次に2作目“ん”について

スミ「代々木上原であの電車に乗り換えて会社に行ってんだよ」

感慨深く千代田線直通の綾瀬行きを眺める。
毎日乗っている電車も視点を変えると新鮮に見える。

スミ「オムニバスの2作目、“ん”だけど、これは又“LIFE”とはガラッと雰囲気が変わる」
タナベ「うん。“LIFE”とは逆に、この作品は翻訳出来ない日本語の面白さを追求した」
スミ「主役の近藤公園さん（大人計画）の演技も素晴らしいね」
タナベ「そう。今回の作品で……」

スミ「あっ、下北！！」
タナベ「あっ、本当だ」

スミ「確か、成人式の日に下北の居酒屋で集まったよね」
タナベ「うん。俺とスミ合わせて全部で4人」
スミ「それぞれ住んでいる地域が違うから、各地域の成人式には出ずに」
タナベ「一応、みんなスーツ着て下北の居酒屋に集合した」
スミ「あの日は飲み潰れた記憶がある」
タナベ「成人式はスミの誕生日でもあるから、スパークした」
スミ「でも、あの日はみんなスパークしてた」
タナベ「うん。気付いたらスミの家で朝を迎えていた様な」
スミ「当時、俺はまだ実家だったから4畳半の狭い部屋で新成人4人が潰れてた」
タナベ「今考えると下北からだったら俺の家の方が近いのに……」
スミ「なんで俺の家に来たんだろ？」
タナベ「やっぱりスミが一番潰れてたのでは？」
スミ「そうかも」