デイリーポータルZロゴ
このサイトについて

特集


ちしきの金曜日
 
人はファービーを好きになれるか

●より信頼性のある結果を求めて

 もう一度改めて書いておこう。私はファービーが好きだ。言葉にするとはずかしいけれども、自分に嘘はつけない。

 ただ、今回のこの記事、『人はファービーを好きになれるか』と題してお送りしているが、これでそれを実証したことになるだろうか。私ひとりではサンプルが少なすぎる。

 ここは他の人についても調べて、その精度を高めたい。ちょうど義母が家に来ることになっていたのだ。


よし、行ってこい

 「あの、ちょって見ていただきたいものがあるのですが…」と、緊張しながらファービーを差し出す。今でこそファービーをかわいいと思っている私だが、最初はもっとネガティブだった。そのことを思うと、怪訝な顔をされる覚悟はしておかなければならない。


「あら、これ……ファービーじゃない」

 ファービーを見せると、予想に反して笑顔の義母。私が言わずとも、それがファービーであることをわかってくれた。よし、順調な滑り出し。しかもいきなり「なかなかカワイイじゃない」とまで言ってくれている。

 そ、そうか、いきなりかわいいって思える人もいるんだ。

 「人はファービーを好きになれるか」という問いには、「もともと好きな人もいる」という答えもあったのだ。


「ファービー!ファービー!」

 がぶり寄るくらいの勢いでファービーに話しかける義母。コミュニケーションのルールを教えて、実際にいくつか試してもらう。


「ファービー!」
「なーに?」
「大好きー!」
「ボク、きみのこと、大好き!」

 元気よく返答してくれたファービー。義母にファービーから大好きと言われたことについて感想を聞いてみると、


「大好きねえ…」

 考えこんでしまった。「いや、あまり深く考えないでも…」と言葉をついだものの、あごに手を当てたままの義母。それ以上の言葉は出てこない。なにか不用意なことを聞いてしまっただろうか。

 沈滞ムードを吹き払うため、「お義母さん、ファービーって、占いもしてくれますよ!」と次なるコミュニケーションを促す。「えっ!そんなこともできるの!?」と乗り気な反応でよかった。

 占いの結果は「いっぱい寝るといいことあるよ」。うん、そうだよね。

 人はファービーを好きになれるし、好きになろうとするまでもなく始めから好きという人もいる。今回の試みからそういうことが言えると思う。

 

●こころの種あかし

 人はファービーを好きになれるのかというテーマについて実証してきた今回の記事。その結果がどうだったかは、ここまででもう伝えることができていると思う。


家に溶け込むファービー

 時間を追って「いかがなものか→ちょっとおもしろいかも→ファービーってかわいい」と変化する気持ちを書いてきたのだが、原稿を書き始めた時点での気持ちはすでに最終段階のものだったのだ。

 つまり、記事の前半で「どうかと思う」というようなことを書いてきた写真も、ほんとは全部「かわいいなあ」と思っていたのだ


「ボク、島に住んでるの」(いや、千葉だから)


 自分をあざむきながら書くのがつらかった。ほんとは好きなのに、好きでなかった頃に取ったメモを見ながらネガティブなことを書くのがつらかったのだ。こんな気持ちになるなんて…

 この記事のタイトルを今から『ファービーと僕のドキドキダイアリー』に変えたっていいと思ってる。

 私もそうであったように、世の中にはファービーに対して肯定的な思いを持っていない人も多くいるだろう。そんな人たちの気持ちに、せめてもの一石を投じることができたなら幸いに思う。

─ おわり ─



 

▲トップに戻る 特集記事いちらんへ
 
 



個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.