荻原君のお母さんとお姉さんはとても気さくに僕を迎えてくれた。
さっきまでの不安が吹き飛び自然と会話が弾む。
お母さん「貴明は昔から要領のいい所がありまして、面倒な事を避けてしまうんです。会社ではちゃんと頑張っていますかねえ」
いきなり本題に入る。彼が頑張っている事を伝えなくては。
住「いやあ、それはもう。僕たちの仕事は面倒臭い事だらけでして、彼はそれでも物凄く仕事してます」
お母さん「そうですかあ、どういう仕事だかも全く分らなくて」
住「……」
仕事内容の説明で少しつまる。
お母さん「受験勉強の時もそうだったんですよ。『お母さんに言っても分らないから』って何をやっているのか言ってくれないんです」
住「彼は結果で示すタイプですから、仕事でも。それに、要領の良さは大切ですよ」
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