特集 2014年2月26日

ラピュタのような島の辺り一帯がなんか妙

ジブリアニメの天空の城ラピュタのような島が和歌山県にあると聞いた。

なんとなく行ってみたら、なんていうか、そこら辺一体が変な感じだった。そこら辺。
1983年三重県生まれ、大阪在住の司法書士。
手土産を持参する際は消費期限当日の赤福で受け取る側に過度のプレッシャーを与える。

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> 個人サイト owariyoshiaki.com

確かにラピュタっぽいかも

このラピュタっぽいと評判の島、名前を友ヶ島といい戦時中に要塞などとして使われていたそうだ。その要塞が風化して植物の生い茂る感じが確かに忘れ去られた空中都市ラピュタを思わせる。
良い隠し通路感。
良い隠し通路感。
その要塞部分も立ち入ることができ、異世界を探検しているような気分を味わえる。
通路の向こう側の空間に感じるワクワクよ。
通路の向こう側の空間に感じるワクワクよ。
時のせいか、周りの自然環境か、要塞と言っても重苦しい感じはなくノスタルジックでワクワクした感じを抱く。
パッと開けた時のわっさりもっさり感。
パッと開けた時のわっさりもっさり感。
そのワクワクを受け止めて更に超えるような光景が目の前に広がっていく。あぁ、確かに、確かにラピュタっぽい。このように自然との組み合わせの魅力もあり
ライトで照らさないと全く見えない地下へ続く階段。
ライトで照らさないと全く見えない地下へ続く階段。
要塞自体のかっこよさもある。縦横無尽にめぐらされた要塞は入り組んでいて、ライトで照らしながらでないと移動もできないくらい、真っ暗なところもあったり、単純に探索するだけでもドキドキする。
すえた空気が溜まっている部屋で行き止まり。
すえた空気が溜まっている部屋で行き止まり。
そして最後まで行くと大きな部屋で行き止まり。何らかの貯蔵庫とかっぽいが今は空っぽ。じっとりと重く、カビ臭い空気が閉じこもっていた時間を感じさせる。
戻るとき、嫌な予感がして上を照らしてみると小さなクモがいっぱいいて、ギャッ!!!ってなった。
戻るとき、嫌な予感がして上を照らしてみると小さなクモがいっぱいいて、ギャッ!!!ってなった。
もし本当にラピュタがあったとしたらこういう部屋もあったりするんだろうな。という関係のないところで想像が膨らむ。

バルス後の状況っぽかったりもする。

ただの休憩所も何やら雰囲気のある感じになっている。
ただの休憩所も何やら雰囲気のある感じになっている。
建物や植物の状況がラピュタっぽい感じになっているが、通常時のラピュタの様子だけではなく滅びの呪文「バルス」を唱えたあとのようなところまである。
崩落していく砲台。
崩落していく砲台。
かなり時間が経っているため、海に面した砲台などが崩れていっている。その崩壊っぷりが映画の一場面を思わせる。
上から見るとこういう感じ。
上から見るとこういう感じ。
映画では崩壊していくところを見ても、すごい。くらいの感想だったが実際に崩れていく要塞のようなものを見ると、これは危ないな。怖い。と現実的な感想を抱く。

映画では敵役を倒すために滅びの呪文を唱えたが、実際に自分が立っているところが崩壊とかしちゃったら「ええっ!!ちょ!!?、おおお、まじやばいってこれ、うおおおお」って絶対なる。主人公達は冷静ですごい。
これだけじゃなく、他にもたくさんいろいろなところがある。
これだけじゃなく、他にもたくさんいろいろなところがある。
まだまだそれっぽいところはあるが、ラピュタっぽい島のラピュタっぽい部分はこういう感じだ。それではラピュタっぽくない部分もご覧頂きましょう。
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二世代の廃墟感

ラピュタっぽいところもある友ヶ島だが、もちろん現実の島。映画のようなファンタジーではなく圧倒的に現実だ。
近い世代の廃墟
近い世代の廃墟
ラピュタっぽい所に行くには比較的近い時代の廃墟をまず目にする。戦後、要塞などを観光資源としてちょっとした人気になっていたが徐々に客足が途絶えて衰退していったそうだ。
打ち捨てられた自動販売機が何か心に来た。ラピュタで主人公たちが壊れたロボットに抱いたものと同じ感情だと思う。
打ち捨てられた自動販売機が何か心に来た。ラピュタで主人公たちが壊れたロボットに抱いたものと同じ感情だと思う。
要塞くらい生活から離れていると廃墟化していてもノスタルジックな雰囲気しか感じないが、身近なものが時間と自然の力で朽ちていくのを見ると人間の業などを考えさせられる。
一段だけ開けっ放しなっている冷蔵庫の気になりさ。
一段だけ開けっ放しなっている冷蔵庫の気になりさ。
これだけ時代や生活様式が違う廃墟化した建造物を同時に見られるのは貴重なのではないかと思う。予期していなかったが来てみて近代の建物の廃墟っぷりにも心動かされた。
こういうのも、海の家みたいなのも、勝手に作ってそのまま放ったらかしという点では同じなのに受ける印象の違いよ。
こういうのも、海の家みたいなのも、勝手に作ってそのまま放ったらかしという点では同じなのに受ける印象の違いよ。

