コラボ企画 2013年9月10日

仲良しクラブ、はじめました

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「仲良しクラブじゃないんだから」。社会人になると、そんな嫌味混じりの常套句で叱責を受けることがある。

厳しいビジネスの世界において、馴れ合うような緩い雰囲気で仕事をするな、という意味が込められているのだろう。なんとなくニュアンスは伝わるのだが、僕はまだ「仲良しクラブ」というものを見たことがない。「じゃないんだから」と引き合いに出されるその大もとを知らないのだ。

そんなことでは「仲良しクラブじゃないんだから」と言われた時に反省のしようがない。今後のためにも「仲良しクラブ」とはどんなものなのか、確かめておく必要があると思う。
1970年神奈川県生まれ。デザイン、執筆、映像制作など各種コンテンツ制作に携わる。「どうしたら毎日をご機嫌に過ごせるか」を日々検討中。



> 個人サイト すみましん

インフォバーンでシミュレーション

仲良しクラブとはどんなものなのか。頭の中でいくら考えたところで明確な答えは出ない。そういう時はシミュレーションに限る。会社の中に仲良しクラブを発足させて、その様子を観察していれば自ずと答えが見えてくる。

今回のシミュレーションにあたり、株式会社インフォバーンの皆さまからご協力いただけることになった。インフォバーンは、

「人と企業をメディアでつなぐ、デジタルコミュニケーション・エージェンシー」

という会社だ。それはなにをしている会社なのか、一言で説明してもらうと「ウェブ上のコミュニケーションに悩む企業の駆け込み寺」とのことだった。なるほど。

インフォバーンの会議室をのぞいてみた。
ホワイトボードを使って会議中
ホワイトボードを使って会議中
真剣な眼差しでホワイトボードをみつめる2人
真剣な眼差しでホワイトボードをみつめる2人
新しく立ち上げるウェブサイトのコンテンツ構成やデザインの方向性などを話し合っている。

「その仕様でユーザービリティは確保できるのか」
「もっとユーザーオリエンテッドな発想で」
など、新規サイトについての意見が飛び交う。僕もウェブ制作を生業としているので、このような会議の重要性を身にしみて感じている。最初のコンセプト作りを間違えてしまうと、そのサイトは決してうまくいかない。
新規サイトの命運を分ける重要な会議
新規サイトの命運を分ける重要な会議
会議に参加しているのは、上記写真左から、プランナーの羽村さん、Webディレクターの金沢さん、コンテンツディレクターの遠藤さん。新規サイト立ち上げにおける主要メンバーである。

ピリピリとした雰囲気ではあるが、この3名に仲良しクラブを実践してもらう。


仲良しと言えばまず、お揃いの服だろう。
会議室に笑顔が溢れた
会議室に笑顔が溢れた
揃いの服を身にまとっただけで、会議室の雰囲気が一変した。さっきまでのピリピリムードが嘘のようだ。みんながそれぞれ笑顔になっていく。
俺たち仲良しクラブ
俺たち仲良しクラブ
写真左から、ハムハム、カナりん、えんどんの3人から成る仲良しクラブ。毎晩、ラインのグループチャットで明日着ていく服を示し合わせている。今はカナりんがセンターに座っているが、仲良しクラブでは特にリーダーを決めない。クラブのモットーは、笑顔と調和。

と、勝手に設定が浮かんで来る。

服を揃えただけで、仲良しクラブがどんどん可視化されていくのが分かる。
じゃれ合いをはじめる3人
じゃれ合いをはじめる3人
常に笑顔
常に笑顔
仲良しクラブともなれば、会議の内容も変わってくるだろう。

ハムハムがホワイトボードの内容を書き直していく。
議題:お楽しみ会について
議題:お楽しみ会について
お楽しみ会のタスクは「もっと仲よく」。仲良しクラブにとって大事なのは、どれだけ仲良くいられるか、なのだ。そう、目指すのはユーザーオリエンテッドではなく、仲良しオリエンテッドなのである。


お楽しみ会についての会議を終えた3人は、お昼ご飯を食べに外に出た。

仲良しクラブ、外へ

仲良しクラブが目指すのは代々木公園。歩いて移動するには距離があるので、仲良しクラブはタクシーで移動する。

8月も終わりだというのに、この日の気温は37度。冷房が効いたタクシーに乗って、仲良しクラブの面々もホッと一息。
お昼ご飯のことをそれぞれに考える3人
お昼ご飯のことをそれぞれに考える3人
席順を見ると、今度はえんどんがセンターに座っている。やはり、仲良しクラブにセンターは必要ないようだ。

