配達業務だったら2人いらないだろう。仲のいい社員同士、ちょっと外で休憩していたりするんだろうか。そう考えるとバイク同士も仲よさそうに見えてかわいい。
「バイク」は趣味の世界と思われがちだ。でも「働くバイク」は趣味からは程遠い100%実用の世界である。車種もそんなに多くない。この3つさえおさえればクリアーだ。
・三輪車の「ジャイロ系」
・とにかく頑丈な「カブ系」
・荷台がでかくて車高が低い「ベンリィ・ギア系」
・とにかく頑丈な「カブ系」
・荷台がでかくて車高が低い「ベンリィ・ギア系」
要はピザ屋のバイク(ジャイロキャノピー)
このように屋根がついているやつは「ジャイロキャノピー」という
「ジャイロキャノピー」はピザ屋が出前に使っているアレだ。なんといってもバイクに屋根がついているのが画期的。キャリーボックスも大きくて、田舎の仏壇が余裕で入りそうだ。
信号待ちをしているジャイロキャノピー。抜群の安定感を見よ
このジャイロキャノピー、新車で買うと50万を超える。原付バイクの中で一番高い。僕も仕事用にこれを買おうか迷ってたけど、やっぱり高いんで諦めた。
ショーウィンドゥの中のトランペットのように、ジャイロキャノピーは輝いている。僕はそれを見つめるだけだ。
ショーウィンドゥの中のトランペットのように、ジャイロキャノピーは輝いている。僕はそれを見つめるだけだ。
頭からにゅっと伸びた脚立がかっこいい
脚立の脚が伸びているのは、ガンダムの黄色い角みたい。しかしそこに原付に脚立積まなくてはならぬ、という仕事上の必然性がある。
ダブルでジャイロキャノピーを見かけるとうれしくてムズムズする
ジャイロキャノピー最大の見どころはコーナーリングだ。縦に長細い運転席を、大胆にスイングして曲がる。しかし後輪は独立していて、両輪とも地面にぴたりとついたまま。
その角度から(僕は文系なんでよくわからないけれども)なにかシャフト的な機構でメカメカしい物が感じられてワクワクするのだ。
その角度から(僕は文系なんでよくわからないけれども)なにかシャフト的な機構でメカメカしい物が感じられてワクワクするのだ。
スイング!
後ろから見てもいい
でかい交差点で待っていると、まあ30分に1回くらいはキャノピーのコーナーリング見れる。写真だけではなく、一度生を鑑賞して欲しい。
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屋根なし三輪車(ジャイロUP)
街中だとどうしても屋根のある三輪車が目立つ。しかし屋根のない三輪車(「ジャイロUP」という)もぐっとシブい。
サイコロみたいなキャリーボックスを積んでいる
地を這うような過剰な安定感。仮に道路が巨大なバナナの皮で出来ていたととしても、滑って転んだりしないだろう。そんなファンタジー世界であっても十分に労働できるバイクだ。
牛乳配達の人はよくこれに乗っている。このタイヤ幅を大きくはみ出す幅広のキャリーボックス、たまらん
足の置場もないほど積んだ荷物。ハンドル部分にはクリップで留められた書類。限界を超えて仕事をする男の姿そのものである
むりやり屋根を取つけているパターンもある。イカのオバケみたいだが、これが公道を走るのだ
みんなでっかく使っているキャリースペースを、こんな風に低い網で囲っているの珍しい。子供が喜びそうな小動物を荷台で飼える
どことなく甲羅から手足を出したカメみたいだな、…と思っていたらキャリーボックスにカメのイラストが描かれていて、わが意を得たり、である。あとおデコの上に書類乗っけているのかわいい
こうして見ると、バリエーションは屋根のついているジャイロキャノピー以上である。
いろんな使い方から、それぞれの仕事に思いを馳せるのもいいし、単純に見た目を面白がるのもいい。でもそれって、僕が仕事で走っている時間が退屈すぎるのかもしれないとも思う。
いろんな使い方から、それぞれの仕事に思いを馳せるのもいいし、単純に見た目を面白がるのもいい。でもそれって、僕が仕事で走っている時間が退屈すぎるのかもしれないとも思う。
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ソバ屋のカブにはガムテープが似合う
はたらくバイクといったらまず先にカブを思いつく人が多いかもしれない。
いろんなところで使われるバイクだが、僕としてはソバ屋仕様にしているやつが印象強い。だいたい一日に10回くらいはソバ屋のバイクとすれ違う。みんなそんなに出前とっているのだろうか?
