特集 2013年1月23日

どっちがかっこいい?東名vs新東名の橋対決!

最後は夜になりました
最後は夜になりました
新東名高速道路の開通からもうすぐ1年。当初は大きな話題となった新しい動脈も、いつの間にかすっかり「普通にあるもの」となって、みんな何気なく利用していると思う。

新東名はほとんど全線にわたって、東名高速道路と平行して通っている。だから、たとえば川が流れていれば、同じ川を渡る橋がそれぞれに架かっている。

いつもは上を通り過ぎるばかりで、そういえばどんな橋か知らない。そこで、同じ川に架かるそれぞれの橋を見比べてみようと思った。
1974年東京生まれ。最近、史上初と思う「ダムライター」を名乗りはじめましたが特になにも変化はありません。著書に写真集「ダム」「車両基地」など。
(動画インタビュー)

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静岡3大河川に架かる橋対決

今回は東名高速、新東名高速が通るエリアの中でも特に大きな、静岡県の富士川、大井川、天竜川に架かる橋を見比べた。

それぞれ、通ったことはあっても下から見上げたことがある人は少ないだろう。いやまあ必要がないと言われればそれまでだけど。

より大きな地図で 東名vs新東名の橋対決 を表示
計6ヶ所を見に行った
ちなみに「対決」なんて煽ったタイトルにしてしまったけど、特に勝敗を決めるということはない。かっこよさの度合いに関わらずすべて役に立っている。土木に貴賤なしである。

天竜川橋

最初に見に行ったのは大井川に架かる橋。位置的には3本の川の中で真ん中にあるのだけど、端から順じゃないあたりの理由は諸事情により、ということにしてほしい。

まずは新東名の大井川橋。そう言えば2009年8月に発生した静岡沖地震のとき、東名が通行止めになって一般道で大井川を渡る場所が大渋滞になり、開通直前のこの橋が急遽解放された、というニュースを見て、少し行ってみたい、と思ったのだった。
上を走っても橋という実感がない
上を走っても橋という実感がない
横を見て川の上を走っているのが辛うじて分かる
横を見て川の上を走っているのが辛うじて分かる
ひとまず新東名で大井川橋の上を通ってみた。看板は出ていたけど、そこまでの路面と変化ないので、言われなければ橋とは分からない感じ。せっかくの橋もありがたみが薄い。

そこで、近くの出口で降りて、橋のたもとまで行った。越すに越されぬ大井川、を快適に越せるありがたみを噛み締めるぞ。
あれだ!
あれだ!
ありがたい!
ありがたい!
正直に言って橋については素人である。見ても構造とか名前とかよく分からない。

それにしても新東名の大井川橋は橋と言うか、普通の高架と変わらない気がした。逆に言えば高架というのは橋の連続なのだと改めて気づいた。でも、上下線それぞれ3車線ずつという広い道を1本の橋脚で支えている、というのはすごいことなんじゃないかと思う。実際ものすごくでかい。そして、円柱の脚からV字型にラインが伸びて、サイドにテーパーが切られた橋脚のデザインはかっこいい。
ふつうの橋だけど巨大
ふつうの橋だけど巨大
続いて川沿いに南下、東名の大井川橋を見に行った。

途中で東海道線が大井川を渡る鉄橋が目に入ったけど、これだよこれ!と言いたくなるような見事なトラスが連続した橋だった。
さすが東海道線!
さすが東海道線!
高速道路もトラス橋だったらいいのに
高速道路もトラス橋だったらいいのに
河口近くまで川沿いを下って、ようやく東名高速の大井川橋に着いた。

でもこちらも、連続した高架橋、というイメージだった。あと川底からの高さが低い。これはおそらく大井川が上流から運んできた土砂が溜まって、あとから川底が上がってきたんだろうと思う。
やっぱりふつうの高架のような橋
やっぱりふつうの高架のような橋
関係ないけどこういう「地震のとき橋が落ちないためのバンド」のようなものが好きだ
関係ないけどこういう「地震のとき橋が落ちないためのバンド」のようなものが好きだ
あと、この色あせた赤、というカラーリングも東名っぽい。東海道の大動脈として長年がんばってきた感がある。

