不二家レストランのクリームソーダのチェリー
そんなにおいしいのか…ということでチェリー入りのクリームソーダを食べに、二駅離れた不二家レストランまでやってきた。
改めて見るとずいぶんかわいい食べ物だよな
事前に「チェリー入りのクリームソーダを出してくれる店」をネットで探したのだが、意外に難航した。今どきのクリームソーダにはチェリーはあまり入っていないようだ。ネットでメニュー写真を見れて、確認できたのは不二家くらいだった。
枝で持ち上げるとチェリーがこちらにむかってあいさつしたような気がした。コンニチワー
入れていないお店も多い、クリームソーダのチェリー。実際にまじまじと見ると存在感はきわだっている。
これは良い物かもしれない…と思って食べてみたのだが。
口の中で考え込み中
あれ?見た目に反して、味は全然主張しない。シロップでぐにゃぐにゃになった物が、口内でだらしなく崩れていった。べつにまずいわけじゃないんだが、この見た目とのギャップがすごい。
高級なサクランボを使います
もうちょっとチェリーを深追いしてみようと思う。さっきの不二家のはなんだかよくわからなかったが、ものすごい高級なサクランボを使えば、その特徴もはっきりとわかるんじゃないかと思う。
高級なのならわかりやすいはず
そういうわけで、良いサクランボを買いに向かったのは新宿の千疋屋。初めて訪れたのだが、ここはすごい。果物が宝石みたいな陳列のされ方をしている。それを受けて、果物たちもピカピカと光り輝いているように見えた。
瓶詰めオレンジジュース1リットルが2650円で売っているような店で
さくらんぼは1575円(少なっ!)
持ち帰るときの奇妙な重量感
念入りに包まれておる
さて、始めましょうか
散らかった部屋ですいませんね
佐藤錦でクリームソーダ
クリームソーダの材料「メロンソーダ」の作り方を調べたらおもしろいことが書いてあった。
なんでも「かき氷のメロンシロップ」を炭酸水で割って作るらしい。なるほど、それであんなにあざやかな緑になるわけか。
「メロンソーダ」を探すのは意外と大変なんじゃないか…と危惧していたので、納得と同時にホッとする。
アイスはスーパーカップのバニラを使った。
そして作った「佐藤錦クリームソーダ」
すごい。パッと見でもチェリー部分だけが光り輝いているのがわかる。
そもそも僕はこんな高級なサクランボを食べるのは始めてなのだ。実際食べて、どんな風になるのか全然想像付かない。
アップならなお一層良くわかると思う
実際食べ出してみたら
チェリーがグラスの底に行ってしまったので
周りを全部食べてから
チェリーを最後に食べた…
なんだこれ!うめえ!
高級なさくらんぼを買ってきて食べているだけなのだから、うまいのはあたりまえ。頭では理解しつつもものすごい衝撃があった。フワっと背筋から体全体が軽くなるような。
チープな味のメロンソーダに口がちょうど慣れたすぐ後に、佐藤錦を食べたのが原因かもしれない。だとしたらこれは、「クリームソーダ」という構造の勝利だ。
それにしてもクリームソーダの中でチェリーが強烈にうまいというのは、なんだかおかしい。イラストにするとこんな感じか。
世界(チェリー)というのはこういう風に動物(メロンソーダやアイスや氷)に支えられているものだと思っていたのだが
本当はこうだったのだ!
佐藤錦のシロップ煮
クリームソーダに千疋屋の佐藤錦をのせるのは大成功だった。しかし、ふつうクリームソーダにのっているのは「シロップ煮のサクランボ」だ。それに倣い、思い切って佐藤錦をシロップで煮てみる。
ふつうはでかいホーロー鍋いっぱいに作り、滅菌した瓶に保存して少しずつ食べるような物らしいのだが
シロップのプールでゆったりバカンスしている佐藤錦たち
これをクリームソーダに乗せる。ちなみに、今回はアイス部分に「ハーゲンダッツ」を使用する事にした。ストローも良いやつに替える。
出来た…
バージョンアップさせた今回のクリームソーダはどうか。ソーダとアイス部分をひとしきり味わった後で、おもむろにシロップ煮を食べてみる。
あー!もったいないことした!
いや、シロップ煮自体は失敗していない。この佐藤錦のシロップ煮、冒頭で不二家で食べたやつよりも、ずっとずっと美味しい。香りがぜんぜん違う。
ただ、さっきの生と比べてしまうと、かなり残念である。「余計なことをした…」という自責の念にかられる一方で、「残り全部を煮なくて良かったね!」と大胆に踏み切れなかった自分に、救われたような気持ちにもなった。
あと4粒残ってる生のやつ、大事にゆっくり食べよう
結論
ひとまず「クリームソーダに入っているサクランボは良い物だ」という結論に達することができそうだ。今後、クリームソーダに入っている「ふつうのサクランボシロップ煮」を食べるごとに、今日の美味しかった「生の佐藤錦いりクリームソーダ」の悦びが蘇るだろう。
ちなみに、佐藤錦が浸っていたシロップを麦茶に入れて飲んだら、なかなかおいしかった。気のせいかもしれないが、微かにサクランボの香りがシロップに移っているように思える。