朝エッセイ 2026年5月4日

私は料理を失敗しない

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料理が好きだ。
ひとりで夕食を食べるときはスーパーで買ってきた野菜を適当に炒めて食べている。
それがものすごくおいしい。
「自分で作ったから美味しく感じているのだ」と分かっていても、本当にうまい。「これは夢だ」と気づいているときの夢、明晰夢のようだ。

私が作る料理は見た目が悪い。
炒め物なのにべちゃべちゃしているし、できあがりの量を予想できないので皿に乗り切らない。
そもそも炒めものなのに時間がかかる。10分ぐらい炒めている。
炒め始めると全然火が通らずに「これ、できるのかな?」と思う。でも放置しておくとだんだんしんなりしてきて食べられそうな雰囲気になる。白だしと塩胡椒をかけて味見をするとものすごくおいしい。その美味しさに「やば」と毎回言う。
いつ火を止めて良いのかわからなくなって、いいやもうこれで、と思って火を止める。

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料理の名前はないので「林炒め」と呼んでいる。
林炒めを作るうちに気づいたのは、スーパーで買ってきたものを適当に炒めれば料理になる、ということだ。それまで私は料理はレシピを見て作るものだと思っていた。
「チンジャオロース」とか「ビーフストロガノフ」のような目的を持たずになんとなく始めてもおいしい。ゴールがあるから失敗とか成功という話になるのだ。

小田急OXで買ってきたものを炒めることに成功も失敗もない。白だしかオイスターソースをかければぜんぶうまい。料理ってこんなに自由で楽しいものだったんですね。

食べたいものを火を通して食べる。SNSにアップしていいねを乞わない。
そうか、ジョギングも普段着のままアップル・ウオッチをつけずに走ればいいし、自転車に乗りながらうろ覚えの歌をうたえばいい。いま私はとても自由な気分です。
書きながら気づいたが林炒めってチャンプルーですね。

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