バックミラー越しに彼らの仲良しな様子を見た運転手さんの頬が緩む。
運転手さんの頬も緩む
運転手さんの頬も緩む
例えばネクタイ姿の男3人が後部座席にみっちり並んでいたとしたらどうだろう。灼熱の中商談に向かうビジネスマンの殺気が車内に充満して、運転手さんの頬が緩むようなことはない。

しかし、今運転手さんが運んでいるのは仲良しクラブ。車内には癒しのマイナスイオンで溢れているのだ。
これでお願いします
これでお願いします
仲良しクラブはいつでも一緒。お金を払う時だって、3人一緒に払うのです。
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仲良しクラブのピクニック

代々木公園に到着した仲良しクラブは、木陰にレジャーシートを敷いて腰を下ろした。
仲良しクラブ オン・ザ・レジャーシート
仲良しクラブ オン・ザ・レジャーシート
やはり3人とも笑顔
やはり3人とも笑顔
レジャーシートのサイズ感もバッチリだ。これが4人だったら誰か1人がはみ出てしまうし、2人だったら余白が気になってくる。3人という人数がちょうどいい。

レジャーシートの座り心地をしばし楽しんだ仲良しクラブは、用意しておいたお昼ご飯を食べ始めた。
お昼は塩にぎり
お昼は塩にぎり
お昼ご飯は塩にぎり。海苔付きのおにぎりが1つだけしかなかったのだが、仲良しクラブはそんなことで喧嘩にはならない。カナりんは一番体が大きいから海苔付きで。あうんの呼吸で自然とおにぎりが配分されていく。
みんな一緒にいただきます
みんな一緒にいただきます
おいしくて笑顔
おいしくて笑顔
食べ始めるのも一緒なら、食べ終わるのも一緒。仲良しクラブのお昼ご飯は終止和やかな雰囲気で流れていく。

ご飯が終わったらデザートの時間です。
バナナとハムハム
バナナとハムハム
バナナとえんどん
バナナとえんどん
バナナとカナりん
バナナとカナりん
デザートは田辺農園の1房3本のバナナを1本ずつ仲よく分け合った。

このように、3人だと分け合うこともうまくいくのだ。例えばマルちゃんの焼きそばだって3人前が1パックになっている。3人編成の仲良しクラブは、何かと理にかなっていると言えよう。
バナナはおやつに入りますか?
バナナはおやつに入りますか?
入りますか?
入りますか?
バナナの木(だと仲良しクラブは思ってる)に寄り添ってバナナを食べる仲良しクラブです。
バナナのおいしさに、思わず笑顔がこぼれる
バナナのおいしさに、思わず笑顔がこぼれる

仲良しクラブのアクティビティ

腹ごしらえを終えた仲良しクラブは、お昼休みを利用してアクティビティに興じます。

興じる遊びはバドミントン。しかし、バドミントンは2人で打ち合うスポーツだ。1人余ってしまうが、仲良しクラブはどう対処するのか?
仲良しクラブのバドミントン
仲良しクラブのバドミントン
カナりんとハムハムでバドミントンをする脇で、えんどんはフラフープで盛り上げる。これが仲良しクラブのバドミントンである。
そーれ、そーれ
そーれ、そーれ
フラフープは失敗!
フラフープは失敗!
バドミントンのラリーが続く中、えんどんのフラフープが失敗に終わる。すると、えんどんのことを気にかけた2人がバドミントンの手を止めた。2人だけが楽しんでしまったのではないか。落ち込むえんどんを見て、カナりんとハムハムは反省しているようだ。

ハムハムはバドミントンのラケットを置いて、フラフープを手にした。
こうやればいいよ、えんどん!
こうやればいいよ、えんどん!
ハムハムがフラフープのコツをえんどんに伝授する。巧みな腰使いでフラフープを回すハムハムに、カナりんとえんどんは大はしゃぎ。

