塩が来ている
最近、飲料界では“塩入り”がブームのようだ。
コンビニなどでもよく見かける。しかもそれに思い切り惹かれている自分がいる。先日も「塩」の字に惹かれ、特に飲みたいと思ってなかったサイダーを気がついたら買っていた。
サイダーを飲む予定ではまったくなかったが、「塩」の文字に惹かれて購入。塩っぽさはあまりなく、わりと普通のサイダーだった。
今夏のマイ・フェイバリット飲料。
巧みなコピー・ライティングに釣られた。
特にお気に入りなのは「ソルティ・ライチ」。
塩＋ライチという、いかにも夏バテに効きそうな組み合わせ。味もわりとそんな感じの味がしてうまい。
これも好き。
塩使用！
「冷梅」もお気に入りのひとつ。こちらも夏バテに効果ありそうな名前。で決め手は「天日塩」の文字。甘酸っぱさの中にもほんのり塩気が感じられてうまい。
塩全盛期なお菓子界
甘いもの＋塩という流れは、お菓子界の方には一足早く来ていた。コンビニのお菓子コーナーをちょっと見ただけでも、うじゃうじゃみつかる。
塩バニラ、塩キャラメル、ソルティーナッツ…。 「塩」と書いてなければ売れないくらいの勢いがある。
飴なのか塩なのか分からないくらいだ。
一方、ポテトチップスなど元々普通に塩を使うお菓子では、よりうまそうな塩をアピールすることを競い合っている。
特別な塩っぽい名前が書いてあるとうまそうに感じる。
やってみよう
そんなある日、知り合いから
「夏はリンゴジュースに塩をひとつまみ入れて飲んでます。」
という話を聞いた。
うまそうだ。
リンゴは切ったあと塩水に付けると変色防止になるとともに、ほんのり塩味がついてうまい。そのイメージがあるため、
リンゴジュース＋塩＝うまそう
という図式が容易に思い浮かぶ。
リンゴジュースに塩…！
やってみよう。
さらに他のドリンクについてもいろいろ試してみる価値がありそうだ。
まずはソルティ・リンゴから
NHKのようなリンゴジュース登場
まるでNHKが商品名を隠すためにラベルがないが（あれ不自然だよなぁといつも思う）、こちらはかみさんの実家から送られてきた自家製リンゴジュース。元からラベルがなかった。
これに塩を入れるとどうなるか？
ほんのひとつまみ入れてみる。
どんな味になっただろうか
うむ。
まろやかでうまい。
が、それは塩を入れたからというより、元々のリンゴジュースのうまさだ。塩はどこに行った？
もうちょっと足してみる。
うーん…
塩を入れたことがわかる程度の存在感がほしい。と思ってもう少し足してみたものの、溶けてしまうとわかりにくい。
ならば…と思ってやってみたのが、
カクテルのソルティ・ドックばりにグラスのふちに塩を塗る作戦。
これでどうだ。
縁の塩を口に含みながら飲む
おおーっ。
これはうまい。
塩が粒のまま口に入り、そこにリンゴジュースが来て口の中でブレンドされる。これぞ求めていた味だ。
ソルティ・ドックは大好きな犬、じゃなくてカクテルだが、中身は別に酒じゃなくてもよかったんだ！
グラスを少しずつ回転させ、縁についてる塩を堪能しながら飲んだ。
ソルティ・コーヒーはどうだ
次に試したのはコーヒー（ホット）。
よりうまそうな岩塩を用意。
今回のテーマを編集部・安藤さんに話した時、安藤さんが「コーヒーに塩がうまいと聞いたことがある」と言っていたのでやってみた。
が、安藤さんが以前試したところでは、
「でもいまいち違いがわからなかった」
とのこと。
これは私も先ほどのリンゴジュースの経験から想像がついたので、最初からカップの縁にくっつける作戦でいくことにした。
カップの縁を水で濡らし、皿に盛った塩につける。
ソルティ・コーヒー
ゴクッ
こ、これは…
誰かに教えたくなるうまさ！
コーヒーは私はいつもブラックで飲む。
コーヒーに塩が合うという話は、ぜんざいにほんの少し塩を入れると甘みが際立つ的なものかなぁと想像していたので、砂糖をたっぷり入れたコーヒーならともかく、「ブラック＋塩」はどうなのか？と思ったが、これが予想に反してすごくうまい。
