都心環状線・新富町の付近にあるという
首都高の環状線にパーキングエリアは1つもない、というのは知られた事実だが、トイレならひとつだけあるらしい。
場所は銀座の近く、新富町の付近。ウィキペディアに書いてあった。
以前、首都高PAめぐりの記事も書き、わりと詳しいつもりでいた僕だが、そんなもの見たことない。
気になる。気になりすぎる。
すぐさま首都高へ向かった。(西日まぶしい)
記述によれば、道ばたの非常駐車帯にトイレだけが設置されているという。何だそのアバンギャルドな立地!本当か。
そんな猛スピードで車が走り抜ける真横にトイレがあるというのか。
ぜひとも行って、思う存分用を足したい。
水をがぶがぶと飲み干してから、現地へと向かう。
まだ見ぬまぼろしのトイレに向け、尿量に期待が高まる。
残った橋げたが、無意味な分岐を作り出して面白い。
現地も近づいてきて、あ、川底の曲がる場所が「くの字」型になっている。ここが駐車帯か。
と思ったら、その道路から死角になる裏手側に……
トイレがあった。
トイレの使用期限は2月19日まで
すごい、本当にトイレがあった!
手前には案内表示も何もないが、まぼろしのトイレはそこに実在した。都市伝説かもしれない思っていたので、発見して大興奮、感動も最高潮である。
しかし衝撃の事実が発覚したのだ。
なんだとーーー!!
この記事が公開されるのが2月11日、ということはあと1週間で使用できなくなってしまう!
なんというナイスタイミング!
人生は一期一会。このトイレとの出会いを大切にし、今日は心ゆくまでその全貌を明らかにしてみたい。
もともとはパーキングエリア扱いだった?
まず気になったのはこの表示。
かつて「新富PA」と書いてあった?
元は「新富PA」と書いてあったところにシールが貼ってあり、それがまた剥がされている。
経緯は分からないが、この駐車帯がPAと見なされていた過去がったわけだ。
ここトイレしかないけど。
それにしてもここがパーキングエリアなのか?
どう見てもトイレがある非常駐車帯だ。自販機も喫煙所も、一切ない。
パーキングエリアの定義を激しく揺さぶる問題である。
この駐車帯がPAであるというアイデンティティを探るべく、満を持して、トイレ内に入ってみよう。
興奮も尿意もクライマックス。
これが見納めとなる首都高トイレ。
意外にも立派なトイレ!
内部は驚くぐらいきちんとしたトイレだ。
普通のトイレといえば普通だが、仮設トイレぐらいを想像していた僕には想定以上である。
しかしこれがあと1週間で使用禁止になると思うと感慨深い。全国100万人の首都高速ファンの前に、扉を閉ざしてしまうのだ。
さあ、悔いのないように、ありったけの想いで観察しよう。
(BGMは深夜のTOKYO FMのイメージで)
ペンキの剥げた、ペーパーホルダ。
壊れかけた、流水つまみ。
ドアを開ければ、そこは首都高。
Now, On Use.(スタジオのOn Airと思って)
すっきりしたぜ……。
ここまで抱えてきた、胸と下半身にたまったものを一気に吐き出した。一週間後には伝説となるトイレと、一体化したこの瞬間、僕も伝説となった。
はじめまして、ありがとう。
そしてさようなら、まぼろしのトイレ。
また水飲む(最後にもういちど使いたい)
伝説だけが残るのだろう
確かにトイレはあった。
憧れの場所に、崖っぷちのタイミングで行けて、今なら神の存在を信じられる心境である。
しかしあと1週間で閉鎖なのだ。
全国、いや全地球の首都高ファン!
今すぐためらわずにハンドルを、都心環状線外回りへと向けろ!
白バイいたけど怒られなかったので、多分見学OK。 ※夜間は閉鎖なので注意してください。