更に、カナりんから、

「じゃあさ、みんなでやってみようよ!」

と提案がある。
3人一緒に1つのフラフープに入る仲良しクラブ
3人一緒に1つのフラフープに入る仲良しクラブ
俺たち
俺たち
仲良し
仲良し
クラブ!
クラブ!
3人フラフープがあまりうまくいかなかった仲良しクラブ。
次はツイスターで遊びます。
ツイスターでみんなで盛り上がろうよ!
ツイスターでみんなで盛り上がろうよ!
運命を握るルーレット
運命を握るルーレット
ルーレットの指示に従って、赤、青、黄色、緑の丸に手や足を置いていく仲良しクラブの面々。お互いの体が密着したり、無理な体勢を強いられたり、ツイスターの醍醐味を仲良しクラブはどのように楽しむのだろうか。
ハムハムの右足とえんどんの左足が青
ハムハムの右足とえんどんの左足が青
キスの距離
キスの距離
えんどんの右足赤により、事態は急変
えんどんの右足赤により、事態は急変
なんとか持ちこたえるえんどん
なんとか持ちこたえるえんどん
えんどんの右手黄色、で訪れたえんどんの危機
えんどんの右手黄色、で訪れたえんどんの危機
一方、カナりんにも地味に危機が訪れていた
一方、カナりんにも地味に危機が訪れていた
えんどんがリンボーダンスの体勢に!
えんどんがリンボーダンスの体勢に!
耐えろ、えんどん!
耐えろ、えんどん!
終了ー!
終了ー!
えんどんが少し背筋を痛めたけど、仲良しクラブのお友だちはツイスターで大盛り上がり。

しかし、次のページで仲良しクラブに試練が訪れます。
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試される仲良しクラブ

ここにプッチンプリンが1つある。
プッチンプリンが1つ
プッチンプリンが1つ
仲良しクラブのお友だちは3人いるが、プリンは1つだけしかない。
どうしよう?
どうしよう?
さて、仲良しクラブはこのプッチンプリンをどうするのでしょう?

この興味深い実験を間近で観察するため、僕はGoProというアクションカメラを頭に装着した。
GoProを頭部に装着
GoProを頭部に装着
GoProは2012年にスポーツカメラ賞を受賞した小さくて精密なアクションカメラである。サーフィンなどのスポーツでプレイヤーの体に装着することで、臨場感あふれる迫力映像を撮影できるのだ。

今回、僕がGoProで撮影するのは、仲良しクラブ。それも1つのプリンを3人がどうするか? という状況である。使い方が間違っているような気もするが、このカメラの所有者であり当サイトの編集長でもある林さんが、どうしても付けろというのだ。きっと迫力のある映像が撮影できるのだろう。
さあ、このプリンをどうしますか?
さあ、このプリンをどうしますか?
おっ、カナりんが独り占めか?
おっ、カナりんが独り占めか?
プリンを最初に手に取ったのは、カナりんだった。体の大きいカナりんが一人で食べてしまうのだろうか?

ここからはGoProの迫力映像で、プリンの顛末をお伝えしよう。
プリンを食べ始めたカナりん、そしてそれを優しく見守るえんどん
プリンを食べ始めたカナりん、そしてそれを優しく見守るえんどん
なんと、カナりんは一口食べてからえんどんにプリンを渡した
なんと、カナりんは一口食べてからえんどんにプリンを渡した
そして、えんどんも一口食べてからハムハムにプリンを渡す
そして、えんどんも一口食べてからハムハムにプリンを渡す
プリンが1つしかないのなら、みんなで分け合えば良い。

それが仲良しクラブが出したソリューションである。

GoProのお陰で、仲良しクラブのプリン回し食べを大迫力でおさめることに成功した。

再び試される、仲良しクラブ

プリン1つの危機を難なくクリアした仲良しクラブではあるが、更なる試練が彼らを襲う。

次の写真を見ていただきたい。
奇麗な女性の遊ぶ姿が見える
奇麗な女性の遊ぶ姿が見える
仲良しクラブの向こう側に、奇麗な女性がバドミントンを楽しんでいる姿が見える。更に上の写真を良く見ると、画面の左手前にいるカナりんがその姿を気にしているのが分かる。

カナりんの様子に気づいたえんどんも、バドミントンの女性の姿を気にし始めた。
奇麗な女性に気づくえんどん
奇麗な女性に気づくえんどん
この時、まだ女性の存在を知らないハムハムはプリンを見て爆笑している。しかし、カナりんとえんどんの視線がプリンとは違う方向に向いていることにすぐに気づく。
仲良しクラブの全員が女性の存在を知る
仲良しクラブの全員が女性の存在を知る
「プッチンプリンが1つだけ」は、こちらが用意した試練であったが、バドミントンの女性は全くの偶然である。

再び訪れたこの試練、仲良しクラブのお友だちはどのように切り抜けるのか?

