さて、銀座の夜はふけて。
友人と待ち合わせて、某フランス料理店に向かう。このフランス料理店は、なんと、フォアグラの串があり、ぶどうの木で串をいぶしているというのだ。豪華だ。
しかし、なぜフランス料理が串でなきゃいけないのか? ナゾに思って、潜入取材をこころみたのである。
狭い店内。20人も入ればいっぱいだ。突き出しは種のちゃんと入った、オリーブのつけもの。
メニューをみる。おお、フォアグラ串がある。980円也。他にもウンチクの書いてある地鶏や豚肉など、いかにもおいしそうなものばかり。
価格は、フランス料理店としては安い。ワインを1本頼んで、しばし待つ。
ふと目の前をみると、上品そうなガラスのコップがあった。そのコップに「串入れ」とシールが貼ってあった。コップが串入れ。さすが銀座のフランス料理店、というかんじだ。
遭遇、フォアグラ串
肉などが次々出てきて(当然美味しかった)、ついにフォアグラ様が登場した。ううむ、フォアグラ、鴨の肝臓。やたらとでかい切り身だった。こんなにいっぱい、いっぺんに食べたことはない。
かじってみる。ちょっと生焼けで、むわあっとトリの匂いがする。
………おいしい。おいしいことはおいしい。おいしいけどもさ。
これが串である意味はなんなんだろう、と考える。炭火で焼くために必要なのかもしれないが、串としての使命としては、川口オートのほうが、断然正しい気がした。
わりきれない気持ちのまま、ワインをしこたまのんだら、悪酔いしてしまった。そして、同行してくれた友人にからんでしまった。すいません。
しかも食べ慣れない高級なものを食べたせいか、帰ったらおなかこわしました。
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