いろんなところで使われるバイクだが、僕としてはソバ屋仕様にしているやつが印象強い。だいたい一日に10回くらいはソバ屋のバイクとすれ違う。みんなそんなに出前とっているのだろうか?
ガムテープの補修がよく似合う
これもシートをガムテープで補修してある
写真を撮ってみたら、ガムテープで補修されているやつがいくつかあった。やんちゃ小僧が鼻の頭にバンドエイドつけているみたいで、ほほえましい。
これはカブっぽいけれども「メイト」という別のバイク。そしてやっぱりこれもガムテープで補修されている(ライトのところ)
1センチで調節する安定
こんな風に写真を撮っていたら、すごいカブに出くわした。
むりやり屋根を取り付けたカブ
カブに屋根付けているのなんて見たことない。雨の日の過酷な出前業務が、店主を屋根の改造に至らしめたのだ。その気持ちはまあわかる。
このカブ、スタンド部分でギリギリの調整をしている。
このカブ、スタンド部分でギリギリの調整をしている。
木片をはさんでいる
この木片にたどりつくまでに、何度もこのカブひっくり返ったんだろうな。
屋根つきのジャイロキャノピーに買い替えちゃえば解決するのだが、この店主も「やっぱりアレ高い」と思ったのだろう。差し向かいでその辺のところの話をしてみたいものである。
屋根つきのジャイロキャノピーに買い替えちゃえば解決するのだが、この店主も「やっぱりアレ高い」と思ったのだろう。差し向かいでその辺のところの話をしてみたいものである。
郵便カブ
赤くカラーリングされた郵便カブも、華やかで目立つ存在だ。ところでこの郵便カブ、2台そろって駐車していることが多い。
おしゃべりしながら待っている感じ
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ベンリィとギア
あとは「ベンリィ」と「ギア」もはたらくバイクを語る上では外せない。この2種、遠目から見ると区別がつかないくらいよく似ている。
ベンリィ
ギア
二つとも重心が低く、キャリースペースが広くできている。要は三輪で屋根なしの「ジャイロUP」からタイヤを一個外したような感じの乗り物だ。
屋根を後から付けても安定している
荷台と屋根でかなり重そうに見えるが、スタンドががっしりしているので悠々と立っていられる。
これを見た後だと、前ページで木片をはさんで調節していた屋根つきのカブがやっぱりおかしいよなってとちゃんと思える。
これを見た後だと、前ページで木片をはさんで調節していた屋根つきのカブがやっぱりおかしいよなってとちゃんと思える。
炊飯器みたいなキャリーボックス
もちろんふつうのスクーターだって、働いている。僕が乗っているのもふつうのスクーターだ。
しかしキャリースペースが貧弱だ。炊飯器みたいな形のキャリーボックスを付けて、仕事道具を入れるんだが、あんまり入らない。
しかしキャリースペースが貧弱だ。炊飯器みたいな形のキャリーボックスを付けて、仕事道具を入れるんだが、あんまり入らない。
スクーターのキャリーボックスの7割くらいがこれ
このご飯の炊けない炊飯器、原付スクーター界ではユニクロばりに普及している。僕も使っているんだが、みんなお揃いでなんとなく恥ずかしい。
まれに自転車に付けているのも見る。二宮金次郎が薪背負っているみたいながんばりだと思う
バイクは星のように今日も働いている
街に出ればこういうバイクはたくさん走っている。どうでもいい知識かもしれないが、夜空に光る星の名前を覚えるように、原付バイクのことも覚えてほしい。惑星が軌道にそって動くように、原付バイクも毎日休まず働き走っている。
バイク便のバイクに関しては、ライダーが思い思いな感じでちょっとまとめられません