ドーナツ屋さんで働く人ならドーナツ大好きに違いない
ドーナツ好きの方ならば自分の考えに賛同してくれるはず。
では、ドーナツ好きはどこにいるのか。
外食産業の中でマクドナルドでも和民でもなくミスドを選んで働いている人ならば、おそらく私と同じくドーナツを愛する人種に違いない。
そんな単純な考えから、ミスドの店員さんにアンケートを取る事にしました。
方法は至って簡単、店頭で店員さんに「あなたのお勧めを教えてください」とドーナツを選んでもらいます。いやぁ、迷惑な客ですね。
そして、突然呼び出した友人にミスドの店舗情報を30店舗ほどプリントアウトしたものを見せて「今日はこの中から10店舗くらいまわりたい」と強引にミスドめぐりに付きあわせたのも相当な迷惑行為だったと思います。
ですが、友人は好きなものを頼んでいい(というか、無理に食べなくてもいい)と言ったにも関わらず店員さんのお勧めを聞いてくれたり、効率的に10店舗まわるルートを考えてくれたり、途中で心が折れそうになった私を励ましてくれたりと、むしろ積極的に協力してくれたので、きっと店員さん達も意外と迷惑と思わずに楽しんでくれたのではないか…と信じたいところです。
2日間で都内17店舗、計26名の店員さんに対して調査してきました。
浅草、東京ソラマチ、押上業平、曳舟、西新井、竹の塚、南千住、秋葉原、錦糸町、荻窪、南阿佐ヶ谷、高円寺、中野、東中野、新宿、池袋と、写真を撮り忘れた東武浅草の各ショップをめぐりました。
ミスド店員さんのおすすめドーナツランキング
そんなわけで17店舗のミスドめぐりの結果は、以下のようになりました。
あえてグラフにするほどでもないグラフ。
「1位で3票ってショボいな…」と思われた方、ちょっと待った!
考えてもみてください、ミスタードーナツには期間限定も含めて40種類近い商品が販売されています。誰からも選ばれない寂しいドーナツもいる中、3名もの方から選ばれたというのは実はすごいと思いませんか?
そんな微妙なランキングで第1位に輝いたオールドファッションハニー。
こちらは東京ソラマチショップの男性店員さん、西新井ショップの男性店員さん、中野ショップの女性店員さんが選んでくださいました。
ソラマチ先行発売中のキティちゃんドーナツからハニーに推し変したソラマチの店員さん。
「すっごく甘くてカロリー恐ろしいですけど大丈夫ですか?」と言いつつ選んでくれた中野の店員さん。
定番のオールドファッションにハチミ風味のグレーズをたっぷりコーティングしたこのドーナツは、何かというと「カロリーオフ」「甘さ控え目」などの文言がもてはやされる最近の風潮の真逆をいくかのような甘さ・ボリュームともに大満足の一品となっています。
そうそう、甘いものはやっぱりこうじゃないと! と思わせてくれる納得の第1位でした。
系統別人気ドーナツ
単体で一番票を集めたのは(と言っても3票ですが)オールドファッションハニーですが、生地の系統別に分けた場合、圧倒的な強さを誇ったのがポン・デ系統でした。
「私のお勧めだとポン・デ・リングになってしまいますがよろしいでしょうか」と丁寧な押上業平の店員さん。
西新井の女性店員さんはかわいらしいポン・デ・Jrをおすすめ。
「ポン・デ・ダブルショコラが美味しいと思います」と、ドーナツの向こう側から答えてくれた曳舟の店員さん。
ドーナツだけにドーナツ型円グラフ。
2人に1人はポン・デ系を選ぶほどの人気ですが、その人気ゆえバリエーションが多くなって票が割れてしまい、1位になるほど突出したものが出ないという皮肉な結果に終わってしまいました。
それは、グラビアアイドルの愛川ゆず季さんが所属している女子プロレス団体・スターダムにはかわいい選手が多いために他の団体へ行けばナンバーワン美女レスラーで通じるような選手まで普通に見えてしまう現象に似ています。
あ、いえ、全然違いましたね。
フレンチクルーラーをめぐる挫折
と話題を逸らしてごまかしてきましたが、そろそろ限界です。
私が冒頭で散々アピールしたフレンチクルーラーですが誰もその名を挙げる人はいらっしゃらず、強いて言うとフレンチ系からエンゼルフレンチに1票入ったのみでした。
