特集 2012年3月6日

コンビニご予約弁当食べくらべ

プチ贅沢なご予約弁当
プチ贅沢なご予約弁当
コンビニに「ご予約弁当」なるものがあるのを知っているだろうか。
いわゆる「コンビニ弁当」ではない、慶事弔事など特別な時のための、仕出し弁当のような扱いのお弁当だ。
店頭のパンフレットで存在は知っていたが、食べたことはない。
ちょいと、食べくらべてみようか。
1973年北海道生まれ。物心ついた頃から飽きっぽい。そろそろ自分自身にも飽きてきたので、神様にでもなってみたい今日この頃。

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文字通り、予約が必要な弁当だ

「ご予約弁当」というだけあって、購入には数日前から予約が必要だ。
コンビニのレジにいって「ご予約弁当をお願いしたいんですが」というと、パンフレットを出してくれる。
それに名前や連絡先などを記入すれば、何日か後に豪華なお弁当を用意してくれるのだ。
こういうのに書いてレジで申し込みするのだ
こういうのに書いてレジで申し込みするのだ
しかし、このご予約弁当、注文する人はそう多くないらしく、レジでバイトのお兄さんに聞いても、「えーと…」と戸惑われることもあった。
けれどもみんな親切に、マニュアルなんかをあたってくれて、注文をすることができた。
見た目は普通のお弁当的な感じで渡される
見た目は普通のお弁当的な感じで渡される

サンクスのご予約弁当 880円

というわけで、予約から数日後、お弁当を取りにいった。
この「予約→受取」という作業自体が特別な感じだ。
まずはサンクスのご予約弁当を紹介しよう。
御弁当というシンプルな表示
御弁当というシンプルな表示
公式サイトによるとお品書きは

・ぶり照焼
・海老天
・いんげん肉巻天
・煮物(筍、高野豆腐、蓮根、椎茸)
・ロースとんかつ
・厚焼玉子
・黒豆
・うずら煮
・小松菜煮
・ひじき煮

となっている。
二段重ねだ、うれしい
二段重ねだ、うれしい
コンビニ弁当らしい記載は裏にある
コンビニ弁当らしい記載は裏にある
なかなか豪華なラインナップだ。
ふだんのコンビニ弁当とは一線を画している。
みっしりと詰まっている感じに心躍る
みっしりと詰まっている感じに心躍る

お、とくべつ!

二段重ねのお弁当はずっしり重い。
外装フィルムをとると、いかにもな感じでおかずが詰まっている。
オウ、ゴージャス!
オウ、ゴージャス!
ちなみに下段は、メシ
ちなみに下段は、メシ

880円の価値を満喫

さあてさて、たくさんのおかずに目移りだ。
一般的に「コンビニ弁当」というと、なんというか、わびしさみたいなものが伴いがちだが、このご予約弁当にはそういった佇まいがまるでない。
ぶり照り焼きにエビ天など
ぶり照り焼きにエビ天など
たとえば「焼肉弁当」みたいな力強さはないが、こまかいところに気配りを感じる。
煮物が充実しているのも、見た目優先な平常時用の弁当とは異なる。
煮物ってのがいいね、あとトンカツも
煮物ってのがいいね、あとトンカツも
黒豆がおめでたさを表す
黒豆がおめでたさを表す
奥の方に、焼き鳥的なものや玉子焼きなどが隠れてるのがまたたまらない
奥の方に、焼き鳥的なものや玉子焼きなどが隠れてるのがまたたまらない

おめでとうございます、とくに何もないけど

さすが特別なお弁当だけあって、全体的にどことなくめでたい。
見ているだけでいい気分になってくる。
なんにもいいことがなくても、お祝いされているような気分で、ちょっと気恥ずかしい。
花びら型の人参で特別な感じを味わう
花びら型の人参で特別な感じを味わう

ふつうのよりうまく感じる

なんとなくとくべつ感があるご予約弁当だが、そのせいか、ふつうのお弁当に入っていそうなおかずまで、おいしく感じてしまう。
もしかしたらちょっと高級な材料を使っていたり、調理法が違っていたりするのだろうか。
肉厚のトンカツがボリューミー
肉厚のトンカツがボリューミー
そう思いながら食べていたが、やっぱりうまいんじゃないか、と最初に確信したのがぶりの照り焼きだ。
これは、ちゃんとうまい。
いつものコンビニ弁当は、味わうなんてことをろくにせずに、ただかき込むだけになってしまいがちだが、ご予約弁当には味わう楽しみがある。
ふつうの幕の内とは一線を画んじゃないかと思った
ふつうの幕の内とは一線を画んじゃないかと思った
こういう、ちょっとしたオマケ的なのがうれしいんだな
こういう、ちょっとしたオマケ的なのがうれしいんだな

