やっぱり河原だろう
トランペットの練習と言えば河原。アコースティックギターの練習が屋根の上というのと同じぐらいこれは外せないだろう。そんな思いこみだけで多摩川へやってきた。技術なき者として、形から入ることは重要なのだ。
ただ、この日は祝日だったこともあって家族連れやカップルが多く、夕日を背に孤独に練習する雰囲気は味わえなかった。つべこべ言わずに練習します。
まずはマウスピースだけで音が出るか試してみる。唇を軽く閉じてマウスピースに押しつけ、唇を振動させながら息を吹き込むべし。
「ぶひっ、ぶびっ、びっ、びべっ、びーーー!」
ぶちぶち息がもれてなかなかきれいな音が出ないのだが、最初に作った信号笛よりは簡単に音が出た。
満を持して筒を繋げる。ファンファーレトランペット、果たしてどんな音が。
このトランペット、唇の締め方で音階を変化させることも可能なのだ。マウスピースで練習した息づかいをそのままに、吹いてみる。
「びー、びー、びひぃー、びひー、びへー、びひー、びほー(かーえーるーのーうーたーがー)」
うーん。音階もなんとか表現できるのだが、やはりどうしてもきれいな音が出ない。
「パッパッパー、パーラッ、パーァッ」
そんなとき、いかにもトランペットトランペットしたあのムーディーな音が聞こえてきた。
おお、これが本物のトランペットの音か。かなり熟練の方と見えて、よどみなくきれいな音を出している。
よっぽど指導をお願いしたかったのだが、何せ私のトランペットは長い。武器かというルックスをどう説明していいか言葉が見つからず、勇気を持って声をかけられなかった。
紙であること以上にその長さが足かせになっている。
結局そのまま独学で吹き続けたが、どうしても濁りのない音をキープしながらメロディを出すことは難しかった。
映画では、苦労なくバリバリ楽器が上手になっていくのがまた面白かったのだが、出演者の皆さんの楽器習得の苦労はなみなみならないものだったそうだ。1日でメロディをという方が無理なのかもしれない。
そんなわけで、メロディを吹くのはあきらめ、少しでもクリアな音を出し続けてみようと練習しました。
成果はこちら。なお、タイトルは「汽笛」となっております。
紙の楽器を持ってして、最後はすっかり普通に楽器の難しさに直面した。とにかく息を吹き続けたので酸素不足で頭はクラクラするし、本当にトランペットを練習している人気分満喫。紙、大健闘だ。
今回は映画「スウィングガールズ」に触発されてのことだったが、私はまだ同じ矢口史靖監督の「ウォーターボーイズ」を見ていない。ガールズの方があんまり良かったので一刻も早く観ようと思ってます。来週の特集がシンクロになっていたら、ああ、そうゆうことかと思って下さい。
多摩川で記念に映画のポスターのマネをして写真を撮ってみました。セルフタイマーにつき少々中心がずれておりますが、このノリノリ感が伝われば幸いです。