というわけで、大井川を渡る新東名と東名の橋を見てみたけど、山沿いを通る新東名が高くて平野を通る東名が低い、という違い以外は高架橋っぽいところも似ていて、平熱で甲乙つけがたい感じ。この企画地味すぎないか、と心配になってきた。

では続いて、天竜川に架かる橋を見に行ってみよう。
そういえば東名の橋の脇に日清の工場があった。ひょっとしてカップヌードルとか作るときの水は大井川のを使っているのかも知れない!
そういえば東名の橋の脇に日清の工場があった。ひょっとしてカップヌードルとか作るときの水は大井川のを使っているのかも知れない!
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天竜川橋

大井川の近くから東名に乗って、静岡県の西の端を流れる天竜川までやってきた。

天竜川を跨ぐ東名の橋は全長1kmを越える立派なもの。本当は河原からじっくり眺めたかったけど、なんと日が暮れてしまった。
写真ではやや明るいけど実際は真っ暗
写真ではやや明るいけど実際は真っ暗
真っ暗な河原に降りる勇気がなくて、近くの道路から眺めたのだけど遠くてよく分からなかった。あとから写真を見たら、大井川橋に似たくすんだ赤い橋桁が丸い脚の橋脚の上に並んでいた。

きっと高速道路が大きい川を渡る橋は派手だろう、なんて軽く考えてここまで来たけど、どっちかと言うと質実剛健、似たような構造のものが多い。

うーん、東北自動車道が利根川を渡る橋はトラスなんだけどな。あれは珍しいのだろうか。

そのまま天竜川沿いを北上して、新東名の橋の下に来た。
お、これまでと少し形が違う!
お、これまでと少し形が違う!
新東名が天竜川を渡る橋は、これまでの鉄製ではなく、コンクリート製の橋桁だった。作用なのかデザインなのか、下側のアーチが連続していてかっこいい。うん、これはステキだ。
どっしりと重量感もあってなかなかの迫力、そして合成写真みたい
どっしりと重量感もあってなかなかの迫力、そして合成写真みたい
では最後に、富士川に架かる橋を見に行こう。
僕のカーナビは余裕で新東名未対応でした
僕のカーナビは余裕で新東名未対応でした
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富士川橋

というわけで東名の富士川橋にやってきた。
橋の形どうこうの前にいきなり昼間である
橋の形どうこうの前にいきなり昼間である
実はこの日、最初に訪れたのが東名の富士川橋だった。そして最後になってしまったのが新東名の富士川橋。したがって順番が若干前後していることはご了承ください。

さて、東名の富士川橋は一見すると同じ東名の大井川橋や天竜川橋に似ている。でも丸い脚の上に四角い台座が乗っかっていた大井川橋や天竜川橋の橋脚と比べると、富士川橋は丸い脚が直接橋桁を支えていてかなりスマートに見える。橋桁の赤も鮮やかで、なんだか若々しい印象。
しかもこんな巨大なものを点で支えているというのがすごい
しかもこんな巨大なものを点で支えているというのがすごい
その後いろいろあり、もうほとんど夜中近くなって新東名の富士川橋にたどり着いた。
なんとかっこいい...!
なんとかっこいい...!
なんと、新東名の富士川橋は見事なアーチ橋だった。それも川底からものすごく高いところを渡している。これは文句なくかっこいいなあ。もし東名や新東名の橋、どれかひとつくれると言われたら即答でこの橋だ。

今回、高速道路が大きな川を渡る6ヶ所の橋を見てきたけど、川幅や水面からの高さによって、橋の形が違った。

ということは、アーチ橋のような構造的にかっこいい橋を見たければ、むしろもう少し小さい川に架かる橋にもっと目を向けるべきだったかも知れない。しまった。

まさかの似た者同士

日本の大動脈が大きな川を渡るとき、もっといろいろなバリエーションのある橋が架かっているかと思っていた。でもよく考えてみれば大きな川はつまり川幅が広く、まわりが平坦で橋の高さが低い。そういった条件が似れば似るほどそこに架かる橋の形も似てくるのは当たり前なのだ、と全部見てきた今だから言える。そういう意味では勉強になった。
もっとこう、いろいろバリエーションあるかと思ったんだけど
もっとこう、いろいろバリエーションあるかと思ったんだけど
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