牡蠣の口、オープン
火が通ると、牡蠣の口がカパッと開く。
この口が開く時気をつけないと、 バンッ!! という爆発音と共に熱々のカキ汁が飛んでくることがあるので要注意。私は顔にモロにくらって 「ヒャホウッ!!」 と情け無い声を上げてしまった。 (あらかじめ、開き口を誰もいない方向に向けておくとよい。)
かと思えば、いくら熱を加えてもいっこうに口をあけないやつもあり、そういうやつにはナイフを差し込んでこじ開ける。
店のお姉さんはこれを、すばやい手つきでいとも簡単に開けてしまう。 私が以前自宅でやった時は、こんな簡単・スピーディにはとてもじゃないができなかった。すごい。 (が、高速過ぎて参考にすることができない。)
最初の一口目、一瞬ノロのことが脳裏をかすめたが…。
天然の海水による塩味が絶妙に効いててうまい。 うまくて顔が自動的に笑ってしまう。
味付けは何もしないで天然の海の塩味だけで充分うまいが、レモン汁をかけたり、お酒をかけたり、ポン酢を少したらして食べるのもまたうまい。 (酒は、たぶんうまいだろうなと思いつつも、車で来ていた為今回は断念。)
気がつけば、ノロのことなんぞすっかり忘れてバグバグ食べていた。
洗練されたシステム
このカキ小屋、実は非常によく練られたユーザビリティを持つシステムだということに気付き始めた。
私は昔、殻付きのカキを買って家で石油ストーブで焼いて食べたことがあるが、猛烈に食べにくい上に、家中が磯臭くなってしまい、 「もう二度と買ってこないで。」 とかみさんに言われた。
ところが、このカキ小屋の場合、 ・匂いは外に出て行き、こもらない ・汁が飛び散ったり下に垂れたりを気にしなくていい ・殻は足元のバケツに放り込むので邪魔にならない と、家ではあれほど食べづらかったものが、実に快適に食べられる。さすがはカキを食う為の専用の小屋、カキ小屋だ。
焼き風景。家でこの写真を見たかみさんは、 「工事現場みたい。」 とつぶやいた。
た、たしかに…。
いや、たしかに現場っぽいけど、このアウトドア感がいいのだ。飛び散る汁。巻き起こる煙。灰だって少しは口に入る。このワイルド感はそう、キャンプの醍醐味だ。
原始人のように、食べることに素朴に喜ぶ自分がいた。