3泊4日、駆け抜けるようにして、サイパン島の旅は終わった。 旅の間、僕たちの話題はほとんどが仕事の話に集中した。
「結局は、今の僕は仕事が恋人なんですよ」 最後の晩に前田君はそう言った。 ロマンスの神様を呼べなかった僕に対する当てつけではなく、本心でそう思っているようだった。
東京に戻ったら、愛しい仕事たちが待っている。
成田に向かう飛行機の中、僕たちはそれぞれの思いを胸に、畳み掛ける様なサービスから逃れる様にしてひたすら眠った。