もう一度、GoProの迫力映像でお伝えしよう。
えんどんにアーンをするハムハム
えんどんにアーンをするハムハム
それを受けて同じようにえんどんにアーンをするカナりん
それを受けて同じようにえんどんにアーンをするカナりん
俺たちの仲の良さを見せつけてやる、と言わんばかりのアーン攻撃であった。奇麗な女性なんて関係ない。俺たちは仲良しなのだ。仲良しクラブなのだー!


こんなに仲の良い男3人組を、僕は今まで見たことがない。

洋服をお揃いにしたところから始まった仲良しクラブのシミュレーションであるが、あらゆるアクティビティを重ねるうちに、本物の仲良しクラブへと進化を遂げてしまった。

GoProで仲良しクラブに迫る僕に、カナりんから、

「君も一口食べなよ」

と、妖精の様な声がかけられた。
最後の一口をかき集めるカナりん
最後の一口をかき集めるカナりん
笑顔で僕にアーンをしてくれた
笑顔で僕にアーンをしてくれた
正直に言うと、僕は人のスプーンで物を食べるのが苦手だ。しかもみんなが食べた後、かき集められたプリンである。

普段の僕だったら遠慮していたところであるが、仲良しクラブの仲良しパワーに負けてプリンをいただいた。
これが仲良しパワーかー!
これが仲良しパワーかー!
僕の口に運ばれたプッチンプリンは、甘酸っぱい仲良しの味がした。
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仲良しクラブが見えてきた

プリンを食べた後、仲良しクラブは水鉄砲でじゃれあったり、
ガンマンごっこに興じる
ガンマンごっこに興じる
仲良しクラブ
仲良しクラブ
お互いのメガネを交換しあったり、
仲良しを確認しあう
仲良しを確認しあう
メガネの交換
メガネの交換
灼熱の代々木公園で、仲良しクラブは仲良しを満喫した。

しかし、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうもので、そろそろ会社に戻らないといけない時間が迫ってきた。

仲良しクラブのお友だちは、後ろ髪を引かれる思いで代々木公園を後にします。
誰に言われるでもなく
誰に言われるでもなく
フラフープに入って移動する仲良しクラブ
フラフープに入って移動する仲良しクラブ
誰が何と言おうと、この3人は仲良しクラブである。

今までぼんやりしていた「仲良しクラブ」という言葉が、クッキリと形を表した。

今後、「仲良しクラブじゃないんだから」と注意されることがあったら、彼らのことを思い出して欲しい。仲良しクラブとは、みんなでお揃いの服を着て、おにぎりやバナナを一緒に食べて、バドミントンやフラフープやツイスターを笑顔で楽しみ、奇麗な女性には目もくれずに1つのプリンを回して食べる、そんな仲間のことを指す。仲良しクラブじゃないんだから、とは、そういう仲間じゃないんだから、という意味である。

さよならするのは辛いけど、最後に思い出作り

渋谷の街に戻ってきた仲良しクラブは、ゲームセンターに向かった。
3人だけどアビーロード
3人だけどアビーロード
ゲームセンターの前で記念撮影
ゲームセンターの前で記念撮影
この日の締めくくりとして、仲良しクラブのプリクラを撮って思い出に残すという。
俺たちの仲良しは誰にも止められない
俺たちの仲良しは誰にも止められない
ずっ友だよ
ずっ友だよ
若い女の子たちがひしめくプリクラコーナーで、仲良しクラブの3人がキャッキャッ騒ぐ声が響いていた。

僕はその様子を少し引いたところから見ていた。若い女の子たちが怪訝そうな顔で彼らのことを見ていたが、彼らはそんなことを気にする素振りも見せなかった。仲良しパワーは誰にも負けないのだ。
プリクラ写真

仲良しクラブ体験を終えて、3人に感想を聞いてみた。

羽村さん(ハムハム):今後、会議などにおいて言いたいことが言えるようになったと思う。
金沢さん(カナりん):今日1日ずっと近くにいて気づいたが、物理的な距離の近さがコミュニケーションには大切なことを知った。
遠藤さん(えんどん):冬はこの3人で温泉に行くのもいいかな、と思っている。

最初はシミュレーションだったはずの仲良しクラブであるが、1日仲良しクラブとして行動を共にしたことで、本当の仲良しになれたのかもしれない。でもそれは、「仲良しクラブじゃないんだから」と注意されるような仲良しではなく、今後の仕事がスムーズにいくための仲良しだと、僕は信じている。
プリクラを見て喜ぶ3人
プリクラを見て喜ぶ3人
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