特集 2012年7月22日

地球回し発電機で世界平和を

ウィアーザワールドー
ウィアーザワールドー
私事で申し訳ないが、もうすぐ学校の試験がある。憂鬱な時期がやってきた。
僕は昔から勉強が嫌いで、すぐに集中力切れを起こしては机に置いてあった地球儀を、ぐるんぐるんと回していたものであった。

所在なく地球儀を回すそのエネルギーを、せめて何かに使えないだろうか。
例えば、発電とか。地球が回って発電したら、きっと世界も平和になると思う。
1991年三重県生まれ。中学時代、名前に平が2つ入っているのに太っていたのでよくいじられていました。
今ではだいぶ痩せましたが、未だに聡明な面が出て来ません。

前の記事:刺身を薄く切ってふぐ刺しと言い張る

> 個人サイト Methane hydrate

何がしたいか頑張って伝えます

こちらが本日の発電機
こちらが本日の発電機
読者の皆さんは多分なんのこっちゃと思ったはずなので、順を追って説明します。
手回し発電機というものがある。
東急ハンズで1200円で購入
東急ハンズで1200円で購入
その名の通り、ハンドルを回したら電気を起こす機械である。
地球儀も回すものだし、手回し発電機も回すもの。この回転を連動させてやりたい。
描いた本人にも理解し難い設計図
描いた本人にも理解し難い設計図
地球儀を回すと手回し発電機のハンドルも回るようにすれば、結果的に地球儀を回したら発電しているように見えるのではないか。これが地球回し発電機の目標である。
「勉強、イヤ!」そのエネルギーを世界平和の為に使うのだ。
「勉強、イヤ!」そのエネルギーを世界平和の為に使うのだ。
どうも釈然としないのは、世界平和なんてぶち上げてしまったせいで置いてけぼり感が半端ないことになっているからかもしれない。

ダメな方向への清々しさ

地球儀と手回し発電機が揃ったところで、連動部分を考えていく。事前に工作の概要をなにも考えないせいで東急ハンズを2往復しなければならなかった。(最初ハンズに手回し発電機だけ買いに行った)

やっぱりギアが必要だよなあ、などと考えながら連動に使えそうな部品を多々買ってきて、いろいろ試した結果。
こうなりました
こうなりました
はい。地球儀に棒をつけただけになりました。バージョン1と呼ぶのもどうかという出来なので、零号機と呼ぼうと思います。
ロシアが国をあげてでかい砲台を作った
ロシアが国をあげてでかい砲台を作った
ギアとか色々買ってきたのだが、どれも地球儀に対して小さすぎて、何も使えそうになかった。その結果、棒に至った。
本日のオフエアの皆さん
本日のオフエアの皆さん
仙人は、己を突き詰めた結果、余計なものが一切ない山奥にこもる。僕も仙人のような気概を持った結果、余計なもののない清々しくシンプルな工作に至ったのだ。仙人工作である。
いや今回は己を突き詰めたわけでなく単に諦めただけですが。

それでこの棒をどうするかというと。
連結
連結
こんなに適当な作りなのに、最初の設計図の条件を100%満たしているのが悲しい。うまく回ったら、これで成功なのである。

とっても複雑な気持ちの中、回してみる。
くそう、なんでいい感じに回るんだ!
くそう、なんでいい感じに回るんだ!
あっ
あっ
引っかかった
引っかかった
地球儀の構造を考えれば当たり前の問題が発生。記事を書いている今も、何故最初から対策しなかったのか不思議である。
が、当時の僕はまだ工作続けられる!と内心ウキウキしていた。 現場のテンションというやつだ。

しかし、失敗した今対策を講じなければならない。さて、どうしようか。
23.4度からの開放
23.4度からの開放
5分に渡る長考の結果、上のネジを外して強引に縦にした。地球のみんなごめん、オラ平和の為に地軸ずらした。
そして、先ほどと同じように連結して回してみる。結果は以下に。
邪魔なく回る!やった!
邪魔なく回る!やった!
…
詳細は語りませんが、連射撮影の最初と最後の1枚で何かヤバげな事件が起こっていることをここに報告させていただきます。 南無三。
明らかに不安定
明らかに不安定
縦にした結果、下の部分が浮いていて今にも外れそうである(実際外れた)。 この安定性では、実際の発電に耐えうるものではない。

