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特集


土曜ワイド工場
 
島にはいくらで住めるのか

 

ひたすら自転車をこぐ

時間を持て余した私は、自転車をこいで
ひたすら島内を走った。


海きれい

南国ムード全開

海がきれいだ。最高に景色がいい。
日本っぽくない植物も生えている。


アラ、いらっしゃい!

看板のセリフもなんだか気さくな感じだ。
やっぱり島いいよ。




島のダークサイド

一方、島の裏側へと回ると暗い部分も見えてくる。
たくさんの廃屋が現れるのだ。


廃屋が立ち並ぶ

崩れたドア
魚屋の跡だろうか

でも売家の看板は見当たらず

寂しげな笛の音とか聞こえてきそうだ

島の歴史

なぜこんなに廃屋が多いのか?
それは、この島が炭鉱で栄えた町だからだ。
最盛期は活気にあふれた島だったという。
それが1986年(昭和61年)に炭鉱を閉山。
以降、人々は仕事を求めて次々と島を出て行き、
町の経済は崩壊の危機にさらされることとなった。

このままだと無人島になってしまう、ということで1991年(平成3年)から、水産と観光を産業の柱とすることになった。たくさんあった三菱の関連施設も撤去された。

先に訪れた伊王島もまったく同じだ。こちらは1972年(昭和47年)に閉山。山田洋二監督の「家族」という映画はまさにこれを題材にしている。


自転車で走ってます

風力発電


巨大な風力発電の風車も見えた。これひとつで島内の電力はすべてカバーしている。だもんで風がない時は電気がつかない。あ、ウソですウソです。

暇だったので風車の根元にも行ってみた。
ブゥゥン、ブゥゥン
すごい音で回っていた。

2周目はやめて、ビール

島を一周したが、まだ船が来るまでには時間がある。
2周目に突入する気力はなかったので、島に唯一ある温泉施設でビールを飲んだ。(風呂には入らず)


ビールうめ〜

島には店がほとんどない。
コンビニもスーパーもないし、ちゃんぽん屋は昼休み。市場も閉まっていた。ので、実はけっこう探して、ようやくメシが食えるところ(温泉施設)に辿り着けた。

期せずして、ここでいろいろと話を聞くことができた。
「空き家がずいぶんたくさんあったんですが、どこかの不動産屋が管理とかしてないんですか?」
誰も買いたいという人がいないから、みんな放置してますよね。
「じゃ、あれを買おうと思ったらどうしたらいんでしょう?」
近所の人に聞いて持ち主と直接交渉ですかねぇ…。
なるほどぉ。。
案外、交渉してみたら安く売ってくれるかもしれない。


人口が減少傾向にある島では、住むのも意外と難しいということがわかった。文化も違う。不動産屋に問い合わせるなんてやり方は通用しない。持ち主と直接交渉。
現代社会に慣れきっていて、こういう原始的な方法をすっかり忘れていた。が、話をしてみたら案外安く譲ってくれるかもしれない。

もしかすると、こういうところにこそビジネスチャンスが眠ってるのかも、とか思った。

今回見てきたのは長崎の伊王島・高島だが、他の島ではまた事情が違うと思うのであくまでも参考程度に。


一日散策した島を後にする


 

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