いんげん肉巻天

その味わう楽しみを最大限に発揮したのが、この「いんげん肉巻天」である。
お弁当には、かならず一輪、可憐な花が咲いていると思う。
たとえばのり弁の白身フライとか、シウマイ弁当の焼売とか、立役者のような、食べ終わったあとに思い出が残るような一品が。
サンクスのご予約弁当のそれは、いんげん肉巻天だ。
仕出し弁当に負けないうまさ
仕出し弁当に負けないうまさ
ああ、このお弁当に出会ってよかったな、と思えるおいしさである。
もちろんエビ天もとんかつも魅力的なのだが、食後の余韻の、主旋律を奏でていたのがいんげん肉巻天であった。

しかし、そう思えるのも立役者をサポートする、たくさんのおかず達がいるからだ。
おひたしなど、こっそり支えているおかずの力があってこその、ご予約弁当である。
コンビニ弁当にはない感じの小松菜
コンビニ弁当にはない感じの小松菜

安心感のあるおかずも

特別特別と騒いできたが、玉子焼きは食べ慣れたサンクスのお弁当の玉子焼きだった。
そのへんの安心感のバランスも、気が利いていてよい。
880円でずいぶん満足した。
もう少し高い、他社のご予約弁当の満足感はもっと上なんだろうか。
玉子焼きは、普通だった(うまいんだけど)
玉子焼きは、普通だった(うまいんだけど)

ローソンのご予約弁当「集い」 1000円

続いてはローソンのご予約弁当をいただこう。
ローソンのご予約弁当は2つからの予約に対応している。
ローソンは、お二つからのご注文
ローソンは、お二つからのご注文
サンクスとは違い、こちらは重ねタイプではなく平屋だ。
でもご飯の配置なんかが、スペシャルな感じになっている。
こちらもぎっしり感満載
こちらもぎっしり感満載

またまた豪華

ローソンのご予約弁当の公式データ

・ご飯(梅・黒胡麻)
・赤魚白だし醤油漬焼
・海老天
・煮物(かぼちゃ・いんげん巻・人参・こんにゃく・れんこん・筍)
・鶏と野菜の湯葉まんじゅう(海老添え)
・厚焼玉子
・ヒレカツ
・ごぼうごま和え
・菜の花和え物
・黒豆
オウ、ゴージャス!
オウ、ゴージャス!

普通のお弁当より色が多い

ローソンのご予約弁当で目を惹くのは、大きなスペースを占める煮物と、花びら型に盛られたご飯だ。
そして、普通のお弁当よりも、色数が多いように思う。
いつものコンビニ弁当は、全般的に茶色ベースだが、これはもっと鮮やかだ。
かなりハイスペックな煮物
かなりハイスペックな煮物
ご飯も花型で心が躍る
ご飯も花型で心が躍る
エビ天に黒豆に赤魚にトンカツという布陣で僕を攻める
エビ天に黒豆に赤魚にトンカツという布陣で僕を攻める

手の込んだおかずが目立つ

普通のお弁当よりも、盛りつけに余裕があるのも印象的だ。
サンクスのようにぎゅっと詰まっているのも魅力的だけれど、このゆったり感もいい。
なんかこれ、すごくうまそうじゃないか
なんかこれ、すごくうまそうじゃないか
そして、全般に手が込んでいる。
赤魚なんか、本当にちゃんと焼いてある。
コンビニ弁当の焼き魚は、焼いてあるんだか蒸してあるんだか、というようなものが多いが(それもおいしいんだけれど)、ほんのり焦げ目が付いちゃったりしており、大変魅力的だ。
ちゃんと焼魚なのがうれしいでございます
ちゃんと焼魚なのがうれしいでございます
菜の花の和え物ってのが、これまた、グーですよ、グー!
菜の花の和え物ってのが、これまた、グーですよ、グー!

それぞれがうまい

具材の幅広さだけじゃなく、ひとつひとつがちゃんとおいしいのも、さすがご予約弁当。
玉子焼きなんかふわふわで、明らかにいつものとはちがうクオリティだ。
玉子焼きはローソンのが一番ゴージャスだった
玉子焼きはローソンのが一番ゴージャスだった
エビ天がでかくて、もう普通のコンビニ弁当には戻れない体になったかも
エビ天がでかくて、もう普通のコンビニ弁当には戻れない体になったかも

いんげんだもの

ローソンのご予約弁当で一番心をひかれたのはいんげん巻だ。
うっかりするとスルーしてしまいそうな、地味なおかずだが、これがうまい。
仕出し弁当のありがたさがぎゅっと詰まっている。
高級なお弁当特有のおいしさで、やっぱりいんげんだよな、と思ってしまう。
僕がこんなにいんげん巻を愛していたとは気づかなかった
僕がこんなにいんげん巻を愛していたとは気づかなかった
そして、小料理屋の先付けみたいな豪華さの「鶏と野菜の湯葉まんじゅう」。
箸をつけがたいほど堂々と、端っこの方にでんと構えているが、その風体に違わずうまい。
旅館の夕飯に登場しそうな、繊細で上品な味だ。
1000円のお弁当らしい高級感である。
あのうまそうなのは、やっぱりうまい
あのうまそうなのは、やっぱりうまい