竹の塚で「柔らかいドーナツにチョコをかけてクリームを挟んだとてもおいしいドーナツです!」とおすすめしてもらったエンゼルフレンチ。
あのふわふわした食感、くるくるとしたかわいい形状、グレーズでコーティングされたつやつやの姿、生地のほのかな甘みとグレーズの香りとの見事な調和、どれをとっても非の打ちどころがないフレンチクルーラーを誰もお勧めしてくれないなんて、絶対おかしい。
1日目に10店舗まわったところで、友人に相談してみました。
私「何かの陰謀という可能性も否定できないですよね、FBIとかの」
友人「エンゼルフレンチは出てきたんだし、もうちょっとまわってみたらフレンチクルーラーも出てくるかもよ?」
確かに、1日で10店舗18名の店員さん(2店舗で友人がドーナツではなく飲茶を食べたため)にお聞きしましたが、サンプルとしては少なかったのかもしれません。もう少し店舗数を増やせば、また違った結果も見えてくることでしょう。
ただ、この日の調査で「一般的な30代女性の1日のドーナツ摂取量の限界は9.5個」という結果を身を以て知ったところだったので、続きは翌日に持ち越すこととしました。
10店舗目のココナツチョコレート。生まれて初めてドーナツを半分残しました。
というわけで、翌朝持ち帰ったドーナツを食べてから、今度は一人で再びミスドめぐりの旅に出かけました。サンプルが少なかったという反省もありますが、それ以上にフレンチクルーラーに対する愛が私を突き動かしたのです。
もはや目的は「店員さんの好きなドーナツを集計する」ことではない。「誰かがフレンチクルーラーを選ぶのを見届ける」、ただそれだけだ!!
そんな気持ちで臨んだものの、私の思いを知ってか知らずか、なかなか目的は達成できません。「おねえさんのお勧めのドーナツをください」と言いつつフレンチクルーラーをチラ見しても、「私だったらハニーディップを選んじゃいますねぇ」「今ですと、こちらのポン・デ・リング生が面白い食感でお勧めですよ!!」など、美味しいけど違うんだよ…というドーナツを何度もお勧めされ、私の満腹度合はもはや限界に達してしまいました。
通算17店舗目、ここでフレンチクルーラーが選ばれなかったらもう諦めよう。
決意を込め、お二人の店員さんに選んでいただいた結果がこれでした。
桜チョコファッションとポン・デリング生(お腹が限界だったので持ち帰りにしました)
思わず、「空気読めよ!」と言いたくなりましたが、店員さんには何の罪もありません。
ちらっとお聞きした感じでは、どうやらポン・デやオールドファッションに比べてフレンチクルーラーは地味な存在らしいのです。
「あの、フレンチクルーラーってどうですか?」と伺うと「あぁ、フレンチね」というような反応で、嫌いじゃないけど一番好きなものと言われて真っ先に思い浮かべるほどではない、そんなポジション。
まるで、「クラスで10番目にかわいい子」という微妙な選考基準のAKB48のようです。
秋葉原の小さな劇場から毎日テレビに引っ張りだこの人気者になったAKB48のように、フレンチクルーラーもいつか皆が大好きな国民的ドーナツになることを信じ、今回の調査を終了したいと思います。
でも、たとえ地味な存在だからといって推し変はしません。
フレンチクルーラーが嫌いでもドーナツのことは嫌いにならないでください
残念ながらフレンチクルーラー派の仲間には出会えませんでしたが、人のおすすめを聞くことで、今まで気付かなかったドーナツの美味しさに出会うことができました。
特に印象深かったのは錦糸町ショップの店員さんの『少しレンジで温めたハニーディップが超美味しい』というおすすめ情報で、確かに温めるとふんわり感と甘い香りが強調され、いつもと少し違う味わいを楽しめます。皆様、是非お試しください。
今回ドーナツめぐりに付き合ってくれた友人も「初めて食べたポン・デ・黒糖が美味しかった」と、この試みをそれなりに楽しんでくれたようでした。
何を食べようか迷った時など、皆様も一度店員さんのお勧めを聞いてみてはいかかでしょうか。意外と普通に教えてくれますよ。
そして、万が一フレンチクルーラーのことが気になった方がいらっしゃいましたら100円セールの時にでも食べてみてください。
「少し温めてください」とお願いすればやってもらえます。おすすめ!!