
今着ているロンT、つまり長袖Tシャツはもうボロボロである。気に入って買ったものなのだが、乾燥機にかけたら残念なことにかなり縮んでしまい、以来、部屋着になっている。
風呂上がりにそれを着て、そのまま寝て、洗濯して乾かしてまた着る。かなりの頻度で着ているものだから、いつの間にか首回りや袖に穴が開いて、それが徐々に広がっていく。「服ってこんな風にボロボロになっていくのか」と勉強になる。製品の耐久テストを身をもってやっているみたいな感じだ。プリントはぼんやりかすれている。
ここ数年にわたって私が一番着ている服はそれで、その次によく着ているのが、通販で買ったけどサイズが思ったより大きかった無地のグレーのロンTである。私はTシャツが好きなので、とにかくことあるごとに買ってしまうのだが、本当に大事なTシャツは大事過ぎてあまり着ることができない。
たとえば自分が好きなバンドの、行けなかったツアーのオリジナルTシャツがどうしても欲しくて、メルカリで高値がついているのに酔った勢いで買ってしまう。せっかく無理して買ったTシャツなのだから、もちろん着た方がいい。しかし、汚れたら落ち込むから簡単には着れない。私はTシャツと同じくラーメンも好きなのだが、外出先でラーメンを食べる可能性が少しでもあったらその大事なTシャツを着るのをあきらめてしまう。
がっつりと酒を飲む可能性がある日も大事なTシャツは着ない。もし自分が派手に飲みまくってすっかり泥酔して、帰りの公園で寝転がりたくなったり、その時一緒にいた誰かと相撲を取りたくなったりしたら、Tシャツが汚れる可能性がある。そう思うと着ていけないのだ。
だから結局、外に出る時はあまり大事ではないTシャツを着ていくことになる。そして家に帰ってきて、ボロボロのロンTに着替える。私にとって本当に一番大事なTシャツは、あまり大事じゃないTシャツなのかもしれないと、穴の開いた袖を見て思う。




