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特集


ロマンの木曜日
傷心のサイパン旅行

マニャガハ島のビーチ

恋人たちの砂浜

作戦決行中

ゾンビの様に続々と海から上がってくるカップルたち

マニャガハ島にロマンスの神様が……

ホテルのビーチからボートで15分、マニャガハ島という島がある。周囲わずか1.5kmという小さな無人島で、そこへ遊びに行くツアーもある。

ここ2、3日、サイパン島に訪れている人々を観察していて気付いた。
家族連れも目立つが、女性だけのグループも結構いる。
ここは1つ、前田君のために恋のキューピッドになろうじゃないか。

マニャガハ島にロマンスの神様を呼び寄せる。強いモチベーションを持ってビーチに立った。


海に浮かんで遊んでいる女性だけのグループを探すと、すぐに黄色い浮き輪と赤い浮き輪を発見。
よし、あの2人組だ。

しかし、僕も前田君も気軽に知らない女性に声をかけられるタイプではない。何とか自然に近づく方法が必要だ。

僕は秘策を考えた。

その作戦はこうだ。
ターゲットの2人組に向かい、前田君は背を向けて立つ。僕は前田君と向き合う様にして浮き輪で浮かび、前田君をターゲット方向にゆっくりと追いやっていく。そうすると徐々に僕たちとターゲットの距離が縮まり、最後には前田君とターゲットがぶつかる。
そこですかさず謝り誠実さをアピール。そして巧みなトークで意気投合。

ロマンスの神様が微笑む瞬間は、近い。


前田君はターゲットに背を向けて中腰の姿勢で立つ。
「よし、じゃあ、徐々に追い込むから」
小声で作戦開始を告げる。

ターゲットの様子を伺いながら、前田君を押す。
ボヨーン、ボヨーン。海の中で跳ねる様にして後ろ歩きでターゲットに近づく前田君。
「よし、もう、ちょい」
ボヨーン、ボヨーン。
「あっ!」

まさにぶつかる、その瞬間にターゲットの1人と目が合ってしまった。
殺気を感じた2人は、逃げる様にして浜辺に向かって泳いでいく。

「ああ……」

諦めるのはまだ早い。次がある。


ボヨーン、ボヨーン。ボヨーン、ボヨーン。
マニャガハ島の海岸で、僕たちは小1時間作戦を決行した。

結局、1回もうまくいかず、その晩僕たちはひどい日焼けで苦しめられる事になる。



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