柔らかくなりません
再び茹での作業を再開することにした。お米だって炊き上がるには時間がかかる。とんぶりにも同じことが言えるのかもしれない。
茹でながら、たまに箸でつまんで硬さをチェックするのだが、いつまで経っても実は硬いままだ。大丈夫なのか。
20分、30分と時間が経過するとともに、お湯もぐんぐんと減り始め、色も煮詰まったように茶色くなってきた。
お湯を足して、さらに茹で続ける。不安だ。これ、本当にとんぶりになるんだろうか。
作り方が分からないという点で、今の私は江戸時代の「なんとか食べられないか」と思案した人たちと条件は一緒なはずだ。同じ土俵に立っていると言っても過言ではない。
しかも今は電子レンジがある。さすがに江戸時代に電子レンジはないだろう。文明の利器を使える点では、先人達より条件には恵まれている。
…そう思って電子レンジでチンしてみたものの、一向に柔らかくなる気配がない。
再び鍋に戻して茹でる。もう1時間以上茹でている。早くもカセットコンロのガスが無くなりそうだ。おかしい。こんなに時間がかかるものなのか?
この不安を超えたところに、とんぶりはあるのか? |