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特集


ロマンの木曜日
一番前からコンニチハ
新作について語る田辺誠一監督

僕の20年来の友人、俳優の田辺誠一が4年ぶりとなる新作映画を完成させた。監督しては2作品目にあたる「ライフ・イズ・ジャーニー」。4編の短編からなるオムニバスで6月21日、渋谷のシネクイントにてレイトロード−ショーされる。
公開間近の新作について田辺監督から話を聞いた。(ブロードバンド対応コンテンツ)
(text by 住正徳

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ホームを一番端へと急ぐ

一番前

そろそろ?

15時30分。発車

●一番前は凄い

田辺君と僕の付き合いは長く、かれこれ20年近くになる。
あっという間の20年だった気がする。
「って事はこれから20年もあっという間かな」
「20年後は53才かあ」
そんな会話が最近多くなって来ている。


今回は友人・田辺誠一というよりも、映画監督・田辺誠一から新作映画の話を聞いていく。「ライフ・イズ・ジャーニー」というタイトルにちなみ、少しでも旅の気分を味わえる場所で話が聞きたい。そう思い立ちロマンスカーの一番前を予約した。
ロマンスカーは運転席が2階にあり、一番前に座るとまるで自分が運転しているかのような気分になれる。

箱根湯本までのチケットを取ったが、スケジュールの都合上、僕たちに許された時間は新宿→町田間の30分。
その短い時間の中で新作映画の見所や田辺監督の作品に対する思いを聞きだす。


15時20分。新宿駅で田辺君と待ち合わせ。
自動改札を抜け、ホームをずんずん進み一番前を目指す。

タナベ「そっか、一番前だからホームの端まで行くのか」
スミ「うん。一番前、凄いよ」
タナベ「ゆりかもめより?」
スミ「そんなもんじゃない」

発車時刻ギリギリだったので、慌ただしく車内に乗り込み一番前に座る。

スミ「どう?」
タナベ「凄いな、これ」
スミ「だろ。でも、最近はこの型じゃなくて運転席が前にあるやつが多いんだよ」
タナベ「それだと普通の電車と変わらない」
スミ「そう、変わらない」

周りを見渡す田辺君の目が輝いている。
一番前を取って良かった。

タナベ「これ、町田までじゃもったいないな」
スミ「うん。今度時間がある時に箱根まで行こうよ」
タナベ「その時も一番前で」

15時30分。
箱根湯本行きロマンスカー「はこね号」は僕たちを乗せてゆっくりと新宿駅を離れて行く。



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