
7月18日に「デイリーポータルZ式 自由研究ENJOY BOOK」が発売されます。
子ども向けの自由研究の解説書のつもりが、デイリーポータルZの魂が入り込んだ本になっていました。関わったふたりが本のおかしなところを紹介します。
どこからどう見ても我田引水な対談です。
子どもに向かって「知らないことを知れ」
林:
熱い本ですよね。1日でできる自由研究はこれ!とかじゃなくて、マインドから始まる。
冒頭で見慣れた教室に吹き出しが並ぶシーンがあるじゃないですか。

林:
右下のZさんが「ほら、知らないことばかりだろう?」って。
無知であることを知れっていう。無知の知から始まる本。
井上:
毎日見てたのに、疑問に気づいてなかったという。
自由研究のネタがないって思いがちだけど、実は調べることとかはいっぱいあるんだよっていう発信なんですよね。
林:
基本姿勢ですよね。ふだんのデイリーの考えがきれいに可視化されていて興奮しました。
井上:
三土さんの「目に映る景色のものの名前を知りたい」のように見えてるところに知らないことがいっぱいある。
林:
こういう疑問に思うメガネを手に入れれば一生困らないですよね。
井上:
人生楽しいと思いますよ。
林:
お金持ちになる羽根じゃなくて人生が楽しくなるメガネです。
井上:
自分でもよくできたと思うのがレシピチャート、これですね。

林:
電車ひとつでここまでできるんだ。しかもどれもフラットでマニアックな展開ががない。
井上:
いわゆる鉄道マニアっぽいところもあるはあるんですけど、もっとデイリーの記事を遡って、要素をいろいろ出しました。例えば、右下のヘンテコにするとか。
林:
こういう掛け算で考えるとか、そういう基本的な姿勢は一生ものじゃないですか。
井上:
そうなんですよね。小学生向けですけど企画職とかでもいいぐらい。
林:
本にはこのチャートの未記入のものがあるから、これに書くのいいですね。中心は「すあま」にしようかな。すあまを集める、すあまの重さを量る。
井上:
すあまをデコっても。
林:
ケーキの材料の銀のつぶつぶとかあるじゃないですか。あれで。
井上:
縁にならべて。
林:
やりたい。「す」「あ」「ま」って書きたい。

工作がうまくいかないときはそれをネタにしろ
林:
66ページのチョキリン師匠ですよ。これはべつやくさんですかね。
井上:
べつやくさんですね。
注)この本ではデイリーポータルZのライターがそのノウハウを披露しています。ヒアリングしたライターがモデルとなっているキャラクターが登場して説明してくれます。
林:
クリハラさんにはこう見えてるんだろうか
井上:
インタビューにはクリハラさんも同席していましたが
林:
そうですよね。クリハラさんはあのとき真顔で聞いていましたが、その結果がキシャー

井上:
チョキリン師匠の工作の74ページ、75ページなんですけど

井上:
こういう工作の本で、「くっつきません」と「塗れません」ってあんまりないんじゃないのかなと。
糊でくっつかない、に至っては最終的に針金でくくろうって書いてますからね。
林:
これは石川さんですね。彼はすぐに針金で固定する。
井上:
水彩絵の具は紙以外は塗れないよって教えてくれなかったじゃないですか。
林:
そうそう、たいていの工作本って本の通りやったのに全然できなくて泣きたくなるんですよね。
井上:
だから紙を貼ろうとかですね。確かにデイリーでもたまに見ます。
林:
このへんは長年、培ったものが入ってますね。
井上:
「見た目を気にするのは後から!」。とりあえず完成させるんだっていう「雑に作る」マインド。
林:
まずは完成させる。締め切りに間に合わせろ。
井上:
次のページのQAに「間に合わないかもしれないです。」はよくあると思うんですけど、そのあとに「本当に間に合わないかもしれないです。」もあります。ギャグで2つ入れました。
本当に間に合わないときは「失敗から学んだことを自由研究にしよう」。

林:
「本当はここが足りなくて……」とか言わなくていい。言わなきゃ誰にもわからない。
井上:
完成って言えばそれが完成品だ。
林:
ここはデイリーポータルZの魂が入ってますね。
井上:
これはほかの自由研究本にはないところですね。間に合わないことを前提に書いてるところがある。
林:
思っていたよりしょぼいものができそう……とか。
井上:
その解決策が「目玉をつけよう」
林:
ばかなアドバイスだな~。

「いかかでしょうか」って書かないこと
林:
99ページのイラスト面白いですね。
「やってみてはいかがでしょうか」ってクリシェを書くなという話ですが。

井上:
目がキラキラしているのに「やめとけ」
林:
LINEのスタンプにしたい。
自由研究のヒントで2mのドミノ倒しが入ってる
井上:
最後に自由研究のヒントとして記事が51個選んでありますが、いきなり2番目に拾い食いが来るっていう。
林:
いきなりすごいの入ってるなと思いました。
井上:
最後の4つが、大変さマックスのやつ。

林:
確かに2メートルのドミノを倒すのとかむちゃくちゃですね。
井上:
月餅さんがひたすら折り鶴折ってるやつとか。
林:
あ、これはできる気がします。手を動かせば終わるから。
井上:
できる気がするし。宇宙飛行士について調べようみたいなのをくっつけられるんで、自由研究っぽくなると。
自由と言われて困らない
林:
ほかの自由研究の本やサイトと比べると独自色がありますね。
井上:
自由な研究、なんでもいいよって言われると困っちゃう。自由にやっていいですって言われて「やったー!」って言う人って一握りな気もするんですよね。
林:
それはそうだと思います。自由なうえに「研究」って急に言われても
井上:
そこを解きほぐすところからだなとちょっと思いました。
林:
うまくいかなかったら目玉をつければいいわけだし

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