ガチだからな

危険 立ち入り禁止との立て看板。「お前んち、お化け屋敷!」どころか、崩壊の危機。
危険 立ち入り禁止との立て看板。「お前んち、お化け屋敷!」どころか、崩壊の危機。
と、1ページ目ではラピュタっぽいよ!ファンタジーだよ!って言ったが、色々と現実なのだ。ラピュタっぽい!で来ちゃってみたら大変な事になるかもしれない。
道がガチ。
道がガチ。
なんたって戦時中に本当に使われていた要塞なのだ。見て回りやすい様に配置されていたり整備されていたりしない。むしろ敵に狙われないようにある程度離れた所にあるので移動も大変。
よくこんな所にこんなもの作れたなと感心する。
よくこんな所にこんなもの作れたなと感心する。
ちょっといい雰囲気のガチの要塞なのでガチでハイキングするくらいの意気が無いと心が折れるかもしれない。子連れで来ていた人は子供がもう歩きたくない。って泣いて大変そうだった。

冬の無人島の過酷な自然

そして今現在友ヶ島は無人島となっている。夏には旅館が営業したりするらしいが無人島らしい。無人島の定義がわからないがそうらしい。
天気が怪しくなってきた。
天気が怪しくなってきた。
無人島=人がいないんだな。くらいにしか思っていなかったが無人島というのは「人が快適に過ごすことが出来る所が無い」ということでもあったのだ。
あっ、あそこは!。
あっ、あそこは!。
真冬(この時1月)の小さな島はどこにいても海風が吹きすさび、不運なことに少し雨まで降ってきた。無人島ではそこにコンビニはない。雨風防げる場所が無いのだ。
雨風を防ぐためにやっと見つけた所。誰かの荷物置き場。
雨風を防ぐためにやっと見つけた所。誰かの荷物置き場。
一日に一本しかない帰りの船を逃すまいと船着場の近くに行ったがあまりの寒さに居ても立ってもいられず、あたりをさまようと洞穴か、防空壕か、何かわからないが穴があったので逃げ込んだ。

助かったと思うもつかの間、寒い。全然寒い。雪山で遭難した人が洞穴を見つけて助かるという設定がフィクションでよくあるが、あれ絶対洞穴に逃げ込んだことのない人が考えてる。
なんでこんなことになっているんだ。
なんでこんなことになっているんだ。
密閉性。密閉性だよ、暖かさのキモというのは。部屋の中でも窓を開けっ放しにしたら寒いように口がぽっかり開いた洞穴は全く寒い。洞穴見つけても入り口を塞ぐ手立てがないと無力である。

少し奥の方に入るとケータイの電波も入らず、ただ縮こまって寒さに耐える。無人島及び自然の力を見くびっていた。なんとか、なんとか耐えて帰りの船の時間を迎えることができた。
って、待合室あったのかよ…。
って、待合室あったのかよ…。
やっと帰れる。洞穴に逃げ込めなかった他の人達は生きていられただろうか。って思ったら部屋の中からぞろぞろ出てきた。なんだ、待合室あったのかよ…。
ラピュタのような島からの脱出は「バルス」ではなく船。
ラピュタのような島からの脱出は「バルス」ではなく船。
ラピュタみたいな島ってことで喜んで行って、確かに!って喜んだが、最終的に自然は怖い。という感想を抱いて脱出することになった。

おもしろい島だったと思ったが、脱出してからもおもしろスポットがまだまだある、ココらへん一帯すごい。
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平成狸合戦ぽんぽこもあるよ!(無いよ!)

ラピュタのような島を脱出し、帰ろうと思ったが近くに面白げな神社があると聞いたので行ってみることにした。
人気神社っぽい
人気神社っぽい

平成狸合戦ぽんぽこもあるよ!(無いよ!)

船着場から徒歩10分位で件の神社に到着。周りはあまり人が居なかったのに神社の周りには観光客らしき人たちが居て少し様子が違う。参拝客が皆、本殿に向かうより境内の色んな所で写真を撮っている。
平成狸合戦ぽんぽこ!?
平成狸合戦ぽんぽこ!?
なんだろうと見てみると、数えきれないくらいのたぬきの人形が。ラピュタから平成狸合戦ぽんぽこへ、ジブリつなぎだ。
かと思ったら招き猫。数の暴力ってこういうことか。
かと思ったら招き猫。数の暴力ってこういうことか。
と、違うところを見るとたぬきだけでなく色々な人形がおいてある。しかも所狭しとギッチギチに。単体としてみると何の変哲もないがこれだけたくさんあると威圧感がある。これが数の暴力か。
何かわからないけど怖い。
何かわからないけど怖い。
人形には魂が宿ると言われるが、これだけの数の人形があると一体くらい動いたりしててもおかしくないよな…と思っていたら、この神社のサイトでは「Q.髪の毛が伸びる人形があるんですか? A.本当にあります」って書いていた。
マジかよ
マジかよ

