ベランダで遭難します
とはいえ雪山に登るほどの根性も体力もないので、自宅の近所でカジュアルに遭難することにした。
玄関開けたら3秒で遭難
こんばんは
たどり着いたのはマンションの踊り場。寒風吹きすさぶ冬の夜の踊り場はなかなかの遭難ポイントなのだが、いざ撮影しようと思ったら管理人さんに怒られた。
というわけで自室のベランダへ。改めてこんばんは
温度計で体温の上昇を調べる
気を取り直して実験スタートだ。今回は色々な飲み物を飲んだ後の体温をその都度計測して、体を温めてくれる飲み物を探していこうと思う。
平熱は35.7℃でした。健康でなにより
酒以外でもいけるか?
事前に軽く調べたところ、酒以外にも体を温める飲み物はあるらしい。一説には色の濃い飲み物には体を温める効果があるとか。
ということで、まずはコチラ。
赤い野菜ジュース
さあ、我が体を温めよ
すぐさま体温計測中
下がっちゃった。あれま
1℃近く体温が下がってしまった。うん、確かにちょっと寒いね。
後で調べてみたら、野菜の中にも体を温めるものと冷やすものがあるらしい。ジュースの成分にはレタスや白菜、ほうれんそうなど、体を冷やす野菜が多く含まれていたため、体温を急激に下げてしまったのかもしれない。
平熱に戻るまで安静にしてから次のトライへ
本気であったまりたい
窓を隔てた向こうは温かい部屋。しかし、検証を終えるまでは戻れない。というわけで遭難継続。
とはいえこのままでは本当に凍死してしまうかもしれないので、アルプスの救助隊にならい、ブランデーで体を温めることにした。
遭難のお共ことブランデー
ぐいっと
おお!カッカカッカしてきた
体感と体温のギャップ
喉を焼くような熱い液体。胃に落ちると腹からじわじわと熱が広がり、体全体がポカポカしてきた。やはりブランデーはすごい。
これは体温もかなり上がったのではないか?
あれ? 平熱より下がってる
あのサーモグラフィーを導入します
体感と実際の数値にかなりギャップがあるため、体温計で測るのはもうやめた。
ここからはテレビ番組の実験で体温の変化を表す際によく使われる「サーモグラフィー」を導入したいと思う。赤外線カメラを使って、皮膚の熱を色分けするアレである。
ただ、本物は68万円もするので(1日レンタルでも5万円)、手作りすることにした。
人間やる気になればなんだって作れる。それが例えサーモグラフィーでも
色画用紙とカッターで作るサーモグラフィー。つまりこういうことです。
僕なりのサーモグラフィー
暖色系の色画用紙を体に貼ったらサーモグラフィーになるのではないかと思ったが、聖闘士星矢のコスプレに失敗した人みたいになった。 とはいいえ、これが今僕にできる最高のサーモグラフィーである。
実験を続けます
さて、実験再開後アルコール度数の高いものから低いものまで数種類の酒や飲み物で検証してみた。そのなかで体を最も温めてくれたベスト3、逆に体を冷やしてしまうワースト3を発表しよう。
第三位は言わずと知れた大五郎
ボトルがでかいのでたくさん飲める
お腹がちょっとポカポカしてきた
●焼酎
ご存じ格安焼酎の大五郎。当サイトにも度々登場する、ライター青春の味である。アルコール分25%
【温レベル:30%】
全身を温めるまでには至らないが、腹の芯がほんのり温かい。大容量なので、たくさん飲めば神経がマヒして寒さを忘れるかもしれない。
続いて第二位はコチラ。ワイン(赤)
遭難を一時忘れパーティ気分になれるところもいい
●ワイン(赤)
ネットでは、体を温める酒として前評判の高かった赤ワイン。白より赤がいいようだ。アルコール分11%
【温レベル:45%】
焼酎に比べ、腹全体をじんわり温めてくれる。また、華やかな気分になれるので、遭難中の悲壮感を一時忘れることができる。ただ、あまり長続きはしない。
そして栄えある第一位は、なんとワンカップ大関
遭難というより、ベランダに閉め出された酔っ払いのようだ
●日本酒
清酒といえばおなじみワンカップ大関。日本のオヤジの酒というイメージだが、モンドセレクションで金賞受賞という以外な一面も。アルコール分15度以上16度未満
【温レベル:70%】
これは温かい。腹から上半身全体に熱が広がり、血が巡っていくのを感じる。ただ、眠くなってしまうので雪山においては両刃の剣といえそうだ。
日本酒を飲んだら一気に体が温まったが、同時に酔いもまわって急激に眠くなった。ここはベランダなのですぐ近くに暖かい布団があるが、雪山だったら死んでいるところだ、。遭難中は普段以上に飲みすぎに注意したい。
実験を続けます
さて、次に体を冷やしてしまうワースト3はコチラ。
第三位 ●ビール
ネット上では「体を冷やす」という声が最も多かった酒。アルコール分5%
【温レベル:-20%】
寒い。1缶全部飲んだら全身がぶるぶる震えた。早く布団に戻りたい。
第二位 ●牛乳
牛乳に含まれる動物性たんぱく質は体を温める作用があるという。
【温レベル:-30%】
これも駄目だ。いくら飲んでも体は冷たくなるばかり。さらに、お腹も痛くなってより悲惨なことになってきた。
第一位 ●コーヒー
「色が濃い飲み物は体を温める」の法則に則れば、期待が持てるコーヒーだが。
【温レベル:-40%】
駄目だ。口に含んだ瞬間に悪寒が走り、飲めば飲むほど体が冷えていく。
おまけ ●ウコンの力
二日酔い予防に欠かせないウコンの力。二次会のお共は遭難にも役立つか。
【温レベル:-10%】
ウコンはショウガの仲間なので温熱効果が期待されたが、冷え切った体にはまるで歯が立たなかった。寒い。ただ、二日酔い対策はこれで万全である。
ポストブランデーは日本酒
というわけで、ブランデー以外で体を温めるには日本酒が適していることがわかった。もし雪山に行くことがあったらワンカップ持参で臨みたいと思う。
けっきょくブランデーが最強
そのほか栄養ドリンクやマッコリなどでも検証してみたが、ほとんど効果がなく、体はどんどん冷えていった。けっきょくブランデーを上回る酒(飲み物)は見つからなかった。
やはり遭難者の体を温めるには、セントバーナードの体温とブランデーがもっとも適しているようだ。