これ以上発展のしようがなさそうなので、アクリル棒貼り付け工作からは離れることにします。

かしこさアップ

そういえば、さっきまでネジが入っていた上の穴。
ネジ抜いたせいでさっきからずっと地球ふらふらしてる
ネジ抜いたせいでさっきからずっと地球ふらふらしてる
この穴に、入っていたネジと同じくらいの太さの棒を入れてやればどうだろうか。地軸の傾きに逆らっても仕方ないと悟ったので、今度は自分で軸を作ってやろうという魂胆だ。
穴のサイズを合わせて
穴のサイズを合わせて
買ってきた鉄棒を差し込む
買ってきた鉄棒を差し込む
できました
できました
今までのアホっぽい工作から一気にまともな感じに見えるようになった。かしこさアップだ。また一歩工作マスターへの階段を登ってしまった(今地下3階くらい) 。

この地球儀を回すとこんな感じとなる。
ガラガラと音が出ます。
軸のほうを回すと地球儀も回る。ハンドルが高い所についているので腰を痛めている人でも回すことができるユニバーサルデザインの地球儀が完成だ。
だが普通地球儀は机の上に置くものだ。意味無いじゃん、このユニバーサルデザイン。

目標とする発電機のため、最後に手回し発電機を取り付ける。
ここまできて両者の接続はガムテです
ここまできて両者の接続はガムテです
これで地球回し発電機の完成である。
地球に対して発電機が大きいため、なんだか発電機がどこか遠くの巨大な星が放った人工衛星が地球に迫ってきたように見える。世界平和とか言いながら地球が大変になっているようなデザインとなってしまった。
青い部分からビーム出して地表が火の海になる
青い部分からビーム出して地表が火の海になる
あとは実際に発電するところを撮影するだけだ。野外で撮影したかったのだが外はあいにくの雨。
そして、その翌日から実家でどうしてもしなければならないことがあったので、今日を逃すと面倒な事となってしまう。東急ハンズに計四度行くなどとてもモタモタしていた工作が、ここにきて仇となった。

悩んだ結果、工作用具一式を実家に持って帰ることにしました。
こんな帰省はじめて!
こんな帰省はじめて!
どこで撮影しようが、内容には関係ない。強いて言うなら、実家(三重)の外にはとんでもない量の蚊がいて、撮影中刺されまくるという見えない点での違いだけだ。

そして発電へ

今回、発電したかどうかを見るために豆電球を光らせてみることとする。一番視覚的にわかりやすいと思ってのチョイスだ。
今回の記事の中で一番メカメカしい写真
今回の記事の中で一番メカメカしい写真
そして、撮影用具一式をもって、外へ飛び出した。
外明るかった
外明るかった
今撮影しても光ってるかまったくわからない。あんまりだ。あんまりの計画性のなさだ。
暮れた
暮れた
いよいよ地球儀を回してみる。その様子は動画で。
平和への偉大なる第一歩
地球儀を回すとそれに連動して電球が光っている。求めていた地球回し発電機ができていた!
少し明るいところでもう一度
弱々しく光る電流が、この工作に至った苦労を僕に思い出させる。何がギアだ、結局アロンアルファ頼りじゃないか・・・。

2つの動画を見るとわかるが、それぞれあまり長い時間は動作させることができない。耐久性に難ありなのだ。
連結部分がすぐ悲鳴をあげる
連結部分がすぐ悲鳴をあげる
地球儀と手回し発電機の間に接着剤をつけるわけにもいかず、ガムテープで補強していた。しかし手回し発電機は回すために結構な力がいるため、連結部分にものすごく負荷がかかって、どれだけ補強しても数回転で取れてしまうのだ。

とはいえ光らせることはできた。長々と分析したところで、耐久性に関してはこのへんで勘弁してください。

別のことをやってみよう。
都合のいいものありました
都合のいいものありました
これは明るい時に撮影
プロペラは回らなかった。僕が今回世界平和のためにできたことは電球3つを弱々しく光らせる程の電力だけだった。

今日も僕の頭は平和です

工作がうまくいかず一生懸命悩んだり、少しでも光ったことに全力で喜ぶ。少なくともこの記事を通して僕は平和な気持ちだったと思う。

地球の人たちがみんな、些細な事に一喜一憂する気持ちを持っていれば、それは世界平和に繋がるのではないだろうか。

いや、いくら締めとはいえこんな記事から言い過ぎですね。
明るいところでもやってみたが、案の定光は見えなかった
明るいところでもやってみたが、案の定光は見えなかった
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