人形供養で有名な神社らしい

人形を供養してくれるらしい。
人形を供養してくれるらしい。
こちらの淡嶋神社は人形供養で有名な神社で持ち込んで供養してもらうことも出来るようだ。しかし飾ってあるものとはかなりテイストが違うものもたくさん集まっていて、どうしているんだろうと思ったが
あっ…。
あっ…。
少し辺りを見回してみると供養してもらう気が変わりそうな状況もちょっと見えた気がする。気のせいかもしれない。更に色々見て回っているとこんなものも見つけた。
えっ、何言い出してるの
えっ、何言い出してるの
もう、なんなんだよ。

婦人病にもなんか良いらしい

人形に圧倒されて興味深く見て回っていたら神社がいきなり下着とか言い出した。人形はまだしも下着は納めないだろう…
ここはまたテイストが違う。
ここはまたテイストが違う。
と思っていたら、婦人病にもご利益がある神社らしい。というか元はそういう神社だったのに何故人形を集めだしちゃったのか。怪しさ効果で下着の奉納もちょっと色眼鏡で見てしまう。
注意!じゃないよ。
注意!じゃないよ。
これはまさか…。
これはまさか…。
色々斜め上である。

なんか参道にある店もすごい

行きしなは行列出来てた。
行きしなは行列出来てた。
無人島でサバイバルし、神社で衝撃を受けて腹が減った。行く途中には行列ができていたお店が空いていたので入ることにした。
席ごとに毛布とそれにくるまった湯たんぽが備えられている。
席ごとに毛布とそれにくるまった湯たんぽが備えられている。
「入れますか?」と聞くと「はいはい、ここ座り。寒かったやろ。ほら、これかけて、中に湯たんぽ入ってるから暖かいよ」という人の家に来たようなもてなしを受ける。
人んち来た気分だ。
人んち来た気分だ。
いろいろな部分から漂う人んち感があるが、サイン飾っていて人気店なのがわかる。何やらみんな頼んでいるメニューを真似して頼んでみる。
しらす飯
しらす飯
注文して程なく来たしらす飯のしらすがすごい。ご飯粒の数よりもしらすの数のほうが多いのではないかという程の量。しょっぱいんじゃないかと思ったが、程よい塩加減にプリッとしていて甘みがあって美味い。
おばあちゃんのぽたぽた焼きみたいなエリア
おばあちゃんのぽたぽた焼きみたいなエリア
しらす丼を食べていたらおばあちゃんが干物や貝を焼いているのがすごく魅力的に見えてくる。このおばあちゃんがこの調理方法で焼くのが美味そう。
なんとか貝の焼き物。うまかった。
なんとか貝の焼き物。うまかった。
実際に食べてみると焼き具合と味付けが見事。おばあちゃんの焼き方を見ていたせいかもしれないがこれは良い。

帰りまでいたれりつくせり

食べ終わって体も温まり、そろそろ電車の時間だ。と席を立とうとしたら店のおばさんが「この中に電車で帰る人おるー?」って聞き出した。ハイ。と答えると「オッケー、じゃあ車で送るからちょっと待ってくれる?」と言う。えっ。
待ってる間に飲んでな。って言ってサービスでコーヒーくれた。
待ってる間に飲んでな。って言ってサービスでコーヒーくれた。
「送ってもらうなんて悪いですよ」と返すと「いいよいいよ、うちはそういう店やから」と言われる。どういう店だ。今度は店の人みんなに「コーヒー飲む人ー?」って聞いてみんなに出し始めた。

もうこれは人んちっぽい、じゃない。親戚だ。正月4日目くらいだ。
結局乗せてもらった車窓から景色
結局乗せてもらった車窓から景色
結局駅まで送ってもらう。すると「向こう岸の山の上に建物が見えるやろ?そこからの景色がすごくいいのよ。見てみたくない?」と誘われる。

なんだこの展開は。誘い方は。なんか気に入られたのかと思ったら「昼間も大学生連れて行ってあげたら喜んでたよ」って、ほんとに誰でも連れて行ってるんだ!?すごいな。

なんでここらへん一帯、こんなに濃い感じなのか。これが世に言うパワースポットかと思って帰った。

結局景色の良いスポットの誘いは断って食べログ全国ランキング1位のラーメン屋さんに行ってみたら、あまり口に合わなくてしょんぼりして帰った。

この日一日、一体何をしていたのかよくわからない感じになるくらい一帯としてなんだか妙なパワーがあった。和歌山駅から30分位でこんなワンダーランドに来られるので、よくわかんねーな。って気持ちになりたい人にはお勧めです。
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