なんだろう？うまく表現できないが、「うまみ」みたいなもの、と言おうか。これはイイ。
塩ドリンク、あなどれないぞ。
他にもいろいろ試してみよう。
ソルティ・ミルク
コーヒーですっかり気をよくした私が次に試したのはミルク。
ソルティ牛乳と言った方がいいのかな？
ミルクのコク＋塩だ。
きっとおいしいだろうと思って飲んだ。
んぐ。
ソルティ・キャロット
にんじんジュースでも試した。
にんじんだけではジュースにならないので、リンゴと混ぜてある。
ぐびび
うむ。
ソルティ・ティー。略してソルティー。
ごく
うむ・・・
いろいろやってみたが、どれも悪くない。
ひょっとして、グラスの縁に塩をつけて飲むやり方は、どんな飲料でも問題なく合うのではないだろうか？という気がしてきた。
塩をちょっと舐める。
すると口の中が飲み物を欲する。
飲む。
というサイクルが、ひとつのコップの中で実現している。つまり中の飲み物はなんでもいい？
いやでも、口の中で混ざる点では初めから溶かしているのと同じような気もするし…。
と、ここでひとつ実験をしてみた。
生理食塩水の濃さは？
飲み物に対する塩のサジ加減を覚えるには、何％の食塩水がどんな味かを知っておくのが近道ではないか？
と思い、いろんな濃度のソルティ水を飲んでみることにした。
海水の塩分濃度は約4％で、これが濃すぎて飲めないのは皆知ってるところだ。浸透圧の関係で、海水を飲んでも体内に水分が吸収されないどころか逆に出て行ってしまう。
ということでまずはギリギリ水分補給になる濃度である生理食塩水を飲んでみたい。
右のコップが約100ccの水。これに1gの塩を入れたものが生理食塩水の濃度に近い。
生理食塩水は調べてみたところ、0.9％のの塩化ナトリウム水溶液とのことなので、100gの水に1gの塩を入れれば近いものができるだろう。
こんなもん。そんなに多い量ではないという印象。
で、味の方はというと・・・
うえ～
ま～ずい。
それほどしょっぱくはないものの、ぼんやりした、どっちつかずな、なんともいやな味がする。
さらに1g足してみる。
もう少し塩を足すと味がハッキリするのかな？とさらに1g足してみた。
おいしくなったかな・・・？
オエーッ。。
口がまず「オ」の形になり、次に「エ」の形に。おいしくなるどころか、絶対飲めない味になった。
どうしてこれまであんなにうまい方向性ばかりに進んでいた塩が、「水＋塩」になった途端、こうも激マズになるのか？
このマズさはちょっと特筆すべきだと思った。
ソルティ・生茶スパークリング
というわけで、塩を溶かして入れるのはすっかり意欲を無くしてしまったので、グラスの縁に塩を盛るスタイルをあと2点だけ試そうと思う。
ザ・変な飲みのも「生茶スパークリング」。
こちらはWEBマスター・林さんが「最近こればかり飲んでる」と推していた生茶スパークリング。
今回初の炭酸飲料。
ごく
ぷは～。
初めて飲んだが言われてるほどマズくない。むしろ、さわやかな喉ごしで塩水を飲んだ後の口直しには最高だった。やはり塩は縁に塗るのが無難だと再認識。
ジョアッ！（ウルトラセブンの声で）
アルプスって感じ。
お腹に届け、カゼイシロタ菌
今年のマイ夏バテ対策のテーマは
「お腹を大事に」。
よく熱中症対策として、「こまめに水分補給」と言われるが、私の場合水分の補給し過ぎでお腹を壊してバテるのが常なので、今年はお腹を守ることに重点を置いている。
皆さんはどうですか？
まとめ
・コップの縁に塩を塗ってうまいのはカクテルだけじゃない。
・意外にもコーヒーが一番よかった。
・お酒はどうせうまいに決まってると思って今回やらなかった。ま、どうせうまいに決まってるだろう。
・塩水はまずい。
それと私の写真が妙に逆光で不気味なのは、飲み物を撮る時に順光になるよう窓に背を向けて座っているからです。不気味ですみません。
2011年8月12日
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