリート打っただけ、ではなくレンガなどいろんな素材を埋めて模様を作っている例がここ10年ぐらい増えたと思うのだ。
芝生が植えられたりすることも。半分庭状態だ。
芝生が植えられたりすることも。半分庭状態だ。
一番最初にはじめた人/会社がどこかは知らないが、これは発明だと思う。

理想的にはガレージと庭は別々に欲しいところだが、この日本、特に首都圏ではそうかんたんではない。

当然ながらガレージは道路側にレイアウトされ、いちばん目につくところだが、そこがコンクリート打ちっぱなしでは殺風景だ。車がないときに、あたかも庭のように見えるようにしてはどうだろうか、ということなのだと思う。たぶん。
見つけた「庭ガ」をイラストにして、その傾向を見ていこう。
見つけた「庭ガ」をイラストにして、その傾向を見ていこう。
そう思って意識してみると、これがけっこういろいろある。おもしろい。

ということで、それら「庭ガ」(庭化しているガレージ、の意)の種類を見てみようではないか。

あと中には「ガレージ」とは呼べない(どうやら少なくとも屋根がなくてはそうは名乗れないらしい)ものもあるが、ここでは全ての駐車スペースを「ガレージ」としたい。なぜなら「庭ガ」という言葉が気に入ったからだ。

そして上のイラストが「基本形」とでも呼びたいもの。分かりやすく「庭も欲しいがガレージも必要」をぎゅっと収めている。

今回はこんな感じですごく地味です

えーと、以下ずっとこんな調子で続きます。すまん。

いやー、面白いとおもうんだけどなー、伝わらないかなー。
レンガをコンクリートの間に埋めていった「クレバス系」
レンガをコンクリートの間に埋めていった「クレバス系」
で、上が「クレバス系」。基本的に実直なコンクリートのたたきなんだけど、細いスジを入れてそこに異素材をはめ込んでくる形式のこと。
こうして見ると山間を氷河が降りていく様子のようではないか。そんなことないか。
こうして見ると山間を氷河が降りていく様子のようではないか。そんなことないか。
おそらく駐車スペースとして求められる強度との兼ね合いで、このような細いスジが精一杯、ということなのだろうと思う。いじらしい。

シンプルな「庭化」手法ながらスジの入れ方にはいろいろある。上のように曲線を描くものもあれば、下のようなものもある。
構成的なスジの入れ方。なるほど。
構成的なスジの入れ方。なるほど。
イラストの方が分かりやすいかな、と思ったけど、なんか写真でもいい気がする。

いやでも描くよ、ぼくは。
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やっぱりグリーンがポイントか

これはかなり気に入った。トップとボトムの異素材組み合わせ、って感じ。
これはかなり気に入った。トップとボトムの異素材組み合わせ、って感じ。
地味な内容にもかかわらず2ページ目までおいでいただきありがとうございます。

さて、前ページのクレバスはレンガなどだったが、ここに芝を植えるケースが非常に多い。これをグリーンベルト系と呼ぼう。あんまりいい名前を思いつかなかった。

コンクリートの隙間から生えているさまから、一時期話題になった「ど根性大根」を連想したが、あれでネーミングするのだけはやってはいけないと思った。
一番最初の「基本形」の応用。やはり芝使いでいっきに「庭ガ」の雰囲気があがる。
一番最初の「基本形」の応用。やはり芝使いでいっきに「庭ガ」の雰囲気があがる。
上の庭ガが典型的なのだが、いくつか見ていくと「歩く場所は曲線・駐車部分は直線」というモチーフになっているケースが多いことに気がついた。まあ、だからなんだ、って話なんですが。

ともあれ、このグリーンベルト、「芝生の庭はむりだが、コンクリートのクレバスに少しでも」という経緯とはいえ、結果として一面芝生よりいいのではないか。

というのも、芝生って手入れたいへんだし、一部枯れたりするとみすぼらしく見えるが、これならそういう心配がないからだ。これは流行るわけだ、と思った。

興味なかったのに芝生について勉強したいぞ

一面芝生の前庭、といえばアメリカの住宅のイメージだ。おそらく日本人の庭と芝へのあこがれはかの国から来ているのだろう。芝の起源はイギリスらしいが、それがめぐりめぐって極東の地で、コンクリートのクレバスに落ち着いた。なんかいい話だと思う。
これはグリーンベルト系ではないかもしれないが、芝をあきらめきれなかった感じがよかったので。
これはグリーンベルト系ではないかもしれないが、芝をあきらめきれなかった感じがよかったので。
上のケースもよかった。ランダムに枕木らしき木材がレンガに埋め込まれている。で、よく見るとその隙間にちゃんと芝が植えられているのだ。

ちょっと芝と庭の文化史について調べてみようと思った。
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狭い面積でいかに蛇行するか

庭ガにおいては、いかに曲線を出していくか、というのがポイントのようだ。
これ全体で車1台分ぐらいの大きさです。
これ全体で車1台分ぐらいの大きさです。
たぶん狭い面積で直線モチーフだけだとなんだか窮屈に思えるのだろう。たぶん。

結果としてなんだか模様が蛇行している、というケースがよくある。上はそのひとつ。クレバスに芝もセオリー通り。

左右のコンクリート部分に駐車するように見えるかもしれないが、これ全体で車1台分の大きさだった。

車が止まっているときは蛇行も芝も見えないが、どけばこの通り小さい庭園。「庭ガ」とはこういものなのだ。いじらしい。
「異素材組み合わせ系」というジャンルでもよいかもしれない
「異素材組み合わせ系」というジャンルでもよいかもしれない
あと、個人的には弁などが「庭ガ」のデザインとどう折り合っているか(というか、折り合ってないか)が気になった。これは今後の課題としたい。というか、今後があるのか。というか、「個人的には」ってそもそも最初から個人的だろうこの記事。

庭ガへの情熱

これよくばりさんでぐっときた!
これよくばりさんでぐっときた!
これら庭ガは誰がデザインするのか確かなことはわからないが(おそらくディベロッパーの外構デザイン部門?)、中には明らかに素人仕事っぽいものもあってとてもよい。住み手が手がけたものもあるだろう。

上のものも、これ全体で車1台分ぐらいなのだが、このいろいろ盛り込みようはどうだ。グリーンベルトこそないが、様々な素材を曲線を使って埋め込んでいる。

なんだかいとおしくなった。自分ちこうするか、って言われたらちょっと考えちゃうけど。

いい「庭ガ」があったら教えてください

ここは「庭」でも「ガレージ」でもないのだが。おそるべしグリーンベルト化への情熱。
ここは「庭」でも「ガレージ」でもないのだが。おそるべしグリーンベルト化への情熱。
いつにも増してマニアックな内容で申し訳ない。でも、未だ興味冷めやらず、なので需要を無視して今後も見ていきたいと思っておりますので、なにとぞよろしくお願いいたします!

あといい「庭ガ」があったら教えてください(「いい庭ガ」ってなんだ)。
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