セブンイレブン 松花堂 1500円

コンビニご予約弁当、3品目はなんと1500円。
普通のお弁当の3倍を優に超える金額である。
なんと、箱に入ってますぜ
なんと、箱に入ってますぜ
さすがに高級で、木目調の箱に入っており、ふたは最近のお弁当でよく見かける、バリッとはがせるテープではない、クラシックなセロハンテープでとめられている。
あの、微妙にはがしにくいテープではないのがうれしい
あの、微妙にはがしにくいテープではないのがうれしい
そしてふたの部分は箱からずれないように、ちゃんと立体的に加工されていた。
なるほど、1500円というのはこういうことなのだ。
この、エッジをきちんと加工してあるあたりに「ご予約」のスペシャリティが
この、エッジをきちんと加工してあるあたりに「ご予約」のスペシャリティが

文句のいいようがない豪華さ

セブンイレブンの公式サイトによるお品書きは


・ひれかつ
・鶏の豆板醤ねぎ味噌焼き
・鰤照焼き
・煮物
・牛蒡ごま和え
・厚焼き玉子
・小海老入りすり身団子揚げ
・海老煮
・小松菜おひたし
・よもぎ団子
・こんにゃく辛煮
・黒豆
・大根人参甘酢漬け
・漬物

となっている。
オウ、ゴージャス!
オウ、ゴージャス!
今回購入したご予約弁当の中で最も高いだけあって、高級感もひとしおだ。
ローソンよりもさらに盛りつけスペースに余裕ができている。
「高い弁当はすきまが多い」という傾向があるのかもしれない。
ご飯も扇形にお化粧を施されていてよそいき感アップ
ご飯も扇形にお化粧を施されていてよそいき感アップ
また、高いお弁当はご飯の割合がどんどん減っていくのかもしれない。
僕がこの弁当箱を渡されて、はい盛りつけなさいといわれたら、まず半分にご飯を詰めてしまうだろう。
そこをグッとこらえて、箱の四分の一に、扇形にかたどってご飯を詰める奥ゆかしさ。
これぞエグゼクティブである。
ふろふき大根と煮物、これもよそいき
ふろふき大根と煮物、これもよそいき
玉子焼きは、ペラペラじゃない本当の厚焼き
玉子焼きは、ペラペラじゃない本当の厚焼き
こちらもぶり照り焼きと小松菜
こちらもぶり照り焼きと小松菜と黒豆
なますにエビにトンカツと、よくわからないけど祝福されている気分
なますにエビにトンカツと、よくわからないけど祝福されている気分

板さんの姿が見える

お品書きには「煮物」としか書かれていないが、薄味に炊かれて味噌をつけて食べるふろふき大根は、これはコンビニという範疇を超えたおいしさだ。
店の奥の方でベテランの板さんがコトコトと煮たような、そんな味である。
このふろふき大根、そんじょそこいらのよりうまいぞ
このふろふき大根、そんじょそこいらのよりうまいぞ
小振りなエビだけど、エビはやっぱり必需品だ
小振りなエビだけど、エビはやっぱり必需品だ

「鶏の豆板醤ねぎ味噌焼き」が絶品

セブンイレブンのご予約弁当で一番気に入ったのが、「鶏の豆板醤ねぎ味噌焼き」だ。
鶏の照り焼きなのだが、この味付けが凝っている。
ネギと豆板醤の風味に、ひとくち食べて思わずにやけてしまった。
メインのおかずではないが、とてもうまい。
もしこれが料亭なら、女将に「あの鶏うまかったよ」と帰り際に一声かけたい気分である。
この鶏肉が、ちょっとこまっちゃうくらいおいしい
この鶏肉が、ちょっとこまっちゃうくらいおいしい
そして特筆すべきは、なんとセブンイレブンのご予約弁当にはデザートによもぎ団子までついているのだ。
なんという心遣いだろう。
コンビニのお弁当にまさかデザートがつくとは。
すっかりご予約弁当のホスピタリティにこころを奪われてしまった。
そしてなんとデザートまで
そしてなんとデザートまで

ご予約弁当はパラダイス

どのご予約弁当も、普段のコンビニ弁当の何倍もする金額で、本当にその価値があるのか、と思っていたが、食べくらべてみて、僕はあると感じている。
ただエネルギー源として必要に迫られて摂るコンビニ弁当とは明確に違う幸せを手に入れることができる。
1500円のお弁当、ファミレスでステーキが食べられる金額だけれど、それくらいのうれしさは、たぶんあるんじゃないかと思うのだ。

今日食べたご予約弁当

サンクス ご予約弁当 880円
ローソン ご予約弁当「集い」 1000円
セブンイレブン ご予約弁当 松花堂 1500円
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